加入試験?
「こっちだ。ついて来てくれ」
「うい」
さて、これでどうにかなるかな?正直アジトに入ってきていきなり襲われるとかになってくれればある意味手っ取り早いかもしれないけど、どうなるかまだ分からないからまぁついて行くしかないよね
「ここだ」
「……」
おぉ、何か色々見られてるなぁ……
「色々居る」
「さ、流石だな……中々そのスーツも高性能な様だ……」
何だろう?パワードスーツにレーダーとか付いていると思われているのかな?まぁそれはそれで勘違いとして丁度良いかも
「で、強い奴。何処?」
一旦はバトルジャンキー風で行っとこう。こういう組織で新しく入って来た奴が信用を得るには力を示す位じゃないかな?色々組織に加入するルートがあるとしても、戦闘要員として入ろうとするのが一番ベーシックなんじゃないかな?
「そ、そうだ!コイツヤバい強いんだ!この俺様が苦戦する位……」
「……」
訝しげな顔でゴリラスーツの人を見る。アレが苦戦ねぇ……?
「……俺様が負けた位だ」
「「「!?」」」
ざわざわした雰囲気だが、これで一旦僕に興味がある全員の興味を惹ける
「強い奴と戦いたいから来た。何処?」
「そういう事ならば一度手合わせ願おうか」
おっ、次は何かシュッとした奴が出て来たぞ?手には何か槍っぽい物を持ってるからコイツはスピードタイプかな
「そう。じゃあ」
相手が構えたので、こっちも構えるが、そうだな……どうしようか?
「どうした?掛かってこないのかい?」
「先手は、あげる」
「ほう?大した自信だ。では行くぞ!」
あの感じ……背中にもスラスターらしきパーツも見えるから突進速度はかなりの物だろう。となると、その突進を受け止めないと認められないよな……ポン君のパワーで止められるかな?一応、念の為にポン君のSTRを【オプティアップ】で上昇させておくか
「はぁぁ!」
「遅い」
「なっ!?」
槍の穂先を指先で捕まえる。良かったぁ……パワー負けしてなかったぁ
「で、これで終わり?」
「ふっ、力試しで終わるつもりだったが……」
「なら最初から本気で来ないと」
「ぐほぁ!?」
槍をそのまま引っ張って相手を手繰り寄せ、その胴体に八極拳の裡門頂肘を叩きこむ。武器を取られまいとしっかり武器を握っていた事が仇となったねぇ?
「じゃあ、これで終わり」
「お、おぉぉ……」
ゴリラスーツの人が口から感心の声が漏れた。まぁあのゴリラスーツじゃ肘鉄は打ちにくいだろうな
「力は使い方が大事」
まぁ、力の使い方とか言っても、これはかなりポン君の力に頼ってるけどね
「なぁ、コイツが居れば……」
「あぁ、レジスタンスはかなり強くなる!」
良い感じで僕を戦力として見なしてくれそうだな
「待て」
「む?」
何か新しい人が来たぞ?
「ソイツは本当に信用出来るのか?」
おぉ!良い感じに警戒心が強そうな人だ。この位警戒心が強い人が居ないと組織として心配だったんだよね
「誰?」
「お前はまだ信用出来ないから言わないさ」
「この人はここの纏め役さ!」
ゴリラスーツの人が勝手に言って頭を抱える纏め役さん。まぁ、色々あるんだろうなぁ……
「……苦労してるみたいだね」
「あぁ……とりあえずこの苦労が分かってくれるならある程度は信用しても良い奴かもしれんな……」
……レジスタンス大丈夫か?
「少し話をしよう」
「いーよ。スーツは脱がないよ?」
「あぁ、お互いの安全の為にもな」
とりあえず本当のリーダー格っぽい人との会話にまで進めたな
「レジスタンス。あんなのばっかりなの?」
「あぁ……社会の爪弾き者やら、異能を得てしまった者を受け入れているからな。どうしてもはねっかえりが多くてな……」
あぁ、まぁそれは大変だよなぁ……今まで力が無かった人が急に力を得て色々出来る様になってしまえば、そりゃあ抑えがつかないとんでもない人が出て来てもおかしくない。それを何とか纏めているだろうこの人はかなり凄い人なんじゃないだろうか?
「そうなんだ。お疲れ」
「君は随分と他のに比べたら大人しい。我々レジスタンスに加入するのであれば、喜んで受け入れよう」
まぁ、僕は別に暴れるつもりは無いからなぁ……
「あれ?信用してないんじゃなかった?」
「加入したい奴は一度疑うというのがウチの流儀でな。まぁ疑うだけで別に拒否する事は無い。単純に自分の口からレジスタンスに加入するかしないかを宣言させて自分の所属をハッキリさせたいって話だ」
あぁ、そういう感じか。なぁなぁで加入させるのではなく、こっちからレジスタンスに加入させてくださいって言わせたいのね。意外とその加入云々はしっかりしてるならこっちも信用出来るな
「了解。なら少しは頑張ってあげようかな」
「ん?何かさっきと話し方が違くないか?」
「あぁ、身を守る為の策の1つ。なめられない様にって」
「あの実力があればなめられる事は無いと思うが……」
確かにそう言えばそうだけどね?
「実力は隠した方が生存率が高くなる。力を得たからと言っても、それを適切に使わなければ、そこら辺の奴らにやられる。力の活かし方。力の使い所。その辺色々考えていくと何処かに所属するのもアリかなって」
「なるほど……遂に、マトモな人材がっ!」
なんだかこの人本当に可哀想になって来たな……
 




