計画的暴走開始
「よし、これで頼んだ物は全部揃ったし、やってみますか!」
ログアウトしていた間にヘックスさんに頼んだ物は全て揃っているし、僕も僕で用意した物も準備出来ているから早速ネストに行くとするか
「さぁて、今日でケリ付けようか」
情報収集の為に頑張ってるけど、これ以上は時間を掛けたくない。新しい技術が生まれるその瞬間を、見逃したくないんだ。僕がネストで頑張ってた間にまた何か新しい技術革新があったのか、キュービアさん達が普通に喋れる様になってたし……しかもあの図書館で情報を貰ったリーディングスキャナーに似た技術の本……どう考えても魔法じゃなくて、機械とかに関する情報の本だとすると、新しい技術革新がまた起こったって不思議じゃない。となると、急いで戻らないと新しい技術が生まれるその瞬間を見逃す事にもなる。そんな瞬間に立ち会えないのは勿体無い
「よし、それじゃあ最後にご挨拶だけしようか」
早く済ませたいけど、演出はしっかりしないと良くないよね?
「とりあえず手紙が良いかな?」
えーと、こういう時の手紙ってどんなのが良いかな?まぁでもこういう手紙の最初の書き出しはもうアレしかないよね!
「えーと、『これを読んでいる時には私は既に自我を失っているだろう』っと」
やっぱり最後の手紙ってこういうのだよねぇ!これを読んでいる時にはの最後の手紙としてほぼ何にでも使える万能感。素晴らしい
「最後の方は読めないレベルにぐちゃぐちゃにしてと……」
これで自我を失ってるって分かりやすいかな
「これで良しと!後はこれをレジスタンスのアジト前に置いて行って……あ、あの門番こっちの門番になったんだ。まぁそれはそれで良いか。じゃああの人達の前で落としていけば良いか」
ボロボロの布を体に巻いて、体を見えない様にしてから怪しい動きをして、多少唸り声でも出しておけばそれらしいだろう
「な、何だお前!」
「止まれ!」
「うっ、うぅぅぅ……」
握ってくしゃくしゃな手紙を門番達の前で落とす。よし、手紙を見たな?ならもうオッケーだ
「待て!」
「行っちまった……なんか落としていったぞ?お、おい!これって!」
「えっ!?じゃあさっきのって……」
よーし、キチンと拾ってくれた。ならもう外に出て準備しますか
「まぁ、壁が登れる。察知系はほぼ無視出来るっていう力があれば監視網は余裕で抜けられちゃうんだよなぁ」
本当にこれはありがたい。速い以外に高い機動力があればそれだけ自由な行動が出来るというのをこれ程感じるのも中々無いね
「ゲヘちゃん。前に相談したアレってどうなったかな?」
「カノウデス。マワリノスナデ、ヤリマスカ?」
「うん。それでお願い」
本来ならゲヘちゃんの体は石っぽい物だけど、どうやらゲヘちゃんの努力の結果なのか、体を砂で構成する事も可能になったらしい。しかも、砂の体は魔力によって形状が石の体よりも自由度が効くという話だ。その形状も僕がゲヘちゃんに取り込まれる状態になれば操縦可能だし、形状もある程度僕の意思で変更が可能らしい
「じゃあ、やるよ?これが終わったら、お出かけでもしようか」
「ワカリマシタ!」
ゲヘちゃんを連れてのお出かけは何処が良いかなぁ?
「うんうん、砂が紫っぽい黒で良い感じ禍々しいね」
ゲヘちゃんが周りの砂を集めた結果、色が変わって丁度良い感じの色になった
「よし、それじゃあオペレーションマリオネッター開始だ」
「ハイ!」
ゲヘちゃんと僕が砂に包まれてドンドン大きくなっていく。人型だけど、髪の毛っぽい部分が8つに分かれて、オクトパスっぽさを出していく
「よし、良いね!これなら戦えそうだし、行けるかも!」
ゲヘちゃんを操縦する時特有の体を動かす時に感じる重い感じ。今回は体の動きとは別に真淵操作も加わる。ふむふむ……真淵を操作するのも重たく感じるな。これはこれで良い訓練になるのでは?ゲヘちゃんとのリンクによって発生する負荷が真淵にも伝わるのであれば、これは真淵も筋トレみたいに負荷によって鍛える事も出来るかも
「うんうん、良いトレーニング法を見つけたかもしれないな。となると、今後はゲヘちゃんが使えるもっと動かしにくい素材を探すのもアリだな……」
おっと、いけない。訓練メニューを探すんじゃなくて、ネストを襲わなきゃ
「そろそろ出て来ても良いころかな?」
「ウゴキアリ!」
おっ、来た来た。ネストから沢山パワードスーツを着こんだ人が出て来てる。おぉ!ちゃんとレジスタンスの人達も居るし、あの特徴的なパワードスーツはフェルマーさんだ。いやぁ大分力技だったけど、何とか足並みを揃わせる事には成功したようだ
「さてさて、勿論ただでやられるなんてそんなぬるい事は言わないぞ?」
「コブシデ、テイコウシマショウ」
無抵抗でやられるなんてそんなつまらない事はしないぜぇ?勿論相手を殺さない程度に手加減はするけども、しっかりと抵抗はさせてもらう
「オンセイ、ダセマス」
「オッケー。それじゃあやるか。ゴアァァァァァ!」
さぁ、ネストの諸君。自分達の国を守れるかな?
 




