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移送計画

「あ、終わりました?」

「あぁ、こっちは終わったけど、そっちこそ何かしてたみたいだけど?」

「いやぁ、単純に効果は無いかもしれないけど、ゲームでもちゃんと人と人とのやり取りなんだから、その辺気を付けて遊んでねって注意してた所です」

 大分マイルドにしてハスバさんに伝えた。にしてもさっきのはちょっと偉そう過ぎだったかなぁ?まぁ、もう会わないだろうし、この位言っても良いだろう


「なるほどねぇ。それを伝えたらあんな風になってると」

 後ろを振り返ると、何だろう。脱力してるというか、軽く泣いているというか、何とも言えない表情で立ち尽くしていた。うーん、やっぱりちょっと説教くさ過ぎたか?


「何も変わらないかもしれませんが、これでちょっとでも抑えられるのであれば、良いんですけどね」

 正直、こういうゲームで初心者を狩るみたいな事が一番楽しいみたいな事を言っている人とは分かり合える気はしないので、これ以上はあの人に何か言うつもりも無い。僕は強敵と戦って、勝つか負けるか分からない勝負をした方がずっと楽しいし……


「さて、終わったなら帰りましょうか。この人達はどうするんです?」

「馬車があるからそれを使って近くの街まで送り届けるそうだ。一応、護衛として私もついて行くつもりだが……」

「馬車かぁ、なら僕もそれついて行きます」

 馬車なんてリアルで乗れる機会なんかほぼ無いんだから、VRゲームで乗れるんだったら乗ってみたい


「助かるね。何と言ってもまだクエストの終了判定が出ていないんだ……」

「む?まだ終わってない?」

 となると、このギャンブラー達を近くの街に送り届けるまでがクエストなのか……いやぁ、これ絶対来るよなぁ?


「絶対これは来ると思うんだ」

「来ますね。これは……えっと、もし来たら僕がやっちゃっても良いんですかね?」

「多分、送り届けるがクエストのクリア条件だと思うから敵を倒す方はハチ君がやっても問題ないと思うけど……」

 ハスバさんもボス戦ならそりゃあやりたいか。僕の独り占めは止めておこう


「じゃ、そうですね。馬車の方は僕が守るので、ハスバさんは相手が馬車に近寄らない様にしてくれれば」

「なるほどね。例の力で守ると……」

 ハスバさんには真淵で守ると理解しているみたいだ。あれなら見えない人には何も見えないだろうけど、防御はしっかり出来るから背後から来ようと、上や下から来ようと守れる


「その気になれば、相手を細切れに出来ます」

「うっは、怖いねぇ?」

 やってる事は線深淵の頃とほぼ変わらないからな。やろうと思えばって事で実際にやる事は無いかな


「とりあえず行くならさっさと行きましょう。時間を掛けるのは良くないですし」

 迅速な行動は相手に準備をさせる時間を無くさせる。来るかどうかは別として、来た時の事を考えると、準備万端な状態で救助出来る様にさせる訳が無いよなぁ?


「あぁ、出発……そっか。そうなるのか……」

「ん?うわぁ……」

 出発しようと馬車に向かうと、ハスバさんと話していた女の人が馬車の御者の所に座っていた。となると、護衛対象があの人になるのか。うぅむ……僕もハスバさんも馬車の走らせ方は分からないし、これはちょっと面倒な事になりそうな予感がプンプンする


「ハスバさん。少し提案があるんですけど、乗ります?」

「ほう、聞かせてくれ」

 ハスバさんに多分これから起きる事を考えたらこうする方が楽じゃないか?と伝える


「それ……街に着いた時大変そうじゃない?」

「……まぁ何とかなるでしょう!」

 そんな先の事は分かんなーい!


「で、どうです?これなら多分行けると思いますが」

「そうだね。ハチ君がクエストをするとどんな風にぶっ壊すか見たかったし、それ乗った!」

「じゃあ、やりますか」

 パンドラークを開き、1人……いや2人呼び出す


「「オヨビデスカ?」」

 聳え立つ2人のゲヘちゃん。ゲヘちゃんは分身の適性はある方だから2人呼び出したけど、これで行こう


「ゲヘちゃん達にはあの馬車を運んで欲しいんだけど、問題無い?」

「「モンダイアリマセン!」」

「オッケー。じゃあ行こうか。ハスバさん説得よろしく!」

「んほぉ!面倒事を全部押し付けられるぅ!」

「ほれ、さっさと働けぇ!」

 見える様に真淵を馬用の鞭の形状にしてハスバさんのお尻に当てる。本気でやったら多分ハスバさんのお尻が爆散する事になるからしないけど、程よく力は入れたのでこれで満足してくれるかな


「あひぃ!これこれぇ!こういうのも良いよねぇ!」

 ホントこの人無敵だなぁ?




「ひ、ひえぇぇぇ!」

「とりあえず、道案内よろしくお願いします」

「「オネガイシマス」」

「まぁ、この状態で喧嘩を売って来る魔物もまず居ないだろうし、人間も攻撃して来ないだろうから、普通に馬車で行くよりは安全だろうね」

 最終的に馬車2台分のギャンブラーとごろつき達を馬車ごとゲヘちゃんが両手で持って歩いて行く事になった。さぁ、ボスが出て来て止められる物なら止めてみろ?ただの人間なら楽勝で踏みつぶせるぞ?



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― 新着の感想 ―
NPCにSAN値判定ってあるのかなぁ……。 ニャラさまじゃないしゲヘちゃんはおっきくて異様な姿だけの紳士だから大丈夫かな?
馬車を襲いに行った者も、報告を待つ街の人達も、馬車が予想だにしない運ばれ方していて大混乱じゃん
むしろお尻が爆散するくらいでやった方が喜ぶと思うな 後、お説教で1番辛いのは正座させられ表情が抜け落ちた顔で延々と言われ続ける事 爆発した説教がまだ助かる(耳栓してたらいいだけだもの)
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