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1772/2014

6発目

「絶対に何かしているハズなのに……分からねぇ……」

「あと1発……あと1発で終わりなんだ……」

 銃を撃つ側はサイコロを転がす側に比べたら気楽な物だ。だからこそ、イカサマを見抜く役割としても重要になって来るが、見えない物はどうしようもないよなぁ?


「4。また同じだね?これで3回目だ」

 3回目の引き金を引き、一応の確率的には半分の確率になっているだろうけど、どうせ最後の1発になっているだろうから、ここはもう少し攻めますか


「今のでそっちは残り3回。こっち1回。これでまたこっちが勝つか、3回ずつ当てるってなると面倒だし、もういっその事サイコロ3つを投げて合計数値勝負でも良いよ?そっちが勝てばこっちが1発撃つ。そっちが負けたら1発。但し、お互いに投げたサイコロの数字が被ったら、お互いにその被ったサイコロの数分撃つ。そして、今回は同時にサイコロを投げる。これでどう?まさか、こんな有利な条件で断るなんてギャンブラー、居る訳無いよねぇ?あ、それとももっと自分が勝てるルールにしてくれないと勝負しないとか?」

 さぁ、頭の体操をしようか。もし仮に相手がサイコロの出目を自由に操れるとするなら、最初の文言だけで6を3つ並べるだけで勝てる事になる。サイコロ3つで18以上の数値は出せないし……だからここはノータイムで6を3つ揃えるって所だが、僕はお互いのサイコロが被ったらその個数分撃つというルールを提示した。これによって、6を3つ揃えたらどうなるか……僕も3発撃つ事になるが、相手も3発撃つ事になる。そうなれば、確実に発砲は避けられない


「う、うるせぇ!今考えてんだ……」

「流石にこれで逃げる程度の低いギャンブラーとはこれ以上やってもつまんないや」

「はっ!ケヘヘ、良いぜ!乗ってやるよ!おい、サイコロあと4つ持ってこい」

「う、うす……」

 もう今まで出ている面で相手のサイコロに4と5と6しかないのはほぼ確定だから実質的な勝負は6のゾロ目を出すか、そうでないか。6ゾロなら両者死。665とかなら負けるけど2発ならまだ大丈夫。そんな所か……もしくはアレに気が付いたかな?


「はっ、ケヘヘヘヘ!さぁ勝負と行こうか、嬢ちゃん!」

「良いよ」

 さぁ、何を思いついたのかな?


「嬢ちゃん。お前馬鹿だなぁ?今回俺は別に勝たなくて良い。たった1つ。お前の出す数値と同じ目を出せさえすれば俺の勝ちなんだよォ!」

 確かにそうだ。別にこっちが負けない様に6のゾロ目を出した所で、相手が例えば456とか出した場合、相手も1発撃つ必要はあるけど、こっちも1発撃つ必要がある。つまり、普通にやれば絶対にこっちが勝てない勝負なんだ


「ハッ!1が2つに6が1つだ!これでお前の負け……」

「1が2つに6が1つ。あらら、3つ被りだねぇ?」

 新しく持って来たサイコロ。最初に用意したサイコロよりも上等な物だろうから、多分アレは今までの奴とは違う。片重心のその片寄りを動かせるタイプなんだろう。だからこそ、この場面で6が1つあっても、他に4や5はあり得ないと思った。そして、相手の裏を掻いてしてやった感を出すなら1を出す……正直そこは賭けだったけど、そうじゃなきゃギャンブルなんてやってられないよなぁ?


「ば、バカな!?」

「さて、という訳でお互いに3発撃つって事だけど、じゃあ、よろしく」

「撃って良いんだな?」

「うん。自分の運を信じてるから」

 そう言って、ハスバさんに6発目の引き金を引かせる


「「おいバカ止め……」」

「カチン」

 確かに6発目の引き金は引かれた。だが、弾は発射されなかった


「カチンカチン」

 静寂の中を残り2回分引き金を引くハスバさん


「不発だった様だね?」

「だから言った。運は良いって。じゃあそっちの番。そっちの不発の運に賭けてみる?」

「そんなバカなッ!?」

「弾が出なければ続行。初めにそう言ったのはそっち。不発の弾だって2回目なら出るかもしれない。でもその前にまずはそっちの3回を撃ってから」

 その為にルールを確認したんだから。さぁ、撃ってもらうぜ?


「カチン……カチン……」

 2発分の引き金を引いたけど、最後の1発。その引き金を引けないまま立ち尽くすギャンブラー


「ギブアップする……俺に、不発を引ける運はねェ……」

「了解。じゃあ今日からここは返してもらう」

 よしよし。いやぁごめんねぇ?本来なら緻密な頭脳バトルとかをするべきなんだろうけど、使える物は何でも使わないとね?


「こ、こんなの認められるか!」

「そ、そうだやっちまえ!」

「この場所は渡さねぇぞ!」

 おぉ、来た来た。周りの人達が反発して戦闘の流れになりそうだ!


「止めろお前達。俺達が負けたんだ」

「あぁ、これ以上は……」

「うるせぇ!お前らとはここで終わりだ!」

「そうだやっちまえェ!」

 おやまぁ、ここで分裂しちゃうのか。まぁそれならこの2人は一旦放置で周りの奴らを無力かするか


「こっちの方がずっと楽だね!」

「そうですよ。頭脳勝負よりずっとシンプルで簡単です!」

 そうして、ごろつきのお掃除大作戦が始まった



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― 新着の感想 ―
なるほど、弾づまりの不発でも、引き金を引いていれば一発は一発かぁ
フィールドエンカウント型 魔王ハチ君戦の開幕
あらあらぁ、駄目ですよぉ?無法者には無法者の法ってモンがあるでしょうに…約束事を守らずに暴力でひっくり返すなんて、同じ裏の人間からも爪弾きにされて行き場を失くしますよぉ?……まあ、もう往く場所は決まっ…
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