面接
「ハハッ!ノコノコ出て来る方が悪いんだよぉ?」
「なっ、何故バリアがっ……!?」
もしかしてこの人バリアを展開出来るとかそういう系かな?まぁ確かにバリアは展開されてるみたいだけど……
「そんなの……バリアの内側に入ってるからねぇ!」
体の表面では無く、自身に対して球体に発動するタイプのバリアであれば、内側に入れれば、無効化というか、完全なゼロ距離タイマン空間を作り出す事が出来る。元々飛びついて一番に潰してやろう位の気持ちで攻撃したけど、そんな美味しい空間を作られたら……僕が使わない訳無いよなぁ?
「ホラホラ、ちゃんと守らないと?」
「コイツ……化け物か!?」
まだ、肘や膝での単純な打撃で済ませてるんだから感謝してもらいたい。関節技も極めて無ければ、締め技も使ってないんだから
「さ、さっきまでの動きとまるで違う……」
「な、何だ……この圧倒的差は……」
「何という一方的な攻撃……」
「ちょ、ちょっと……どうなってるの……」
四天王みたいな人達も僕のあっという間なボスへの直接攻撃で反応出来てないみたいだが、まぁこれに関してはどうでも良い。正直四天王もさっさと手の内を見せろって思ってるから、このボスへの直接攻撃で魔法使ってくれるならこれだってちゃんと勝利への1手に繋がっている
「手、2本じゃ足りないでしょ?」
「がぁぁぁぁぁ!?」
バリア内での触手アームによるボスの肘や膝関節への逆方向へ油圧プレスの様なゆっくりした加圧。完全に喰らってしまえば、間違いなく人体への大ダメージになる。そしてこれはゆっくりと迫って来る死を想起させるのに丁度良いだろう
「【恐怖圧】起動」
このタイミングで【恐怖圧】を使う。深淵に関してはニャラ様に頼らない新しい物を作ろうとしてるけど、それ以外なら使える物は何でも使うよ?
「さて、君達。ボスがクシャっとされるのを見てるのか。君達も一纏めにクシャっとなるか。選びなよ」
一応、今はボスだけだが、逆らえば自分達もそうなると威圧する
「「「「……」」」」
「……あぁごめんごめん。もう一つあったね。私に勝つ。さ、選んで選んで」
4人を完全に恐怖で包んだ後に僕に勝てば生き残れると希望とも言えない絶望の道を提示する
「どうしたの?あ、異能を使えば逆転出来るんじゃない?まぁ今異能が使える精神状態じゃないかもだけど……」
戦場において恐怖はとてつもない威力を発揮する。思考の鈍化と身体の硬直。その2つがあれば、その気になれば子供だって大人を倒せる
「しょうがないなぁ……正直使える人材かどうかを見極めるつもりで来たから、力を見せて貰えないと全部クシャっとするしか無くなっちゃうし……そうだ!今から面接するよ!」
恐怖圧を解除して、提案する。面接というふざけた提案
「き、貴様……いったい何を……ぐあぁぁぁぁ!」
「うるさい。君は最後。 それじゃあ、皆力を見せて。使えない奴はクシャッとするね」
ボスに圧を少し掛けて、近くの鉄骨を別の触手でグルグル巻きにする。一応、ポン君ブースト全開にして任せたお陰か、鉄骨が物凄い潰れ方をしていた
「はい、じゃあそこの君から行こうか」
「な、何だコレ……」
「お、俺達のボスが……あんなにもあっけなく……」
「どうなってるんだ……」
「あ、勿論、君達も皆面接は受けてもらうよ」
周りに居た取り巻きみたいな人達も根こそぎこのレジスタンスを貰うつもりだから勿論全員面接対象だ
「えっと……炎の四天王をやってる……バーニアです」
「うんうん、キチンと受け答えしてくれるのは好印象」
大事なのは今後やって行く為の下準備だからね
「使える能力は?」
「炎を……操れます」
「実際に使ってみてくれる?」
「えっと、こんな感じで」
おー、ライターみたいなのがそのスーツに組み込まれてて、それで炎を出して使えるって事か。なるほどなぁ
「良いね。実に分かりやすい能力で加点評価」
「ホントですか!」
まぁ、マイナス評価=死か拷問だと思ってるこの人達にとってはプラス評価はそれだけで生存に繋がるからなぁ?まぁ、反抗しない限りマイナス評価するつもりは無いけど……
「じゃ、次」
そんな感じで、四天王やその他の人達も面接を済ませていく。ここは単純に分かりやすく強い能力を評価して四天王にしてるって感じだな。下っ端の中にも磨けば光りそうな能力を持ってるのを複数見つけたから、これは普通に向こうのレジスタンスに戻った時に色々使えそうだ。しかも、こっちのレジスタンスには事務仕事が出来る人も居た。これは嬉しい発見だ。しかも結構扱いが悪いみたいだし、こっちで待遇改善すれば、しっかりと仕事してくれるだろう
「じゃ、最後に君だね?」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
さっきから事ある毎に抵抗してきたから関節にダメージを与えてたけど……まぁ今まで鞭をあげてたから飴をあげようか
「【レスト】」
「うっ……」
触手を解き、寝かせる
「今のはいったい」
「私の異能の1つ。相手を回復させる」
「「「「は?」」」」
「ど、どういう事だ……体の痛みが完全に無くなっている……まさか!?あの傷まで治っているだと!?」
ん?何かどっかに治りにくい傷でも持ってたのか?まぁその辺は別にどうでも良いけど、それが治ったなら良かったね




