石の巨人
「これで作れる?」
「はい!必要なアイテムは後これだけだったのでこれで爆弾が作れるはずです!」
素材があるなら作れそうだな?まぁでもここじゃちょっとマンイーターが邪魔になりそうだし、花畑から離れた位置で錬金してもらおう。さっきは毒沼が消えた所でやったから周りを見通せて出来たけどここは辺りが花だらけでまた蔦に捕まったりすると面倒だ
「とりあえず素材が取れたならここから移動しよう。爆弾を作るならここじゃちょっと邪魔が入りやすいし」
「はい!」
トーマ君と一緒に花畑を注意しながら脱出する。蔦でトラップ張ってくるマンイーターやっぱ面倒だな?
「とりあえず道まで出てこれたね?」
「はい!花畑は綺麗なんですが、あのマンイーターが居るから人が少ないんですよね……」
確かに花畑は綺麗だったけどマンイーターが居るせいでお花見……とかはちょっとキツイかな?まぁそもそも夜っていうのも合わさって花畑に人が居ない理由は分かった
「ここまで来たら錬金術出来るかな?」
「はい、それじゃあ錬金術で爆弾を作ります」
釜を出して火を入れて、色んなアイテムを釜で混ぜるトーマ君。僕の見た事の無いアイテムも色々混ぜていく。今回は煙の色が虹色というよりも赤っぽい。攻撃系アイテムを作るとそういう感じになるのかな?
「これで……完成です!」
釜の中からボウリングの玉みたいな大きさの物が出てきた。これが爆弾か
「錬金術の師匠からレシピは教えてもらったんですけど……これって5個までしか持てないみたいです」
「じゃあ1個作れないのか」
火玉花は6つ取れたからフルで作るなら6つ作れるハズだ。でも所持上限があるらしく5個までしか持てないらしい。1個分は保留だね
「5個……ボスを倒すのに足りるでしょうか?」
「1個当たりHPの20%飛ばせる火力があれば足りるけど……まぁやるだけやってみない?」
「当たって砕けろ!ですか?」
「流石に砕けるつもりは無いけど……その爆弾でボスのHPを削ってくれれば僕だって戦いやすくなるし、トーマ君さっきボスに爆破が有効って言ってたよね?情報とか集めてるんじゃない?」
「それは……攻略したいんで集めてます」
「それならトーマ君はボスがどういう攻撃をしてくるか分かるんじゃない?そんなトーマ君が一緒に戦ってくれるなら心強いなぁ?」
戦う時に相手と向き合っている人より、外から見ている人の方が戦況を確認しやすかったり、攻撃のタイミングが分かり易かったりする。そして僕が前衛でトーマ君が後衛に、それで後ろからどういう攻撃が来るとか教えてくれればトーマ君を守りやすい
「なるほど!自分が後ろから指示を出せばハチさんが戦いやすくなるって訳ですね!」
「そうそう、だからボス行ってみようよ?」
「なんか行けそうな気がしてきました!はい!行ってみましょう!」
ハスバさん以来のパーティ戦になるのかな?いや、ボス戦ならレイド形式でソロ2人の攻略という手法が行けるか?それなら2人協力して僕はソロ状態だからステータスが下がらないで済む
「トーマ君?このボスってレイドに出来る?」
「レイド……というと複数パーティの共同戦にするという事でしょうか?自分達2人しか居ないのにそんな事をしても難易度が上がっちゃうだけなんじゃ?」
「僕はソロじゃなきゃフルパワーが出せないんだ。だからソロとソロで参加するとしたらレイドかなって」
「同じボスとソロの状態で2人同時に戦うなら確かにレイドにするしか無いですね。あぁでも人数ボーナスで強さはソロの時より少し強いくらいで抑えられるかも?」
レイドにした時の敵の強さがどう変わるのかとかは正直分からないけど相手がゴーレムと仮定して爆弾の攻撃で部位破壊とか出来れば余裕が出るハズだ
「その辺の設定は任せても良いかな?今回の主役はトーマ君だ」
「自分が……主役。はい!勝ちましょうハチさん!」
「うん、勝とう!」
ボス前の濃い霧の前で2人で拳を軽くぶつける。おぉ、何かカッコイイぞ?
「あっ!ゴメンちょっと待って?」
「何ですか?」
「【レスト】」
トーマ君と僕に【レスト】を掛ける。先にステータス10%上げておこう
「今のはいったい?」
「今から10分間全ステータス10%アップさせたからこれで若干トーマ君も強くなってるハズだよ」
「全ステータス10%アップって凄いですね?って10分しかないなら急いで始めないとですね!」
『旅人 トーマ のレイドに参加しますか?』
トーマ君が急いで設定を終えたみたいで僕の所に通知が来る。もちろん参加を選択する
「それでは行きます!」
トーマ君が霧に触れると霧が僕の方にも飛んで来た。霧に飲み込まれてボス戦フィールドに辿り着くとトーマ君が少し前に居る状態だったので場所を入れ替える。今回は守りを主体にするので聖女の戦闘用修道服に着替えて【オプティアップ MIND】【リブラ StoM】【リインフォース】を発動する。MINDを上昇させれば【精神防壁】の強度も上昇する。防壁に関しては機動隊の人が持っているシールドくらいのサイズが操作性と防御力が丁度良い感じだったのでこのサイズで使って行こう
「……ォォォン」
霧が晴れ、僕達の前に石がドンドン積み重なって人っぽい形になっていく。見上げる程の高さになった時遂に石の巨人は動き出す
「ウオォォォン!」
「第二のボス、ジャイアントルードオアゴーレム……!」
「一気に強そうになったな……」
最初のオランウータンを思い出すと一気にジャンプアップした気分になった