スパッと解決
「ほ、ホントに良いんでしょうか……」
「良いの良いの。あくまであそこは技術を見せる場所であって、他に何か優先する物があるならそっちを優先させて良いんだ。その為にああいう形式で開いているんだから」
そうでもしなきゃ販売とかしてる人達なんて売り物の補充とか出来ないし、いつでも抜けられるからこそそこの人の流動性もあるんじゃないかな?
「にしても、トーマ君も色々とダンジョン情報を仕入れてるね?」
「はい!自分も強くなりたくて色々と調べていたら情報を結構入手しまして……やっぱり調べるのは大事ですね」
となると、何処か図書館とかで調べて来たのかな?まぁ、それで面白そうな所を見つけて来てくれたんだから、行くしかないよねぇ
「僕は結構行き当たりばったり気味だけど調べないと見つからない様な物を見つけた時は嬉しいよね」
調査して見つける嬉しさと、偶然見つける嬉しさ。どっちの良さもあるが、今回は調査して見つけた楽しさの方だな。にしても行き当たりばったりで見つかる物と調べないと見つからない物って多分何かしら違いがあるのかもしれないな……入口を見つけるフラグに調べる事で行ける様になるだったり、行き当たりばったりだったら個人で移動している時限定で見つけられるとかそういうのが有るのかもしれない
「こんな所にダンジョンが……」
「他の人には秘密ですよ?」
「は、はい!」
まぁ、これはそうだよね。他の人においそれとは言わない方が良いに決まってる
「それじゃあダンジョン入って行こうか」
「「はい!」」
さぁて、今回のダンジョンは~?
「ほぉ、これはなんだかこの石も不思議な模様だなぁ」
ただの石ではなく、幾何学模様っぽい石で遺跡感がある
「錬金の道を志す者達に道は開かれる……」
「おぉ……なるほどね。だから2人要るって事か」
トーマ君が呟くと目の前の壁がスライドして開いた。多分トーマ君が調べた所でのこのダンジョンの起動というか、入場の合言葉みたいなので、錬金の道を志す者達っていう部分を満たす為に2人必要なんだな。なんか前に行った所と雰囲気違うなぁ?
「ここから先は武器が使えないみたいです」
「なるほどね」
「そうですね」
全員武器無し状態だからすんなり入れちゃう……というか、やっぱりトーマ君のあの柄ってここでの武器判定には引っ掛からないんだ。やっぱり剣とか槍とかあの部分はインゴットを変形させただけだから武器とは言わないのかな?意外とガバガバ判定なのかも。アカネさんも特に何も武器らしい武器は持ってないみたいだから普通にスルーで行けるんだ
「それで、ここはどうなんだろうなぁ」
どういうタイプのダンジョンでどういう敵だったりギミックが有るのか……でも可能な限り早めに終わらせて帰って会場に居る他の皆の為にも頑張ろうか
「おぉ?これは……錬金釜っぽいね?それも2つ。あと何かの素材っぽいのもある」
「なるほど、これはどうやらここで素材を選んで錬金しないと先に進めないみたいですね」
ほうほう。素材と錬金釜が有るからここでちゃんとした錬金が出来るのかをチェックするのか
「お?この敵は……もしかして」
何となく植物系の敵。どことなくマンドラゴラにも似ている気がする
「おーい、ひょっとしてこの素材も必要だったりする?」
「あっ!お願いします!多分この感じだと必要な気がします!」
「確かに!より良い物が作れると思うのでお願いします!」
オッケー。それじゃあ我々の錬金術師の為に素材を調達しよう!
「悪いけど、君達は素材に必要なんでねっ!因みにどの辺が欲しいとかある?」
2人に向かって走るマンドラゴラっぽい魔物のどの部分が必要なのかな
「「頭部の葉が欲しいです!」」
「了解!」
それならスパッとやっちゃおう
「武器持ち込み禁止だっけ?だったらスキルも弾かないとなぁ!」
真淵による糸状の形態でマンドラゴラ似の魔物の頭部を横薙ぎにする様に振り払うとかなり簡単にスパッと切れた
「およ?一発か。ならこれで、ほい。素材一丁!」
二人の前にあった素材が置いてあった机の上に今しがた取った葉の部分を飛ばした
「ありがとうございます。これなら良い物が出来ますよ!」
「そうですね。この素材だったら良い薬になります!」
とりあえず2人分の素材が出来上がったらしっかり2人共錬金術で薬を作ったらしく、これでどうやら先に進む為の準備が整ったみたいだ
「完成しましたね。それじゃあここに薬を流しましょう」
「なるほど。分かりました!」
ほうほう、完成した薬を溝に流すのか。となると、2人が作った薬をあの溝に流す事で最終的には1つに合流する事になるのかな?
「おぉ……これは、薬が混ざって石の扉を溶かしたのかな?」
2人の作った薬が溝を流れて、合流するとその合流した所が煙をあげて壁が溶け、穴が空いた。そしてその先に下に向かう階段が出て来た
「この薬って合成すると岩も溶かすんですね……」
「なるほど。確かにこれは錬金術師が2人居ないとダメですね」
「よし、それじゃあこの調子でドンドン行こう!」
さぁさぁ、このままババッと進んで行こう!




