準備完了
「ほい、ゴールっと!」
「あ、あっぶねぇ……もうちょっとで吹っ飛ぶ所だった……」
「おいおい!今のなんだよ!?ガチの仏恥義理じゃねぇか!」
「とんでもない速さっすね!今のなんすか!」
レースに勝ったら2人に凄い詰められた
「えっと、走りました」
「「じゃなくて!」」
だよねぇ~
「本来なら瞬発的な力を出す事が出来るベルトの力だったんだけど……」
イドについている邪晶眼を触る
「ん、どうかした?」
「新しい仲間のお陰で本来なら瞬発的だった力が持続的に出せる様になったんだよね」
本来ならば空腹度を消耗しなければ使えない能力だが、ラータのお陰で空腹度の下限が出来たから空腹度が0にならない。だから、お腹ペコペコ状態にはなるけど、ベルトの力は使い続ける事が出来る
「瞬発的な力を持続的に……」
「そんな事が出来るんすね……爆発的な加速を常時続けるからあの速度……いやぁ、意味わかんないっすね!」
確かに、レースゲームとかで言えば、常時ニトロで加速している状態だろうか?まぁ、タイヤのグリップが殆ど無い様な状況でそれをしっかり操縦しきれるのかって話だけど……
「そうは言われても出来ちゃったからやってるんだよねぇ。とりあえずレースに勝ったから報酬を貰っても良いかな?」
「そうだったな……んべー」
「おわー!いきなりは待て待て!」
レースが終わったからと今この場で涎を出すフォヴォス。こんな状況で唾液を出されても受け取る容器が無い
「ほら、ライマーさん。受け取って」
「ちょい待て!容器を出すから……」
「早くしないと、もうライマーさん自体で受けるしか……」
「おわー!」
ライマーさんの体を持ってフォヴォスに近付ける。何か用意してるなら急がないとその体で受け取るしかないぞ
「えーっと、あの容器は……これだ!ぎゃー!」
容器を出したのは良いけど、残念ながら一歩遅かった。容器を持つ手?の辺りにフォヴォスの涎が掛かる
「何を騒いでる?これが必要なんだろう?」
まぁ、そうだよね。そう言われても仕方ない
「ほれ、んべー」
「んぎゃー!」
ファーカインさんも唾液を出して来た。さぁ、頑張れ。ここで溢すのは勿体無いぞー
「大変だねぇ?」
「おまっ、他人事だからって!?」
涎が欲しいって言ったのはライマーさんだからねぇ?
「僕はライマーさんの為に走る位しか出来なかったからッ……これ以上手伝える事はッ……!」
「おまっ、何迫真の演技で!絶対まだ余裕あんだろ!手伝えっ!」
「じゃあ、この容器にお願い」
「うむ、ではこれに入れておこう」
ファーカインさんにライマーさんが持ってた容器を渡すと素直に従ってくれた
「なんでぇ!?」
「そりゃあ、信用されてるかどうかじゃないかな?」
「あのレースではハチが力を見せていただろう?お前はハチに付いていただけだ」
これってやっぱりあのレースの結果として、僕は認めるけどライマーさんは認めてないとかそういう感じかな?
「まぁまぁ、あの速度で動く僕の足にしっかりついて来たライマーさんは中々力があると思うけど……流石にイグニスさんに同じ事……も何もそういう変形は無理か」
「ふむふむ……なるほどっすね!ちょっと待ってくださいっすね!」
イグニスさんが何やらやってるみたいだけど、いったい何だろう?
「ちょっと形は違うっすけど、こんなのでどうっすか!」
「おっ!?おおぉ!なんかすげぇ!」
イグニスさんが変形して、アーマー風になった
「一応、これでハチさんと同じような事も可能にはなったっすよ!」
「いや、あれは無理だろ……」
「……まぁ、そっすね」
どうやら僕の真似をしようとイグニスさんが頑張ったみたいだけど、フォヴォスはそれを望んで無かったみたいだ
「イグニスさん、残念だったね……でもそういう変形が出来るなら、小型化とか出来ればレース以外でもフォヴォスと一緒に行動出来るんじゃないかな?というか、イグニスさんはフォヴォスの事をしつ……みていれば、より良くなると思うからさ」
「なるほど!そっすね!」
「ん?」
流石イグニスさん。僕の何となく言いたい事が伝わったみたいだ。それなら良かった
「何でも無いです。レース面白かったですよ。また何かあったらやりましょう」
「「あぁ!」」
「またやるっすよ!今度は負けないっす!」
とりあえず、安定剤の素材としてドラゴンの唾液を入手出来たから目的は達成出来たかな?
「で、これで問題無いかな?」
「そうだな……これを使えば安定剤は完成する。オリハルコンスライムとアダマンタイトスライムを生み出す事が出来る」
安定剤さえあればその2種類のスライムを生み出せるって言い切れるのは凄いな
「じゃあ、あとはライマーさんに任せられるって事だ」
「あぁ、任せてくれ。必ずこの技術は完成させる」
「オッケー。それじゃあ僕はやるべき事をやらないとねぇ」
さて、もう本気で時間が無い。やるぞー!
「さぁ、遂に始まっちゃうなぁ。こみケ開催だ」
最後の仕上げも終わったし、個人的に技術を見せ合うマーケット。開催しますか!




