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1744/2014

隠し本

「ささっ、ドンドン行きますよー!」

「お、待て待て!?本当にそれで良いのか!?えぇ!?」

 まぁ本の中を見ないでバンバンやればあっという間に進んで行けばそりゃあ本当に情報を確保しているのかどうか分からないよなぁ……


「ルクレシアさん、何か今集めた情報の中でちょっと気になった奴とかあったら中の一部を読んだりしてくれない?」

『えっと、パティアフレア物語3巻の53ページにある秘密の泉と剣の物語とか気になりますね』

 へぇ、そんなのが有るのか


「ほ、本当に理解しているだと……」

「まぁ、こんな感じで本の情報を集められるので、沢山の図書館の本を1つに纏めちゃって僕らだけの本を作るって感じですね」

「うむむ……まぁ良いだろう。禁書だったな。こっちだ」

 何か言いたげだが、とりあえず禁書の所に連れて行ってもらえるみたいだ


「ここに禁書がある。まぁ開けられる物なら開けてみるが良い。この鍵はそう簡単には開かないだろうがな?はっはっは!」

「あ、はい」

 そういう事を言うと……


「ライマーさん。これどう?」

「この程度なら簡単だな?」

 ウチのネオライマーさんにとってはこの程度の鍵では何てこと無いんだよなぁ……


「ここをこうして……よし、開いたぞ」

「おっ流石ですね。それじゃあ失礼しまーす」

「なにぃ!?」

 禁書庫の扉が開くとは思って居なかったのか、ある種の余裕があったみたいだけど、こっちにはライマーさんが居るから結構簡単に開けられちゃうんですねぇ……


「そ、そんな馬鹿な……この扉を簡単に開けるなんて……」

「それじゃあさっきの約束通り禁書も情報を貰っていきますね」

「う、うむ……」

 多分自分で開けたかったんだろうなぁ……まぁ僕らにとってはそんな戦いを仕掛けて来た時点でねぇ?


「約束は約束ですから」

「そ、そうだな……」

 一応、これで3か所の図書館から禁書情報を集めるって事は出来たけど……僕にはもう一か所行くべき場所があるんだよなぁ


「じゃ、僕は帰ります」

「む?帰るのか?」

「まぁ別に貴方とやり合うつもりは無いですし……本の情報が欲しいだけでしたから、もしどうしてもって言うのなら戦いますけど……」

 僕としてはこの人とそんなに戦いたいとは思わないから出来れば戦闘は避けたい所だけど、向こうが戦いたいって言うのなら戦うしかない


「いや、ルールとして本その物は持ち出していないから問題無い。戦う理由が無い」

 はぇ~、となると本を持ち出すと戦闘が始まるって事なのかな?なら本を持ち出さなければこの人と仲良くする事も出来るのかな。そうなると色々新しい繋がりとかも出来るかもしれない


「分かりました。それじゃあ帰ります。もし、冥界に行きたいとかなら案内しますよ」

「それは良い。ここの本は私が守らねばならない。だが、君がここの本の情報を集めて残してくれているのであれば、もし私が倒れたとしても安心出来る」

 なるほどなぁ……そういう考えもあるか


「そうですね。まぁもしこの図書館が無くなったとしても本の情報は後世に残るでしょうね」

「うむ……どんな本も無くなってしまうよりはどんな形で有れ後世に繋がれば良いだろうな」

 そう考えてくれると嬉しいね


「では!」

「待て」

 ん?何か呼び止められた


「コイツも見ると良い」

 何やら印を結ぶみたいな行動をしたと思ったら、空中から本が一冊現れた


「この本は?」

「本当に大事な本は書庫にしまっておくより持っておいた方が安心出来るのさ」

「え、そんな本を僕に見せて良いんですか?」

 普通に本当に大事な本ならここで僕に見せない方が良いんじゃないか?


「この本は魔法とは異なる技術について書かれている本なのだが、見せて貰った技術がそれに似ている気がしてな。ならその技術を持っている者に託してみるのもアリかと思ったのだ」

 おっ、もしかして僕がリーディングスキャナーで情報を集めたのが良かったのかもしれない


「なるほど。では情報を貰います」

「あぁ、持っていけ」

 本は持って行かずに本の情報だけ貰っていこう


「ありがとうございました」

「うむ」

 敵というか、守り神というか……何とも言えない相手だけど、中々良い人だったなぁ




「さぁ、図書館巡りはこれで終了だけど……最後の1か所が残ってるんだよなぁ」

 あのパワードスーツやら色々あるあの地での情報を得る事が出来れば、更なる進化の可能性があるだろう。ただ、ここで情報を得るというのは中々難しい事だ。学校の図書館やら、ダンジョンの図書館と違い、あそこはネストという国の管理下に情報がある物と言って良い。これが話が難しくなる要因と言っても良い


「やっぱり国となるとそう簡単に情報を得る事は出来なくなるよなぁ……違法スレスレ……いや、機密情報を抜くと考えるとガッツリ違法だよなぁ……」

 となると、絶対にバレてはいけないって事だよな……


「どうなんだろう。完全に誰にもバレずに情報を抜かれた事すら気付かせなかったらセーフって事になるのかな?」

 あまりよろしくない考え方ではあるけど、バレなきゃ犯罪じゃないって言うからね!



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― 新着の感想 ―
バレなきゃ犯罪じゃないんですよbyニャル
>ルールとして本その物は持ち出していないから問題無い。戦う理由が無い ここでふと「ルールは破る為にある!」と言う言葉が頭をよぎった
さすがだなあ~、最後のカギには誰もかなわない(例外有り)人の懐に隠した本まで情報が抜けるとは!ルクレシアさんもビクンビクンしているでしょう? と言うか、あの国に行って機密情報を抜き取る…人間国崩が火を…
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