参加者
「いや、やっぱりアレはキチンと否定しておくべきだったか?」
「今更もう遅いですよハチさん。今やハチさんの器のデカさが広まってます」
チェルシーさんが見せて来た動画……というか監視カメラ映像だろうか?そこには大盛り上がりでさっき僕が一応黙認?した本が売れている様子が映っている
「うーん……対処。間違えたかなぁ?」
「いえいえ、あれでこそハチさんです。まぁ少し心配になるレベルですけど……でも、そのハチさんらしさに皆が惹かれてここに居る皆ハチさんのファンなんですよ?そうですね。多分、巷で話題になってるレア職業のアイドルを始めた人達よりもファンが多いと思いますよ?」
「アイドルよりもファンが多い……それはちょっと喜んで良いのかどうか分からないですね……」
多分、アイドル的にはファンが多いと能力が上がっても不思議ではないから良いのかもしれないけど……僕自身はアイドルになるつもりは無いからファンが多くてもなぁ……
「それよりも……あのぉ、この拘束って何時解かれるんでしょうか?」
「えぇ~?なんでそう簡単に解かれると思ったんです?僕は別にこのまま鞭打ちにしても良いんですよ?」
「か、勘弁してくださいよ……ハチさんの鞭打ちとか、一撃で体がバラバラにされちゃいますよ」
粉砕してやろうかな?
「……」
「ちょ、無言で笑うのは勘弁……ちょ、ハチさん!?」
無言で棒を手に持ち、ぺちぺちと音を出す。今後の警告としてこの位の脅しをしても良いだろう
「だ、誰かー!私の尻が消滅してしまうー!」
別にお尻を叩くとは一言も言ってないのになぁ?
「ちょっと待ったー!」
「「む?」」
何か急に何処かから聞き覚えのある声が……
「さぁ!叩くならこちらのケツを叩くが良い!」
「あぁ、このケツはハスバさん。なんか久しぶりですね」
スライディング土下座をしながらドリフトをして僕らの前にケツが流れて来た。まぁ、こんな事するのハスバさん位しか思いつかないもんなぁ……
「そうだね!久しぶりかもしれないが、さぁ!お仕置きをするんだろう?」
「あー、はいはい。ぺちぺち」
「くぅ!やる気のない鞭打ちぃ!放置プレイとも言えない適当にあしらわれるこの感覚っ!これは……構ってもらえる事の嬉しさ!?」
この人本当に何でも良いんだなぁ……
「で、ハスバさんはなんでここに?」
「いや、ハチ君がお仕置きする波動を感じたんでね?」
「何でそんな波動を感じ取れるんですかね……」
よく分からないが、僕のお仕置きの波動を感じ取ったらしいハスバさん。それでここまで来れるのは中々だと思う
「まぁ、冗談は程々にしておいて、私も一応今回はアシスタントとして参加させてもらってるんだ。トーマ君が参加してて、荷物運びやら店番やら、一応ここに参加はしてるんだよ」
なるほど、確かにそれなら参加自体は可能か。1人じゃ準備が難しいって物とかもあるだろうし、僕だって、クオンに店番的な事をやらせてるから、他の人がお手伝いを呼んでいても不思議じゃない。むしろ、そういうお手伝いの人とかが、技術屋が技術を見に来る時間を作ってくれてると言っても良い位だ
「なるほど、それでですか。まぁ楽しんで頂けてるなら良いですけど……」
「にしても、ハチ君以外にも色々と技術が発展してるんだなって改めて思ったよ。確かにハチ君の技術力は飛び抜けてると言っても良いけど、他にもしっかりと色んな方向から技術を磨いている人達がここで他の技術を学んで発展していくと考えると素晴らしい事だ」
「ははは、僕はそういう人達からも技術を得ますよ?」
知識を得るなら貪欲に。こういう時に誰が上とか下とか考えずに、得られる物はどんな物でも得ないと勿体無いからね
「君のそういう所が本当に強いんだよね……」
「こういう場面で学ばないと勿体無いじゃないですか」
折角こういう場を作ったんだ。強者だ弱者だ決めつけるのは簡単だが、強者からしか学べないという事は無い。強者から学べる事と、弱者から学べる事は違う。魔物の行動から学ぶ事もあれば、おじいちゃんおばあちゃん、子供からだって学ぶ事もある。どれだけ視野を狭めずに色んな可能性を追えるか。それが今回のこみケで大事な事になるんじゃないかな?
「そうだな。確かにこれだけの技術だ。学ばないと勿体無いな!」
「でしょ?これだけの技術が今ここに並んでるんですから、ここにある技術を組み合わせるだけでまた新しい技術が作れるかもしれないですし」
ここに居る人達が協力する事で新技術を作る事だって出来るかもしれない。その可能性を掴めるかどうかはここに居る人達によって変わるだろう
「君は本当に何処まで見えているんだろうね?」
「何処まで?いや、別にやりたい事をやってるだけですけど……」
別に未来を見通すなんて大それた事は言わない。やりたい事をやれば新しい事が見えて来るかも?って提案をしているに過ぎない
「ハスバさんも自分のやりたいスタイルを突き通しているから今のスタイルになっているでしょう?それと一緒で、僕もやりたい事やってるだけですよ」
「そうか」
「ほら、さっさとトーマ君の手伝いに行く!」
「あひぃん!」
ハスバさんの尻に一撃入れてまた歩き出す。さて、それならトーマ君の所も見に行こうかな?




