追加報酬
「これってやっぱり発射体としてのカスタムとかすると恐ろしい事になりそうだなぁ」
特殊能力を付与する時に最初から誘導性能を付けたり、拡散性能を付けたり、貫通性能を付けたら恐ろしい性能を持ちそうだ。アイテムシューターは何か発射する時に誘導性能とかも付けられるみたいだし、ヒットするまで誘導を止めないとか、拡散したハズの弾が全弾誘導しての全方位攻撃だったり、敵全員に誘導して貫通する弾なんて物が完成してしまうかもしれない
「強力な物程リロード時間が延びるのは仕方ないですね……でもこれは逆を言えば性能を抑えれば連射する事も可能になりますね」
低品質というべきか分からないが、それを使って連射か……鉄くずとかサビ釘をバラ撒かれる……普通に凶悪だな?
「倒しました!これで先に進めます!」
「ほいほい。それじゃあ行こうか」
一応、報酬自体はもう受け取った様な物だと思うけど……この先に何か有るかなぁ?
「おっ?これは……」
先に進んでみたら、宝箱2つ置いてあった
「ほほぉ、これはもしかしてアイテムシューター以外の人向けの報酬かな?」
「開けてみましょう!」
トーマ君の言う通り、早速開けてみよう
「これは……なんだろう?おっ?」
宝箱に入っていた物を取り出したら僕の手から弾かれた。となると、これは武器かな?
「そっちは武器なんですね。こっちは……錬金用の混ぜ棒ですかね」
となると、やっぱり僕らも報酬は貰えるんだな。でも残念ながら僕に貰える報酬は外れだったみたいだ。まぁ、元々武器無しで攻略するような所を攻略したんだから報酬に何らかの武器が貰えても不思議ではないが……これどうするかなぁ?
「そもそも、これは僕にとって必要じゃないしなぁ……あ、そうだ。これアカネさんにあげるよ。これを装填して撃ち出せば中々良い打撃を与えられるんじゃないかな?」
宝箱から出て来たのは鬼の金棒と言っても良い様な物。これをマテリアルランチャーで撃ち出せば打撃という面ではとてつもない一撃が与えられるだろう
「え?いやいや!そんなの悪いですよ!」
「ここは受け取ってもらえない方が困るんだよねぇ……僕武器を持てないからこれを持ち帰れないし、そもそも重たいから僕にとってはこれを武器として使用するのもかなり難しいかな」
こんな物を使おうとしても、動きが遅くなるだけで敵に打撃を与えられないだろう。僕は機動力が武器なのだからその武器を態々鈍らせる必要は無い
「わ、分かりました。えっと、これを装填……ぅ重たっ!?」
そりゃあそうだろうなぁ……あんなの筋力を育ててる人じゃないと普通は使えない……あ、もしかしてここまで来る為に戦えるって性能ってこの位は扱える能力値があるって判断なのかな?まっ、僕にはどっちにしても必要無い物だったから問題無い
「おぉ!装填したら重さが消えました!」
ほほぉ、となると、マテリアルランチャーは1種のインベントリっぽい事にも使えそうだな?
「【シュート】うわぁ……」
マテリアルランチャーから放たれた金棒は壁に当たった瞬間。地震の様な衝撃と、大規模な穴が空いた。うひゃぁ、おっそろしい……
「うん、アカネさんがとんでもない強さを得る事になったな……今見た通り、武器さえ飛ばせるって事は装備品も飛ばせるだろうから、アカネさんが今までやって来た事がそのまま活かせる」
「確かに!」
あの金棒を飛ばせるなら他にも色々飛ばせるだろうからやり方次第で他の人を回復とかさせる事が出来るかもしれない。しかも戦っている者同士の射程外からの支援さえ可能になるかもしれないんだ。アカネさんがその事に気が付いているかどうかは分からないが、通常の戦闘範囲外からの攻撃や支援が可能になるだけで野戦においてはとんでもない能力になる
「見ている限り、リロードというか弾の交換が高速で出来れば戦闘能力が更に上昇すると思うんだよねぇ……」
「あっ……」
おや?なんか思いついたのかな?
「私、やっぱりキリエちゃんにサイキッカーのなり方を教えてもらいます!」
「ほう?その心は?」
確かに、職が変わると言っても多分錬金術師がアイテムシューターに変わるだろうから、第二の職は別に用意する事は出来る……のか?
「今、思いついちゃったんです!やっぱりサイキッカーがあればこの力は更に強くなるって!」
「なるほど?それじゃあこれ以上は特に何も言わない方が良いかもね」
僕は助言をする程度で、その人の完全な道を決めてはならない。今アカネさんが自分で何かを発見して可能性に挑もうとしているのなら見守るとしよう
「ありがとうございました!」
「さて、とりあえずこれでダンジョン攻略かな。それじゃあ帰ろうか」
さて、帰ったらまた色々説明だったり見学だったりしないとな!
「あの、それじゃあハチさんに何も報酬が……」
「え?普通にダンジョン楽しかったから良いじゃん。あ、そうだそうだ。途中に居たゴーレムを砕いて取って来たから良かったら素材に使ってよ」
確かに報酬とかその辺を考えると面倒な事になるけど、僕は別にそんな事はどうでも良い
「今回は僕が使えない物が報酬だったけど、今度一緒に何処か行って僕が欲しい物だったら譲って欲しいかな」
「勿論です!」
そう。今じゃなくて良い。未来を見て行かないとね
「なるほど……これがハチさんが人を惹き付けると言われる所なんですね……」
「そうなんです。こういう所が凄いんです」
なんだか照れるなぁ……
 




