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魔蟲の森へ

「ドナークさんありがとう!これでアトラさんの手伝いの続きが出来るよ!」

 魔蟲の森の東に向かって進む為のコンパス。今回は位置データが無いからざっくりになっちゃうだろうけど森という方角を見失いやすい場所で多数の蟲と戦った後にまた道を進む場合において方角だけでも分かるのは凄くありがたい


「おぉ、ハチ。コンパスを作れたのか?」

「はい!ドナークさんのお陰で作れました!」

 出来上がったコンパスをやってきたアトラさんに見せる


「そうか、あの祠は魔蟲の森を道なりに進んで大きな岩が見えたらそこから真東に進むと良いぞ」

 おぉ、真東なら分かりやすいぞ?


「なるほど……」

「あぁ、あと一つ、出来れば蟲達に危害を加えない方が良い。後々の為にな?」

 危害を加えない方が良い?要するに戦うなって事かな?


「アトラさんがそう言うって事は重要な事なんですね……覚えておきます」

 魔蟲の森って結構危険な感じだという情報が僕のフレンド達の中で飛んでた気がする


「あぁ、覚えておいて損は無い。もう行くのか?」

「はい!コンパスも出来たし、あの橋の修理もしたいので他の皆にもよろしく言っておいてください」

 ヘックスさんとかヴァイア様とか会えてないけどまぁここで楽しくやってそうだし、また戻ってきた時にお話しよう




「それじゃあ行ってきます!」

「おう!行ってらっしゃい!」

「頼んだぞー」

「兄さん頑張ってなー」

 皆に見送られてアストライトを出る。行く先はサーディライの街だ!




「やっぱこの街苦手だなぁ……」

 街に入ってすぐお祭り騒ぎのこの街の雰囲気は若干苦手だ……とりあえず街から出よう。魔蟲の森に避難だ


「森が僕を待っている!ってね」

 出来る限り人とぶつからない様に移動して路地に入り、屋根伝いで移動……やっぱり僕おかしいかな?




「おう、旅人さん。こっから先はかなり危険だから行くならしっかり準備してから行くんだぞ?」

「ありがとうございます。お仕事お疲れ様です」

「あぁ、気を付けてな!」

 労いの言葉を掛けたら衛兵さんに気分よく返事してもらえた。何かあるって訳じゃ無いけど働いている人には労いの言葉を掛けるべきだろう


「えっと……先に進んで行けば大きな岩があるんだよね……っと!」

 道を歩いていくと飛んで来たハチ……もとい1m近いサイズの蜂が3匹飛んで来た。思いっきり道の上を飛んで来る所を見るに今までの道の安全性はこの辺りから無くなっていると言っても過言では無いかもしれない


 これで虫に危害を加えないで橋の所まで行くとか中々ハードじゃないか?


「いや、蜂?蜂って確か……」

 不用意に蜂を潰したりしたらその蜂から攻撃フェロモンが出て集まってくるとかあった気がする。そう考えれば虫に危害を加えるなって言うのも納得できる。あんなデカい蜂が何体も出て来たらそれこそ対処が不可能になっちゃう


「大きな岩が出てくるまでは道付近を離れ過ぎない様にしないとな……」

 蜂を回避する為に道から少し離れる。道を見失わない程度に森の木を利用して進む。とりあえず【欺瞞】が発動していると思うから大丈夫だとは思うけど【擬態】も発動して森に溶け込もう


「そっち行ったぞ!」

「気を付けろ挟まれるぞ!」

「【ヒール】!」

「【ダブルスラッシュ】!」

 先に進んでいたプレイヤー達だろう。蜂3匹と3m程のムカデ1匹と戦っていた。蜂は基本的に集団で居るんだな?


 レベルが結構あるパーティなんだろうか?蜂は攻撃が2~3発程度当たれば倒していた。でもムカデは結構堅いのか剣の攻撃を弾いたりしている。やっぱり虫もデカくなるとそれだけで強そうだ


「ぐっ、クソ!」

「がはっ!解毒してくれ!」

「【ポイズンキュア】きゃっ!」

「ヒーラーがやられた!」

 1人が蜂に刺されて紫色の泡の様なエフェクトが出ていた。ああいう毒もあるのか……で、その毒を治療しようとしていたヒーラーさんをパーティの剣士が抑えきれていなかったムカデが咥えて他のメンバーと引き剥がす。引き剥がされたヒーラーさんはいつの間にか追加でやって来ていた蜂に囲まれ、刺されてポリゴンと化す。えぐいな……


 回復を全てヒーラーに任せていたのか、ヒーラーが死亡した事でパーティはあっという間に瓦解した


「うわぁ!」

 ある者はムカデに噛まれて毒が回ったのか地面に倒れたまま、動けない状態で頭からガブッと


「無理だっ!」

 蜂はまさかのお尻の針をただ刺すだけじゃなく飛ばす事も出来るようで両足を針で撃ち抜かれて、歩けなくなった所を集団でブスブスと


「なっ!?」

 ある者は急に戦場に現れた黒光りする弾丸の様な速度で迫ってきたソイツを捉える事が出来ず空中コンボでボコボコにされてHPが尽きたのかヒーラーの後を追うように3人がポリゴンになって消えていった。ひょっとして匂い袋を持っていない場合ああいう風になってしまうのか?ダイコーンさんがもっと高値でも売れるって値段を釣り上げた意味が分かった気がした。あれはヤバい


【欺瞞】がフルで機能してくれているお陰か僕を見ても特に攻撃してこない虫達。攻撃を捌けるとは思うけどこれが仲間呼び系でドンドン追加されたらそれこそ地獄だ。下手に手は出さずに大きな岩を目指そう。あれを見てしまったら慎重に動かざるを得ない


「助けられなくてごめんなさい」

 全滅したパーティに軽く謝り、大きな岩を目指す。大きな岩を目指している間にも基本的にサイズが大きくなったムカデ、ゲジゲジ、蜂、バッタ、蠅、カメムシ、ナメクジ、蚊と様々な虫達が居た。基本的に害虫って言われる類の虫だ。そしてたまに現れるゴキブリ……


「ここか……」

 虫達を掻い潜ってようやく大きな石が道の真ん中にある場所まで辿り着けた。辿り着けたって言ってもここからがスタートなんですけどね……



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― 新着の感想 ―
[気になる点] おれが、おれたちが、Gだ!! 奥の手として赤くなったりするんですかね??
[一言] トラウマ級のやられ方するな…
[一言] アトラさんのアドバイスと匂い袋の存在からして 魔蟲の森ってモブ倒さず進むのが正規ルートだったりするんですかねぇ
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