今の二つ名
メリークリスマスです皆さん
家で温かいチキン食べようね!
「でも、確かに【錬金術】とは違うみたいですね」
「あくまで似てるだけっぽいからね」
【錬金術】と【フュージョナー】は似ている様で微妙に違うみたいだからなぁ……本職の人にしか見分けが付かない何かがあったとかだと割と困るな?
「そうだ。アカネさん。ちょっと聞きたかったんだけど、錬金術師って結構人気な職業だったりする?」
「えっと、そうですね。人気かどうかで言うと、微妙かもしれませんが、確実に人数は居る。みたいな所でしょうか?」
多くは居ないけど、一定層は居る割とマイナー寄りの分布って事かな?
「大工や農家と言った確実に稼げる職でも無ければ、薬師や鍛冶師みたいな専門が作った物よりは劣る物しか出来ないみたいな中途半端と思われている節がやっぱりありますね」
「そっかぁ……錬金術師なんて結構万能に色々出来る優秀な職業だけど……ゲームって一面で考えると、色々出来るよりも一芸に秀でた方が強いってイメージがあるし、そこは仕方ないか」
割と見るけど、回復も攻撃も出来る魔法剣士と攻撃特化のバーサーカーが居たとしたら、大抵は回復なんて悠長な事をする位なら、先に敵を沈めた方が速いとか、バーサーカーにはスタンのスキルが有って、敵に行動させずに倒せるみたいな調整とかで魔法剣士が中途半端みたいな評価を受けたりする。錬金術師もそういう何でも出来る所が中途半端という評価を貰ってしまったのだろう
「まぁ、でも人が1つの職業に集中しないって言うのは凄く喜ばしい事だと思うね」
「あ!それは思います!」
一つの職業に偏らないなら、それだけ色々なアプローチを仕掛ける事も出来るだろう。1つの回復薬を作るにしても、農家が丁寧に薬草を育てたり、薬師が調合したり、大工が調合室を建てたり。それら全部を錬金術師は一人で出来たりもする。勿論、協力する事で更に効果の高い物を作ったりも出来るだろう。その協力をする時に畑違いの人が多ければその分新しい知恵だって出たりするかもしれない
「まぁ、どんな職でも楽しむのが一番だけどね」
「それはそうですね。そう言えばハチさんがネクロマンサーの職を解放したって話は本当なんですか?」
ネクロマンサーの職……あぁ何かそんな事もあった気がするなぁ……あの時はドクターがカッコ良かったから僕というよりは皆で入手したって言っても良い物だけど
「まぁそう言われるとちょっと違うかも?って感じかな。あれは僕含めて仲間達と敵を倒して得た物って言うのが正当かな。だから僕だけで取った物では無いよ」
こういう時はキチンと正確な情報を伝えるべきだろう
「そうなんですね。だとしても凄いです!」
なんだろう。この感じ、やっぱりどことなくトーマ君に似てる気がするなぁ……錬金術師は比較的そういう人がなりたがるのかな?
「そうそう、今度トーマ君と話してみると良いかもしれないね。同じ錬金術師としてお互いに良い刺激になるかもしれないし」
「トーマ君……それって召喚錬金師のトーマさんですか!?」
「しょうか……何?」
「召喚錬金師です!召喚獣と錬金術を使った新しい戦闘スタイルを確立させた……あっ!もしかしてその原形を作ったのって!」
トーマ君も二つ名とか出回ってるんだなぁ?
「さぁねぇ?」
「わぁ!やっぱり!」
その二つ名に関しては何も知らないから特に何も言わずに白を切ったら何か勝手にご納得してる
「私にもあんな戦い方って出来るんでしょうか!?」
「君が第二の職にサモナーとか入れてないなら『同じ戦い方』は無理だろうね」
「同じ……つまり私だけの戦い方もあるって事ですね!」
理解力もあるねぇ。まぁ大事なのは自分に合っているかどうかだと思うけど、そこはやってみないと分からないから何とも言えないけどね
「誰にだって向き不向きがあるからそれに関して僕は何とも言えないね。新しいのが合うかもしれないし、今までのが合うのかもしれない。僕は可能性を示唆するだけで、それをやれとは言わないよ」
あくまでもそれを行うかどうか決定するのは本人の意思であって強制する物じゃない。それを強制してしまえば、テンプレ装備以外許さない面白みのないゲームになってしまう。そんなつまらないゲームは僕は望んでいない
「なるほど……確かにアドバイスは人によって違いますし、良いアドバイスもあれば……良くないアドバイスもありますね……」
過去誰かに良くないアドバイスでも貰ったのかな?
「まぁ選択は最終的に自分でしか決められないからね。アドバイスに従うか従わないかも選ぶのは君次第だし、とりあえずこの話は一旦ここで終わるとして、そういえばアカネさんは何か出してるんだよね?何を出してたの?」
ここで何かアドバイスを!と求められてもそんな的確にアドバイスできるとは限らないから話を逸らす事にする
「えっと、私は錬金術で使った消耗品をいくつか……」
まぁ、爆弾なり薬なり消耗品は錬金術師の華と言っても良い物だ。でも、僕は結構そういう王道的な所を見てなかったかもしれない
「なら、アカネさんの所のブースを見せてもらっても良いかな?興味あるし」
「わ、分かりました!是非どうぞ!」
よしよし、それじゃあ早速見に行こう!
「あ、そうそう。僕って何か二つ名って……」
「ハチさんなら今だと、魔王以外に人の姿をした理不尽とか何とかあった気がします!」
それならもう普通に名前で呼んでくれよ……
 




