体制派との接触
「君の言う体制派とレジスタンスを1つにするとはこんなに盛大な話だったのか。因みに、何処までが本当なんだい?」
「え?全部本当ですけど?」
所々嘘は散りばめてたけど、大体の大筋は本当の事で纏めてある
「は?」
「まぁ、暴走云々は自分の意思ですけど、レジスタンスと体制派が纏まらなかったら……私は自分の意思でネストを破壊します」
「お、おいおい……冗談だろう?」
「冗談は今のところ言ってはいないと思いますが?」
こっちのはねっかえりを纏める。事務員を連れて来る。2つのレジスタンスを1つにする等々有言実行をしてきたからこそ言えるハッタリ。実際問題ネストを破壊したって僕に対しての旨味は何一つない。まぁ、最終的な目標の為にもまずはネスト内がバラけているのが良くないからね
「……おいおい、スパイかなんかかと思ってたけど、もっととんでもない人材だったか……」
「でも、信じてくれれば、絶対ネストは良くなるよ」
まぁ大枠を言わないと、この位しか言えないんだよね……フェルマーさんなら何とかなるかな?
「うぅむ……中々難しいな」
まぁ、信じてもらえなくても仕方ないよね。僕だってこれは怪しいと思うもん
「まぁ良いや。じゃあフェルマーと話をしてくる」
「お、おい!もう行くのか!?」
「時間無いからね」
そもそもネストの情報を集める為にやってるからなぁ……回り道はこの辺で終わりたい
「じゃ、行って来る」
「あー……行っちゃった」
さてさて、早速フェルマーさんと接触するかぁ
「フェルマーさん。レジスタンスの統一は出来たんで、そっちとの接触がしたいんですが……」
インカムで接触が出来るかどうかを知りたい所だが……
『行ける……と思うけど、多分色々付いてくる……』
「ん?まぁ良いですけど……」
何か付いてくるってどういう事だろう?まぁ、それはそれで良いんじゃないかな?
「何処で待てば良いかな?」
『タワー……はちょっとマズいか。スーツクレイドル近くの広場で』
「……分かった」
いや、分かったじゃないが?スーツクレイドルってなんだ?何処だ?えーっと、クレイドルの意味……クレイドル……揺りかご?うーむ。となると、スーツクレイドルとなると、スーツの製造所かな?
『場所、教えようか?』
「はい、頼みます……」
やっぱり聞かないと分からないよね。知ったかぶりをする訳じゃ無いけど、情報戦とかを考えるとどうしてもこの辺は出来るだけ知らない事でも知ってる風にする事がちょっと染みついてるかもしれない。謙虚さを忘れない様にしないとね
「えーっと、ここか。うわっ……」
フェルマーさんのゴツいパワードスーツ以外にも何機かパワードスーツが並んでいる。これは中々大変な事になりそうだ……
「おい、フェルマー。アイツか?」
「あぁ」
「随分と面白そうな奴じゃーん?」
「アイツが……レジスタンス側の切り札?」
「まぁ、ネストを一つにする。その為の協力者として優秀であれば何の問題も無い」
おっ、なんだかまたクセの強そうな人達だ。まぁフェルマーさんの仲間っぽいし、一応は体制派の仲間という事で合ってるよね?
「さっき、2つのレジスタンスを纏めて来た。だから組織として協力体制は組める所まで来た」
「へ?へ、へぇ?ゆ、優秀じゃん……」
フェルマーさんが何処まで言ったのかは知らないけど、これで新体制を組めるんじゃないかな?
「ちょっと!?なんでそういう大事な事を教えてくれないんだよ!?」
「何で?だって、協力関係になったの今日だし……」
「は?たったの1日でレジスタンスを纏め上げたって言うのか!?」
まぁ、そういう事にはなるかな。こういうのって普通はもっと時間が掛かる物だろうけど、自分でもびっくりする位スムーズに話が進んだ。やっぱりクエストになると、この辺がスムーズに進む様なカラクリでもあるのかな?
「で、結局どういう風にするつもりなんー?」
「今の所、レジスタンスの武力は大体全部一度倒したから、最高戦力は自分になってると思う。その状態で自分がいつか暴走してネストを崩壊させる化け物になるから、それを止める為には体制派と協力しないと止められないって感じにしてきた」
「本当にすっごい壮大な計画にしたね……」
まぁ、思い付きでこんな事になってるからねぇ?
「で、一応聞くか迷ったんですが、そちらの人達の名前とかは聞いて良いんですかね?」
「オクトパス……が名乗りたくないなら聞かない方が良いんじゃない?」
ここでオクトパスと言う辺り、ハチの名を出すかどうかをこっちに委ねるって判断か
「どうせ、この計画が終わったらここから居なくなる気満々なんで別に名乗らなくても良いですかね?」
そうしておけば、後日僕がお忍びで来た時も気易くなるかな?
「まぁそれでも良いだろう。にしても1日でレジスタンスを統一とは……普通に欲しい人材だ」
「それは多分無理だね。あの人が持ってる技術力は我々を凌駕してるから」
フェルマーさんは空島に来た事あるもんなぁ……
「あの技術だって、持って来たのはそこのオクトパスだし」
あ、あのバングルの事か。いやぁ、やっぱり技術っていうのはこういう所で効いてくるねぇ?




