島に招集
「ライマーさーん」
「うおっと、ビックリした……どうしたんだ?」
「一緒にオートマトン島に行かない?」
研究も気にはなるけど、ライマーさんのマスターキー計画がどのくらいまで進行しているか確認するのも重要だろう
「まぁ、構わないが……研究が遅れるぞ?」
「そこまで急いで研究しろって事は無いから問題無いよ。むしろゆっくりで良いから、スライム達に負担が無い様にしてくれればそれで良いんだよ。勿論ライマーさんもね?」
仲間に負担は可能な限り掛けたくはない。その気持ちだけ伝われば良い
「分かった。そんじゃ行こうか」
「ライマーさんも強化してゼオライ……ネオライマーさんになりましょう!」
一旦鍵が開けられるか確かめる為にもあの島の鍵がちゃんとテストした方が良いだろう
「なんか……その響き良いな……ネオライマーか。ふふっ」
なんだ?もしかしてライマーさんって割と厨二心が有るタイプか?まぁ、永遠の命とか考えたらその傾向があっても不思議じゃないか
「じゃ、行きましょう」
手を伸ばして肩にライマーさんを乗せる。よーし、早速オートマトン達の所に行こう!
「あ、ハチ様。いらっしゃいませ」
「元気してるー?」
「ええ、色々と開発環境が改良されて、皆の性能も上昇しています。これもハチ様がヘックス様にメカ・ダマシイを供与してくださったお陰とか」
こういうのがバタフライエフェクトって言うのかなぁ?まぁ、ウチのバタフライのエフェクトは大怪獣クラスの一撃だったかもしれないけど
「ホントにここの住人は人と話してる位自然だよな……」
「これじゃあその内そこらの人の性能越えちゃうんじゃないかな?」
何だっけ……機械が人を越える……そうだ、シンギュラリティだ。この島が技術的特異点になっても不思議じゃない。そうなっちゃうと僕はもう既に超えた通過点として殺される事になるかもしれないけど……まぁその時は全力で抵抗しよう
「シンギュラリティの可能性でしょうか?それでしたら問題ありません。ハチ様が人間である限り我々はハチ様を越えられないので、我々が人を越える事は現実的に不可能です。ハチ様が既に人間ではないという事でしたら、シンギュラリティの可能性はかなり上昇しますが」
「いやいや、そんな謙遜しなくて良いよ。君達の進化に僕だっておいて行かれない様に必死なんだから」
まさかのシンギュラリティギャグ?みたいなのを言われたので、否定しておく。普通に島を見に来る度にドンドン島が進化とかしてるんだから正直、もう割とそこら辺のNPC冒険者クラスなら越えてても不思議じゃないよなぁ?
「やっぱ、コイツって人間辞めてんの?」
「正直、あれだけの能力を持っていて、人間と自称しているだけなのでは?と割と本気で考えています」
ライマーさんとオートマトンさんが会話するけど、今はそれが目的じゃない
「一旦この話はここまで。ちょっと相談が有るんだけど、ライマーさんの鍵としての能力チェックと、後新しい協力者が増えたからそれで少し相談したい事があってね。何処か会話しやすい所とかあるかな?」
「それでしたら、会議室がございますので、案内します」
おぉ、会議室。良いねぇ?そう言う所もしっかりあるなら今後フレンドの皆で何かやりたい事とかあったらそこを使っても良いかも
「こちらになります。中には魔力プロジェクターもございますので、自身の魔力を流して立体映像を用意する事も可能です」
普通に凄い会議室だぁ……3Dの立体を見られるってSFの世界観だよなぁ
「なるほど……あ、新しく増えた仲間に紹介もしたいので、まだ残っていてくれます?」
「了解しました」
早速パンドラークでヨーランさんを呼ぼう
「ヨーランさん、今から呼びますよ」
『おっ?ハチ君の声が……なるほど、頼んだ』
という訳で、ヨーランさんをパンドラークで呼び出す
「おっとと、おぉ、ここが現……世?」
驚いてる驚いてる。まぁ、明らかに今まで生きてた場所とは雰囲気が違い過ぎるだろうから、現世かどうか疑いたくなるのは分かる。僕だって、この島だけ別ゲーじゃないか?となる事も多々あるし
「はい、ここが前に言っていた僕の仲間達が住む島です。ここはある意味応接室みたいな所っぽいですけど」
「こ、この壁……ミスリルが含まれている様な気がするんじゃが……」
「そうです。この建物は建材として粉末ミスリルを混ぜ込んであり、強度を高めていますので、大抵の魔法では傷一つ付きません」
お、オートマトンさんが答えてくれた。じゃあこのまま紹介に移ろうか
「ここが、この子達オートマトンが住む島。一応の名前がオートマニュアイランドですね。正直そろそろ改名しても良いかもしれませんが……オートマトンさん、ちょっとこの島の全体図を見せてくれる?」
単なるオートマトンではなく、シンギュラリティを起こしそうなら名称も変えた方が良い気がする
「はい、現在のオートマニュアイランドはこの様な状態になっています」
そうして、僕らの前にオートマニュアイランドの全体像が魔力を使ったホログラムとして現れる




