コンセプトブレイカー
「ほっ、よっ、よいしょっと！」
落下している最中に壁に触れる事が出来たので、そこで止まる事も出来たけど、そのまま何回かに分けてジャンプして降りていく。多分本来ならこの落下してる最中に何かしらの減速か何かがあると思うけど……
「なるほど……これは速度を殺しちゃいけなかったかも」
ツルツルの壁は不思議に思っていたけど、そのまま落下していくと、まさかのジェットコースターみたいな１周ループが待っていた。ループの終端が切れて、またジャンプ台みたいになっている……
「これはもう一度ジャンプしなきゃいけないよな……戻るのは面倒だし、そのまま行くぞぉ！」
速度は足りないかもしれないが、そのまま行く。足りない速度は真淵で加速するぞ！
「行っけー！ヒャッホー！」
ジャンプ台でジャンプしてみると、その先には何やら池か泉っぽい所がある。あそこに飛び込むのがルートっぽいな
「いよっ！」
可能な限り槍っぽく細くなって池に飛び込む。腹から行くなんて事になったら痛すぎるし
「っと、これは正解っぽいよな？」
新しい問題が出て来たし、ここには流れがある。またどっちか選ぶ感じになってるな
「えーっと、次は錬成魔法陣の形？あぁ、これはフラーメルさんに沢山見せて貰ったから覚えてるぞ。こっちだな」
フラーメルさんに反転錬金とかその辺を見せて貰った時に色々学んだからな。錬金術の魔法陣はほんわかとだけど覚えてるぞ
「文字の方は微妙だけど、図形ならバッチこいだ！右の図のここは塗りつぶしじゃダメだよなぁ？左だ左！」
選んだ左の方に泳いで行く。ここ、若干右側の方に流れやすくなってるのがちょっと嫌らしいな？
「おっと！ふぅ。やっと地面だ……」
選んだ道が正解なのか不正解なのか判定は出ないけど、上がれそうな所があったので水から上がる
「一応、行き止まりではなさそうだし、このまま行ってみよう！さぁ、冒険だ！」
早い所２人と合流しないとな
「分断されるって事は合流が出来るって事だ。でも何となく思うのはここは錬金術師とその相棒の為の試練って感じだよね」
そもそも錬金術師２人以上必要で、錬金術師じゃない奴も一緒に入場出来る。でも、錬金術師とその他は分断されるし、その他側には錬金術師が持っている知識が必要。これはまた何かありそうな気がするんだよなぁ……
「武器無しで入場させられて、錬金術師と分断して錬金術クイズを出される……これって何が目的なんだろう？」
単なる予想だけど、錬金術師の方には戦闘能力が、その他側には錬金術の知識が。お互いの能力が必要な状況だと思うんだけど……
「もしかしてお互いの重要性を再認識させるとかそういう系か？」
こういうのって喧嘩した人達が仲直りするイベントとかに使われそうだけど……残念ながら今はトーマ君とかと喧嘩はしてないからより仲良くって訳でもないだろうし、見つめ直すきっかけになるだろう、もう一人みたいなのが居ない……これはある意味やっちまったのかもしれない
「多分失敗して何度も罰を喰らいつつ、相手の事をもっと理解しておくべきだったみたいな話を想定してたんだろうけど……普通にこの程度の錬金術の知識はあるし、何か良いのか悪いのか……」
ちょっとダンジョンの想定通りに動いているのかどうか分からないな……
「あ、でも２人と分断されているのなら僕はこっちで色々やっても良いのかも？」
ダンジョンの思惑とかどうでも良くて、やっぱり僕が僕のやりたい様に動いた方が楽しいか
「おぉぉ！そうそう！こういうのこういうの！」
歩いて行くと散らばっていた岩が集まってゴーレムが現れた。そうそう！こういうのとやり合いたかったんだよ！
「ん？何か置いてあるな……」
近くに色々アイテムが落ちている。あれ？これってもしかして錬金術のセットみたいなのが落ちてる？
「ほう、安全地帯みたいなのもあるな？じゃあ！」
この辺に落ちてるアイテムは全部回収してゴーレムとタイマンだ！
「これは全部お土産にしてゴーレムも素材にして２人のお土産にしてやる！」
どうせお土産にするなら細かくした方が良いかな？
「はぁ！らぁっ！おらぁ！」
掌底による腕部の破壊。真淵を纏った拳で関節部の破壊。肘打ちでの脛の破壊。この程度のゴーレムならバラバラにして素材にもしやすいな！
「その程度の硬さしか無いのか！もっとお前の強さを見せてみろ！」
やっぱり石で出来たゴーレムだと結構簡単に砕けてしまうな……もっと鉄で出来たゴーレムとか倒し甲斐のある敵が来てくれないとな……この程度だとまだ命の危険を感じられないからあの力の練習にも使えない
「そうだ！」
命の危険性を感じないのは相手の形が悪いからなのかもしれない。あのゴーレム。重いから遅いんだろう。もっと軽量化して速くなれば命の危険を感じられるかもしれない！
「だから……こうだ！」
相手の拳に合わせて真淵を使って外側を削ぎ落していく。お前が軽量化して速度が上がれば僕としても少しはやり甲斐が出て来るんだ！
「おぉ、素材も取れるし、速くなってるし丁度良いや！ほらほら！もっと命の削り合いをする位の真剣な勝負をしよう！」
２人とも、お土産を持って行くからちょっとだけ遅れるかも！
