必要な物の為に
「うぉー!ハチ!ちょっと調達して欲しい物があるんだがー!」
「うぉっとと、ヘックスさん。今日はまた一段と元気ですねぇ?」
「多分コイツがあればまたとんでもなく技術が進展する気がするんだ!」
ほうほう、それはまた凄い大変そうなアイテムの調達になりそうだな
「で、いったいどんなアイテムを調達してきたら良いんですか?」
「スライムゼリーだ!」
「え?スライムゼリー?それなら空島に居るスライムの皆に分けて貰えば……」
「それではダメなんだ」
「ダメ?」
ほう?それは中々難しい依頼になりそうだな……
「今必要なのはただのスライムゼリーでは無い。不純物が一切ないピュアスライムゼリーだ」
「ピュアスライムゼリー……それはちょっと聞いた事無いですね」
スライムゼリーでは無く、ピュアスライムゼリー……多分ピュアスライムゼリーって事は普通のスライムからは取れない物だよな。ピュアスライムみたいなのが居れば取れるかもしれないけど、まずそんなスライムが居るのかどうかだよね
「まぁ、そうだろうな。私が生まれた時にもレアなアイテムだったはずだ。だが、それが見つかれば今後の技術発展は凄い事になるぞ!」
ヘックスさんが生まれた時にレアなアイテム?ヘックスさん自体が確かオリジンゴーレムだったよな……オリジン(起源)のヘックスさんが生まれた時にレアなアイテムとなると、そりゃあとんでもなくレアなアイテムなのでは……?
「あれが一欠片でもあったら、我らのテクノロジーで培養して液体関連に革新が起こせる」
「液体関連に革新……」
もしかしてそのピュアスライムゼリーって触れた液体のコピーとか、とんでもない乳化性能みたいな物が有ったりするのかな?
「リキッドアーマーも、リキッドウェポンも、その気になれば液体ネットワークも可能になる!」
「ほう?分かりました。探してみましょう」
液体ネットワークが何か分からないけど、明らかに面白そうな技術だ。多分今の僕が目指す道的なのは2つだと思うんだよな……
「因みに、そのピュアスライムゼリーを落とす様なスライムが居そうな場所とかって心当たりがあったりします?」
「それは……流石に分からないな……ハチなら何とか見つけられないかと思ってな」
ふぅむ……そうなると、流石にピュアスライム(仮称)を見つけるって言うのは滅茶苦茶大変そうだな……となると、もう一つの道でピュアスライムゼリーの入手を試みてみるか
「これはちょっと……やるだけやってみるか……」
入手出来るかどうかは分からないが、もう一つの方法でピュアスライムゼリーを入手出来るかどうか試してみよう
「勿論、入手出来なくても仕方がない。それだけ難しい素材の調達を頼んでいるからな……」
お願いだけど、クエスト化していない時点でかなり難しい事なのかもしれない。ならやってやろうじゃないか
「これはまた研究とかで時間が掛かるかもなぁ……」
さぁ、観察の時間だ
「ふむふむ、こういう生態とかも意外としっかりしてるのかな?」
まぁ、縄張り争いとか起きたりするのも生態とかが作られているから出来る事なのかもしれない
「まぁ、こんな事してる人はまず居ないよなぁ……」
ベイタの森まで戻ってきて、スライムの生態調査……でもこれは必要な事のハズなんだ
「ピュアスライムが居ないのなら、スライムゼリーから不純物を取り除いてピュアスライムゼリーを作る。これしか無いだろう」
無いなら作る。最初にこの森で色々作ってた事を思い出すなぁ……
「どんな物でも吸収しちゃうのがスライムなら、まだ何も吸収していない……生まれたてのスライムからスライムゼリーを分けて貰えれば、そこから不純物を除去する事が出来たらピュアスライムゼリーになるんじゃないかな?」
生まれたてのスライムが地面や水に着く前に真淵とかでキャッチする事が出来れば可能な限り純粋なスライムを確保出来るんじゃないだろうか?レベルが低いスライムはただの雑魚という訳ではなく、他の過酷な地で適応する為に必要な物が少ないだろうから確保したスライムゼリーだってその分不純物の除去もしやすい気がする。やり易いならそっちの方が良いだろうし
「試してみたけど、流石にスライムゼリーに対して【フュージョナー】で分離みたいなのは出来なかったし、ここは水と同じ様な感覚とかで出来るかどうかを試してみるか」
まぁ、問題があるとすれば、スライムゼリーは水と違って粘性が高いから濾紙とかで濾過なんかが出来ないかもしれない。となると、また別の方法が必要になりそうだな……電気分解みたいな事とかも試してみる必要があるかな?
「となると、サンプルの量もそれなりに必要になるか。じゃあ、普通のスライムゼリーで実験してから、本番に挑むって方式が良いか」
色んな不純物除去の方法を試す為にも、これはスライム研究家でもあるライマーさんに協力を求めた方が良いかもしれないな
「くぅ~!楽しませてくれるじゃないか!こんな研究者みたいな事も出来るとは!」
普通にスライム研究は楽しそうだし、こうして新素材を追い求めるのも良いなぁ!




