違法?
「いや、待てよ?まだ犯罪にならないチャンスはあるかも?」
上手く行けば犯罪にはならないウルトラCが残っているかもしれない
「一縷の望みを掛けてって奴かな。まぁ行ってみるか!」
色々あるけど……とりあえずネストに行こうか
「問題はこの話をどっちに先に話すかだよなぁ……」
このネストでの話を一気に進める事になるだろうから、これに関しては色々と大変な事になるだろう。ある意味ネストの勢力図を塗り替える事にもなるだろうから単純に盗むって事よりも凄い事になりそうだが……
「正直面白そうなのはあっちだけど……まぁクオンの事もあるし、お礼の為にも裏切らないでおこうかな」
まぁ、どっちにしろ僕は恨まれる事になるんだろうけど……
「すみませーん。フェルマーさん」
「む?あぁ、ハチ殿か」
相変わらずゴツいパワードスーツだぁ……
「どうもどうも。フェルマーさん。レジスタンス?とかいう奴らに困ってません?」
「あぁ、あいつ等か。困っていると言えば困っているが……」
「一応レジスタンスについて話を聞きたいんですけど、良いですかね」
こういう話は基本的にレジスタンス側について体制を打ち崩すみたいな事をするのかもしれないけど……僕はフェルマーさんに借りがあるからどちらに付くとかでは無く、ここではフェルマーさんに付く
「レジスタンスは社会に不満のある若者達の集まりだ。このネストでは仕方の無い事だが、キチンとした仕事に就かない者達が集う事で、集団が膨らみ、流されてレジスタンスに加入してしまう者もそれなりに多くなる」
あぁ、集団が大きくなるから流されてレジスタンスに入っちゃうって事か。しかも話を聞いてみる限り、レジスタンスとは名ばかりの集団っぽいな……
「現状のレジスタンスが仮に今の体制を打ち倒してしまった場合は……ネストは崩壊するだろうな」
まぁそれはそうだろう。警察が不良集団に負けてしまうみたいな事があったら良くないもんなぁ……絶対その仕事を引き継ぐとか出来ないだろうから、間違いなく大混乱は避けられない。その隙に外から敵が来たらネストの崩壊も目に見える
「そっかぁ……となると、レジスタンスを完全に潰すのも良くないから……レジスタンスを掌握した方が良いのかな」
「おいおい、また随分と物騒な事を言うな……まさか本当にレジスタンスを掌握するつもりか?」
「まぁ、それもまた一興かなって。所で、レジスタンスってやっぱり力関係が大事とかそういう所なんですかね?」
単純に纏めている人が、強さで纏めているのか、それとも何らかの考えあってのレジスタンスを作っているのかで纏めやすさは大きく変わって来る。前者なら単純に力を見せてトップを奪えるかもしれないが、後者ならそういうのも難しい
「そこまでは我々も調査しきれていないんだ。何せレジスタンスの本当のトップは今の所姿を現していないからな……」
うわぁ、これなんか大変そうだなぁ……
「もし、レジスタンスの問題を解決してくれるのであれば、我々もハチに対して最大限の礼を尽くす。まぁ、出来ればの話だ」
『特殊クエスト サイレントウォー を開始しますか?』
あぁあぁ、特殊クエストの名前まで中々物騒じゃないの……まぁやっちゃいますけどね!
「えっと、それって、このネストの図書館……情報の集積地で情報を集める事の許可を貰うとかでも良いですかね?」
「情報収集か……かなり微妙な所ではある……」
まぁ割と軍事国家とは言わないが、軍事機密はそれなりに抱えてそうな国だからねぇ……そう簡単に情報を漏らしちゃマズいよね
「まぁそうですよね……」
「ハチは何処かの国に仕えていたりするのか?」
「そうですね……言ってしまえば僕は何処にも属していないと言えるかもしれません。あ、そうだ!フェルマーさん一度僕らの島に来てみませんか?」
「ハチの島?」
「そうです。僕が何処の国にも属していないって証拠を見て貰えれば、多少は信用してもらえるかなって」
こういう時はどっちかに所属するのではなく、こっちに相手を引き込む方向で話を進めた方が良いだろう。それこそ魔力に満ちてる空島はフェルマーさん達にとっては毒の島かもしれないけど、それだって対処のしようは幾らでもある。ならアウェーの地での協力者を増やして可能な限り戦いやすくするのが僕の戦い方だ。それに、このクエスト名で表立って戦うのは……違うよなぁ?
「なるほど……」
「何ならこっちからもそちらが欲しい情報があればやり取りするのは別に構わないとも思ってますよ。今の僕らは新しい技術を作る為に情報を収集しているので、その為にそちらが何か別の情報が欲しいというのであれば、出すのも構わないと考えています。そうですね。クオンを造った時みたいな、壊れたパワードスーツを貰った代わりにクオンを見せた様な感じですかね」
あれだって情報のやり取りと言えばそうだろう。さて、これでどうかな?
「ふむ……確かに、あのクオンと呼ばれる生命体は非常に興味深かった。あの情報も魔法をこちらで再現するという事の一翼を担っている。だが、そもそもそれが可能なのか?」
「と、言いますと?」
「このスーツを着た状態で無ければ移動する事はほぼ不可能だ。だが、スーツを着たままでは間違いなくハチの島に行く際に、他の者に止められるのではないか?」
まぁ、止められるかもしれないなぁ……
「そういう事を何とか出来る物だってあるんです。どうですか?あの街以外にも見て見たくないですか?」
新しい情報の為にも、色々やってみようじゃないか




