お祭りらしく!
「ハチ君。うちにも一応は繋がっている事を忘れていないかい?」
「忘れてました」
普通に忘れてた。でも、リリウムさんも来るとは珍しい
「今日は久々に暇が出来てね。せっかくならお祭りの街とも言われている街の主でもある私も参加させてもらおうかなと」
「なるほど。それなら正体は隠した状態で参加するなら良いですよ。モルガ師匠とかニコラ師匠は別にどこに所属しているとかは無いと思いますが、リリウムさんは明確にサーディライの人でしょうから、お忍びで遊びに来るのは良いですけど、公式に来るって事になると他の国から何らかの接触があるかもしれませんから」
この空島の存在は正直1つの国の物とするにはとんでもないオーバーパワーな代物だ。だからこそ、絶対に空島は何処かの所属みたいになってはいけないと思う。リリウムさんがこの島にコッソリ遊びに来るだけなら問題ないと思うけど、公式にこの島に来るという事になると、リリウムさんを知っている人が空島にリリウムさんが居たという話を地上の人に広めた場合に、リリウムさん経由で空島に来ようとする人が居ないとも限らない。もしかすると、他のプレイヤーの人が既に連れて来ている可能性もあるけど……それだって多分スパイよろしくコッソリ来ているだろう。大々的に来てる人は今の所居ないハズだ
「なるほど、私の身を案じての事か。仕方ない。君に迷惑を掛ける訳にもいかないからね。分かったよ」
そういうとフード付きのマントを取り出し、被ると姿が変わった
「これなら問題無いだろう!」
わぁ、何か急にリリウムさんがロリっ子になってしまった
「これだったら、私とは分からないだろう?」
「まぁ……これなら大丈夫かな?」
面影が無いとは言わないが、色々小さくなってるから多分大丈夫だと思う
「とりあえず4人で移動してくれれば問題無いかな。皆がばらけなければ問題も起こらないだろうし。ウカタマも小さくなってから行こうか」
大事なのはただの参加者になりきる事。それ以外は求めない。そもそも皆技術じゃなくて食べ物を食べたくて来るんだろうし……
「ほいほい。これで良いか?」
「うん、その姿なら大丈夫かな。よし!じゃあマイ君も一緒に行こうか」
「分かった。ついてく」
さて、人数が多くなったけど、これで戻れるぞ
「それじゃあ鉄板とか用意して……はーい会場に居るみなさーん。今からジャンボお好み焼き作りまーす。良かったら食べてくださーい」
適当なアナウンスだけど、まぁ良いだろう。個人主催のイベントなんてこんな物だろう
「ほい、じゃあ皆も手伝ってね」
「あれをこの鉄板いっぱいに引いて良いんだな!?」
「そうだよ。皆で食べる為に鉄板全部に敷き詰めちゃって」
「任された!」
正直マイ君と僕は液を混ぜるだけと言っても良い。鉄板に具材やら液を敷き詰めるのは魔法でやってもらおう
「「「「うおぉぉぉ……」」」」
うんうん。良い反応だ。やっぱりこういうインパクトがある演出って良いよね
「はい、一応、参加者向けの個別の鉄板もございますので、何か別に作りたいという人が居たら、使ってください。焼きそばなり、焼き肉なり、串焼きをしても良いですよー」
この中なら設備はある程度自由自在と言っても良い。こうしたいきなり食事スペースを作る事も出来るって良いねぇ
「これは……お好み焼き!」
「いや!広島焼きだろ!」
えーっと、今作ってるのは全部混ぜて作ってるからたしかお好み焼きのハズだ。具材を重ねるのが広島焼きだったかな?
「喧嘩しないでくださいね~。そうですね……じゃあこれは……そうだ!これをこうして……はい!これはライクベイクって食べ物です!」
ベイクは確かオーブンで調理した物って意味だったはずだから、鉄板の上に囲いを作って、上からも熱を加える。これで疑似巨大オーブンって事になるかな?
「両面焼きなんで普通に焼くより早いですよ。はい、切り分けていくんで欲しい方は並んでくださいねー」
って言う前に既に4人並んでるんだよなぁ……
「はい。それじゃあどうぞ」
というか普通にこれは美味しそう。これを大量に作るのは中々骨が折れるけど、協力してくれる人が居るから結構楽だな
「マイ君、そっちの切り分けやってもらっても良いかな?」
「分かった。やっておく」
いやぁ、任せられる相手が居るって素晴らしい!
「おっ!これ使って良いのか!?じゃあちょっと使わせてもらいます!」
アナウンスを聞きつけて結構人が集まって来た。結果としてライクベイクと他各々が鉄板で料理したりしている
「こういう時間を作るのも良いんだよね」
ゲームだから皆バチバチにやり合うのも良いだろう。でもこうして皆で楽しい時間を過ごせる機会を作るのだってゲームならではだろう
「後は……最後の演出はどうしようかなぁ?」
またあの演出をする為にオートマトンさん達に手伝って貰う事になるけど、演出をどうしようか……
「あ、そっか。悩む位なら協力してもらえば良いか」
どうせならイベント参加者も楽しめる最後が良いよね!
 




