武器庫準備
「そんじゃあまずは……こいつか」
体の一部を平べったくして、カードを挿入する場所に突っ込むライマーさん。確かにこれならどんな形状でも理論上は合うな
「あぁっと、ここがこうなって、こっちがこうなって……んで、ここを繋げば……」
ピピッという音が鳴り、赤く光っていた部分が緑色になった。カードキーはひとまず突破したみたいだな
「よし!ひとまず突破ァ!んで次は魔力ロック?これはもう別に鍵でも何でもないな。魔力波長を合わせて……ほい次!」
あっという間に魔力ロックを解除するライマーさん。例の解錠用魔力回路の効果なのか、まるで手こずる様子も無かった
「次は普通の鍵と……ふむふむ。こいつぁ、中々面倒な形状をしてんな……だが、こういう物理的な鍵なら、何とかやれちまう様になっちまったなぁ?」
ライマーさんが体を伸ばして、鍵穴にペタリと張り付くと、その中で鍵に合わせた形状に変えているのか、ちょっと難航しているみたいだ。まぁ、そう簡単には行かない位難しい鍵なのかもしれない。ディンプルキーみたいな物かな?
「あともう少し……これか!」
カチャリという音を立てて、鍵が開く。これで残りはあと1つ
「最後に残ったのは数字を入力するタイプの鍵だね。表示的に6桁かな?」
6桁って事は……10の6乗だから100万通りか?それはヤバいな……これはどうやって突破するんだろう?まさか……100万通りを全部やるつもりじゃないよな?
「数字の入力か……確かにこれは難しいが……こいつも実は何とかなっちまうんだなこれが」
「え?」
数字の入力が何とかなる?どういう事だ?
「こっちは新しい能力を得てるんでな【キーハック】」
何やら新しい能力を得ているらしいライマーさん。どういう能力かな?
「こいつは使える鍵のタイプは限られるが、鍵を解除する事が出来るんだ。こういうタイプならこの能力で……しゃ!どうだ!これで4つ解除したぞ」
無事に4種の鍵を解除したライマーさん。そのスキルでナンバーキーを解除出来るってヤバくないか?あるかどうかは分からないけど、この感じだと、掌紋とか網膜認証でも突破出来そうだな……
「素晴らしいです。これだけ解除出来るのでしたら、かなり有用に使えると思います」
確かに、この4種の鍵を解除出来るなら大抵の鍵は突破出来るだろう。これで、秘密結社を崩壊させるみたいな事はしやすくなったかもしれない。悪事に使うつもりは無いが、大抵の鍵なら今の鍵開け能力が格段に進化したネオライマーさんの前では無意味だろう。こうなって来ると自分への歯止めが効かなくなるのがちょっと怖くなってくるが、ライマーさん自体がそのストッパーになってくれるだろうし、少し安心出来る
「という事で武器庫をオープンします」
鍵を開けた事で武器庫の扉が開く
「思った以上に巨大だね?」
地上にある分が武器庫かと思ったけど、これはあくまで入口であって、地下に進むと巨大な空間があった
「元々の武器庫は小銃や剣などを保管する程度でしたので、小型でしたが、パッケージ装備の配備等により、今後の技術進化を見越して更に巨大な武器庫が必要という判断で巨大化した結果です」
なるほどなぁ。確かに、今後発展するって分かってるならそれに対応する為に、巨大な武器庫にしておくのも納得出来る。これならここを改造しても問題無いかもしれない
「それではこちらにアイテムゲートを展開して頂く事は可能でしょうか?」
「あぁ、問題無い。ここに新しくアイテムゲートを作っても良いんじゃな?」
「はい、出来ればこのような大きさで作って頂きたいのですが」
説明に楽だと思ったのか、何処からか、魔力プロジェクターを装備した犬型のオートマトンがやってきて、設置して欲しい所に枠を出した。確かにこれ楽だよなぁ……
「ふむふむ、それではアイテムゲートはここに設置するとして、ゲートバッグは何にするかのう?これはセットで作らなければ良くないからのう……」
確かにこれはセット運用……入口と出口を作っておかないと安定しないというか、さっき言ってた空間の隙間に住む化け物とやらが出て来る事に繋がってしまうかもしれないからゲートバッグも同時に作らないといけないよね
「それでしたら、こちらはどうでしょう」
オートマトンさんが見せて来たのは四角い棒状の物。なんかビームのサーベルとか出てきそうだな?
「これでしたら、携帯性にも優れていますし、収納に関しても我々なら問題無く収納出来ます」
そういって、自身の太もも部分にその棒状の物を当てると、そのまま足の中に収納されていった。人っぽく見えてもやっぱりオートマトンさんはロボットなんだなぁ
「なるほどのう。確かにそれなら携帯性にも、防犯性にも優れておるのう。分かった。では、ここのアイテムゲートとそれをゲートバッグ化させて接続しよう」
これでここに後から武装関係を用意していつでもゲートバッグを持っている相手に送る事が出来る様にすれば素早い武装の変更が可能になる訳だ。いやぁ、こういうのやっぱり楽しいねぇ!




