バイオテクノロジー?
「これで、あの街は使いやすくなるだろう。ハチ君のお陰で皆の探索領域が広がる事になったね」
「まぁ、これで他の人も良くなれば良いんですけどね」
これって要するにある程度進んだ先に街が有れば、そこで補給なり、休憩なり出来るからそこから更に先に進めるって事だよな?ならこれはセカンドラ近辺で素材集めしている人にとっては朗報だろう。また何か鉱石関連で発展とかあるかな?
「いやぁ、発展していくのって見ていて楽しいですよねぇ」
「そう言えばハチ君の所は今どんな風になっているんだい?」
「今ですか?そうですね。今はバイオテクノロジーとかに手を出してみようかとかそういった所ですかね?」
「は?」
「いやぁ、上手く行けば新しい作物とか武器や防具が作れるかもしれないね。って話を……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。今のハチ君ってそんな事をしているのかい?」
まぁ、色々やってはいるけど、今の所一番力を入れているのはそこだろうなぁ
「はぁ……なんだか次元が違うというか、ゲームが違うというか……」
「いやいや、多分魔法とか錬金術とか、それこそ鍛冶だってやろうと思えば凄い事は出来ると思いますよ?現に飛行船だって飛んでるんですから、皆もその気になれば蒸気機関とかで自作の船とか作れると思うんですけどね?」
レシピとか設計図が無いから出来ないではなく、自分で試して作ってみるは結構大事な事だと思うんだけどなぁ……まぁ、僕の所はその試して作ってみるがNPC達によって独り歩きして行ってる可能性はあるけども……
「にしてもじゃないか?」
「……それはそうかもしれません」
バイオテクノロジーとかファンタジーな世界観ではまず聞かない単語だしなぁ……
「やる事も終わったし、一回ハチ君の所を見に行っても良いかな?」
「まぁ、お手伝いも終わりましたし、一回見に行ってみましょうか。とりあえずこれから見に行く所は割と機密事項盛りだくさんな所なので、僕から離れると多分危ないから注意してくださいね」
開発している所に行くのだから、下手に僕から離れると技術を盗もうとしたとかでハスバさんが消される可能性もある。ここは注意して行こう
「まぁ、開発関係は空島では無いんですけどね」
「ゴーレムバトルの後以来かな……にしても発展の速さが尋常じゃないな?」
「皆優秀なんで……」
「ハチ様、研究結果がいくつかあります」
オートマトンさんが色々と進んだ研究成果を見せてくれた。ふむふむ。植物系統のバイオテクノロジーっぽい何かが進んだみたいだ。なるほどなぁ……単純に農業の品種改良とは違うのかな?
「なるほど、これってどんな内容か見られるかな?」
「……よろしいのですか?」
ハスバさんが居るから見せて良いのかって事か。まぁ、ハスバさんを信用してるのもあるけど、普通に見た所でプレイヤーでも、こんな技術を真似するというのがそもそも無理な話では無いだろうか?
「この人はむしろ今の成果を見せてあげたい人だから」
「分かりました。それではこちらにどうぞ」
皆アップグレードされたからなのか、明らかに不審者なハスバさんが警戒されている様に見える。そっかぁ……そういう事もあるのか
「あちらに仮で作ってみた作物がありますので、ご確認下さい」
「えぇ……あれってもうバイオテクノロジーとかその域を越えてるんじゃ……」
「わぁお……」
そこには、肉のなる木が生えていた
「味や食感をキチンと再現したので、一般的な3品種の肉の再現は出来ております」
「となると、自分達で食べる分には牛豚鳥の3種の肉は食べ放題って事か。凄いな?」
魔物のお肉も美味しいけど、これは普通に助かるな。多分だけど、この島……基本的にはいつ来ても天候は同じだと思う。だから周りの天気のコントロールとかもある程度は可能とみれば……ほぼ恒久的に肉の供給が可能。あと普通に野菜とかも育成可能だろう。食料の供給に関してはこれはかなり大きな進歩では無いだろうか?
「やったね!この技術は凄いよ!因みに、この植物は種とかある感じ?」
「今の所は種は無く、枝を接ぎ木する事によって増やす位でしょうか。肉から種が出てしまうと食べ難いそうですから……」
それはそうだな。というか、肉から種が出てきたら、食品的にも気持ち的にも二重の意味で食べ難いな
「それは助かる!」
ヘックスさんが出てこないって事はこれはまた僕が一人の時に来た方が良さそうだな。絶対こういう時にヘックスさんはまだ新しい技術とかの事は言いたくなってるだろうから、人が居るけど見せて良いと思った程度の技術しか見せてくれて無いんだろうと思うし……
「まぁ、こんな感じですね」
「本当にとんでもないな……」
「ウチの技術は色々ごちゃまぜと言うか、良いとこどりみたいな感じなので……」
「錬金術もあるんだったか?」
「えぇまぁ。そっちの師匠も居ますね」
本当にこうして聞くと、ウチの技術力は本当に凄いと思う。さぁて、ヘックスさんがもし何かあるって言うのならこれは凄い楽しみだぞ?




