情報獲得
「と、とんでもない爆破だ……」
「なんだ……この爆破は……」
「多分、あの人の自決用。でも、ここまでの威力とは……思っても無かった」
空に上がる光の柱。そしてとてつもない爆風で巻きあがる砂によって前も見えなくなった
「うひゃー、すっごい爆風……」
「現在進行形で吹き飛ばされていますが、大丈夫でしょうか?」
爆弾を起動した段階でゲヘちゃんは戻し、ただの砂に戻った体ごと爆風によって僕も飛び出す。バニシングクロークがモモンガの飛膜の様になっているせいか、かなり良い感じで吹き飛ばされた。いやぁ、ネスト方面に飛ばされたお陰で追加のやる事が出来るな
「さ、範囲型【レスト】起動だ」
戦闘に参加していた人達をシンフォニアの範囲内に入れて全員に【レスト】を掛ける
「一度聞かせた事がある人たちにとってはある意味懐かしさを感じる事になるかな?」
そうなってくれれば消えた甲斐がある
「さて、こっちはレジスタンスと体制派の纏める為に命を掛けたぞ?そっちもキチンと約束を果たしてもらうぞ?」
『見事だよ……君のとんでもない能力。ここまでしてもらって、レジスタンスと体制派の協力体制を維持出来なければ、こちらの落ち度だ。情報は勿論差し上げよう』
おっ、良かった。ここまでやってダメだったら流石にネストを本当にぶっ潰す事になる所だったよ
「そりゃあどうも。なら早速今から貰いに行きますね」
『あ、あぁ。待っているよ』
「どこに行くべきかな?」
『それならタワー4に来てくれ』
タワー4……今なら監視とかも居ないかな?
「では今から向かいます。勿論邪魔するような存在が居れば……」
『勿論邪魔するつもりは無いさ。君の邪魔をすれば間違いなく潰されるというのがハッキリ理解したからね。それに、敵対する必要性が無い。ネストにこれだけ色々と齎してくれた君とはこれからも仲良くしたい位なんだがね?』
まぁ、ネストとこれ以上付き合うかどうかは分からないなぁ……フェルマーさんは別にこれからも接触する事はあるかもだけど……
「えーと、タワー4はあそこか。よし、早速入るか」
まぁ、主要メンバーはまだ戦場か戻ってきている最中だろうから、介入される事は無いかな?
「さて、一応は敵対位の気持ちで行った方が良いよな」
一応、最高権力者とは会ってないだろうけど……どうだろうなぁ?
「ふむふむ、これは中々色々データは収集出来そうな見た目はしてますなぁ?ライマーさん。どう思う?」
「こいつぁ、中々読み取り甲斐がありそうだな」
おぉ、ライマーさんもやる気だ。ふむふむ……ちょっとだけここで試してみるか
「ライマーさん。一旦ここでやってみる?」
「そうだな。これはやらなきゃ勿体無い」
おぉ、サーバールームみたいな所だけど、ライマーさんがペタっと張り付いて情報を吸い出しているみたいだ。まぁ、これで事前に情報を吸い出しても文句は言えないよね?
「おぉ、こりゃすげぇや。中々良いモン揃ってるな?ほうほう、コイツも必要な情報じゃないか?」
そう言ってライマーさんが何かの情報が表示されたウィンドウを見せて来た
「何々、ほう?確かにこれは必要な情報だね?因みにこの情報は改竄とかされた形跡とかは?」
「勿論、改竄前の情報を引っ張って来たさ。この程度の改竄で誤魔化されないさ」
なんて頼もしいんだ……ライマーさんが輝いて見えるぜぇ
「この情報を持って行ってみますか!」
入った瞬間に待機していないのであれば、どうせタワーの上とかに居るんだろう。だったら、その場で貰える情報と今この場で取れる情報がどのくらい違うのか精査しても良いかもね
「エレベーターか。良いじゃん」
これならエネルギーを切ったら脱出出来ないとかそういう感じかな。まぁ、僕らには意味無いけどね?
「こんちわー。報酬を貰いに来たよー」
「随分と軽いねぇ?」
おっ、何か高そうな椅子に座って如何にもって感じだ
「それで?ネストの情報は貰えるんだよね?」
「あぁ、勿論だ。だがその前にほら、君のお陰だ」
モニターには連合軍が共に凱旋し、喜びや悲しみを分かち合ってる映像が流れていた。まぁ、体制派の人にとっては僕の存在はそこまで分からないだろうけど、その辺はレジスタンスの人が説明とかしてたのかな?
「この情報端末から好きな情報を持って行くと良い」
「なるほどね。はいはい、いくつかマスクされてると。この辺は兵器関連とかかな?ヴァイオレットさん?」
「……何故その名を?」
勿論、軽くその端末とかを見てみたけど、最高権力者の名前とかはマスクデータとなっていた。だからこそさっきライマーさんが入手したデータで最高権力者の名前のデータが役に立つ
「この程度のマスクでは隠せませんよ。まぁ、こっちとしても、別にネストと事を構える気も無いし、大量破壊兵器だの、生物兵器だの、この街の真実なんて別に興味無いんです。でもこういう角度の違う情報というのも欲しかった所です。ありがとうございました」
「つくづく君という存在が恐ろしいよ」
「貴方にその気があれば僕の家にご招待しても良いですよ?まぁ、そういう事も出来る様に情報をバラ撒いた様な物ですし……その結果技術革新でも起きて新しい技術が出来たらそれを教えて欲しいとかそんな所です。そうですね。では改めて……オクトパス改め、ハチと言います。どうぞよろしく」
姿を白ローブの姿にして、ヴァイオレットさんに挨拶をする




