もう一つのレジスタンス
ハッピーバレンタイン!
「そうだ。書類仕事が終わったら新しい人材確保に行ってみてくれないかい?」
「……分かりました」
これ、レジスタンスのやるべき事ほぼ全部やってないかな?中々ワンオペな感じになって来た……
「じゃ、頑張ってね!」
任されたけど、そもそも現状で事務が出来る爪弾き者なんて居るのかっていう話だ。僕がそういう提案をしたから僕が見つけて来いって話なんだろうけど、これはマジで大変だぞ……
「うーん……どうしようか……こればっかりは流石に頼るか?」
一応、書類の分類とかが終わったので、外に出て来たが……まぁ、フェルマーさんを頼った所でそんな人材を確保出来るのかって話だけど……
「一旦、探すだけ探してみるか?」
とりあえず探すだけ探してみよう。探さなければ、例え居たとしても見つける事は出来ない。まずは動いてみよう
「だけど、まずはレジスタンスの評価とかを聞きたい所だな……」
勿論、普通の人にとっては反体制派の人だから良くないみたいな評価なんだろうけど、これが例えば、レジスタンスの立ち振る舞いに困っているなんて評価が聞こえてきたら、間違いなくそれは改めないとダメだ。体制派に逆らうみたいな状態であるならば、最低限市民から嫌われるなんてもってのほかだ
「よし、まずは内部で聞き取り調査をしよう」
外での評価を集めるのは当然だけど、まずは内部で直すべき所が有るか無いか聞くだけ聞いてみよう
「やぁ」
「「「「お疲れ様です!」」」」
一度ぶっ飛ばしてあげただけなんだけどな……
「一つ聞きたいんだけど……」
「「「「なんでもお答えします!」」」」
うーん、なんて都合が良いんだ
「じゃあ、レジスタンスが外部で活動する時。市民に迷惑を掛けてる?」
「市民に迷惑?」
「うーん……」
「あ、あの勧誘とかあんまり良くなかったかも……」
「店先で暴れるとかはあんまり……」
完全に無い訳ではなさそうだな
「あの、それに関して1つお伝えしたい事はあります!」
「む?何」
1つ伝えたい事か。これは結構重要な事かもしれない
「実は、巷で我々レジスタンスとは別に『レジスタンス』と名乗っている奴らが居るみたいなんです」
「別に?」
「はい!ソイツ等は俺達とは違って、かなり強引な手を使って勧誘したり、勧誘を断ったらボコボコにしたりして、中々危ない奴らでして……」
ほうほう……そう言えば、僕に最初に接触してきたレジスタンスって名乗ってた奴って断ったら消すみたいな事言ってたっけ。ここをある程度見たけど、居ないし……となるとアイツはこことは別のレジスタンスの奴らって事か
「別のレジスタンス……ソイツ等のアジトとか知ってる?」
「「「「まさか!?」」」」
「人材確保に行って来る」
ネストを纏める為にレジスタンスが2つもあるなんて面倒な状況はさっさと改善しないと。それなら向こうのレジスタンスを丸々こっちに吸収してしまった方が良いよな
「オクトパス様なら、出来そう……」
「誰か、場所知ってる?」
「それなら!私が知ってます」
「じゃあ、地図書いて」
「はい!」
よし、その別のレジスタンスの場所も分かってるなら話が早い。準備だけ進めておこう
「じゃあ、ちょっと行って来る。リーダーには、少し遅くなるかもって言っておいて」
「「「「はい!」」」」
レジスタンスのアジトを出て、フリーの時間。フェルマーさんに一度連絡を入れておくか
「フェルマーさん。聞いてたら応答してください」
『こちらフェルマー。聞いているぞ』
応答してくれた。早いな?
「少し尋ねたいんですが……」
『2つ目のレジスタンスの事だな。こちらの持っている情報だと、ハチ君が潜入しているレジスタンスはまだ話が出来る方。そして、もう一つのレジスタンスが話が出来ない方だな』
なんだ。最初から聞いてたのかな。まぁそれなら話が早くて良い。話が出来ない方と来ましたか……
「因みに、そのレジスタンスとこっちのレジスタンス。どっちが強いですか?」
『間違いなく、向こうのレジスタンスだろうな。向こうの方が能力者が多い』
ふむふむ。となると、単なる肉弾戦だけだとダメかもしれないな……少し戦力を補充するか
「それじゃあ、一度空島に戻って戦力を増強してきます」
『戦力の増強?聞こえていた範囲では既にとんでもなく強そうだったのだが……』
「いえいえ、油断は禁物ですから戦力を追加します」
こうする事で僕は攻撃手段を増やせるからね
『了解した』
さて、じゃあ空島に戻って連れて来るか
「それじゃあ後は合図があったら支援よろしくね」
「了解しました。今回の様な状況の為に制圧モードも用意してあります」
「流石クオン。じゃ、インベントリの中で待ってて」
圧倒的オーバーパワーなクオンではあるけど、制圧モードなんて物があるなんて凄いな?これでかなり戦いやすくなるぞ
「んで、地図に書かれた場所はここか。うわぁ、何かそれっぽいなぁ?」
あっちのレジスタンスのアジトはしっかり隠れているアジトって感じだったけど、こっちは割とオープン気味だ。力に絶対的自信でもあるのかな?
「なら、その自信を砕いてしまえば脆いかな。お邪魔します」
「「な、何だお前!?止まれ!」」
さぁ、まずは門番だな




