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1673/2015

ヨーランさん

「それで、何を聞きたいんだい?」

「実は、メロにゃんさんと友達なのもありまして、良く素材を提供してるんですが、それでアイテムバッグを作ってもらって……ちょっとイメージが刺激されてやってみたい事が思いついても出来なくて……それで、メロにゃんさんの師匠なら何とかなる可能性があるかなと、ここに来てみました」

 メロにゃんさんに協力を求めればあの計画も何とかなるのかもしれないが……


「ふぅむ、なにやら迷っている様だね?技術を持つ者が友なのであれば、その友を頼ると良いんじゃないかな?」

「いえ、メロにゃんさんが友達だからこそ、これは僕だけで何とかしようと思いまして……それで僕でも何とか出来そうな事は冥界に来て、亡くなったメロにゃんさんの師匠に会いに来る事だなって」

「また凄い者と友達なんだのう……それで、迷惑を掛けない様にという事は何かあまり人に教えられない様な事をしようとしていると受け取って良いのかのう?」

 メロにゃんさんは面白いおじいちゃんという評価だったけど、僕としては中々の切れ者ってイメージだ。今の説明で僕が人には言えない何かがあるって事をしっかり見抜いているんだ。ただの面白いおじいさんって訳では無いな


「まぁ、人に言えないと言うか、言ったら良くない事ですね。僕から話を聞くという事は、貴方にも協力してもらわないと困る事になりますが……それでも良かったらお伝えします」

「なるほどのう。話を聞いたら絶対に協力しなければならないと」

「そうですね。これを聞かれて協力してもらえずに話が漏れてしまえば、僕は仲間を失う事になるかもしれません」

 大袈裟かもしれないけど、大事な事だから言っておく


「ほう……そこまで言われると流石に怖いのう……」

「止めておくならそれでも構いません。こっちも無理を言っている自信しか無いですから」

 退くなら退くで構わない。もしかしたら出来るかも位の気持ちで僕は言ってるだけだし。ハッタリでも何でも良いからヨーランさんの立ち位置はしっかりした方が良いと思う


「流石にそこまで言われてしまうと……協力するのは怖くなるのう」

 まぁ協力してもらえなくてもそれは仕方ない事だろう。そもそもアイテムバッグの技術を学ぶとしても前提となる条件が有るのかもしれないし、裁縫師でしか出来ない事なのかもしれない。メロにゃんさん経由で来たという事を理解しているならその辺で協力を渋るのも理解出来る


「ちょっと脅し過ぎちゃいましたかね?まぁ、アイテムバッグの技術を僕も学べるかどうかの話を聞きたかったので、それの理由を聞くかどうかの違いしかないですかね」

 サクッとぶっちゃけてしまう。迷っているなら踏ん切りがつく様に情報を少しだけ出す


「それで言うと、完璧なアイテムバッグが欲しいのであれば、力になれる事は無い……とだけ言おうかのう」

「ほう?それはまた面白い情報ですね?」

 確かに、このヨーランさん。メロにゃんさんの言う通り面白い。さっきまで僕がヨーランさんの興味を惹く様に話していたが、逆にヨーランさんが僕の興味を惹くように話し始めた。今の情報的に不完全なアイテムバッグであれば裁縫師じゃなくても作る事が出来ると言っている様な物だろう。やるなぁ?


「おや、興味があるのかい?」

「まぁ、興味があるから来たんですけど……」

「ほっほっほ、そうだったのう。分かった。その不完全な物でも良いのであれば教えよう。こんな所まで来てくれる人もまず居ないだろうからのう?」

「ありがとうございます!」

 よし!とりあえず協力はして貰えるみたいだ。でも、不完全なアイテムバッグってどんな物なんだろう?




「まずは、アイテムバッグについてはどんな事を聞いたかのう?」

「そうですね、メロにゃんさんからはバッグの先が異空間に繋がってて、それで色々入れられるから大量に物が入る的な説明をしてもらえました」

「お、おう……結構言っちゃってるんじゃな……となると、その友人と言ってもかなりの親密な関係の様じゃな」

 あ、結構言っちゃヤバイ部分まで言ってたのか。これはちょっと驚きだ。でもメロにゃんさんがそこまで言っちゃうって驚いてるのは信用度がそれだけ高いって事の証左にもなるのか


「雲毛とか送ってあげたのがそんなに嬉しかったのかな?」

「雲毛じゃと!?それはまた良い物を……あれは仕入れるのが中々大変でなぁ……」

「そうなんですね。定期的に送ってますけど……」

「ほぉん!?」

 あ、これもしかして言い方悪いけど、素材の情報とかを餌にした方が喰い付き良かったかな?


「最近新しい布とかを試作して使い心地を試してもらおうかと……こんな感じの」

 折角だからヨーランさんにもミスリルと雲毛のハイブリットクロスを見せる


「な、なんじゃあ!この布ォ!」

「こういう素材とか作ってて、アイテムバッグの存在を知ったので、ちょっと色々と試したい事とかもありまして……」

 やっぱり弟子も気にはなるけど、自分が扱ってた物に関する物が出て来た方が反応良いなぁ?


「これは協力し甲斐が有るかもしれんのう!」

「頑張って勉強しますのでよろしくお願いします!」

 よし、これでアイテムバッグへの道が繋がったぞ!



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― 新着の感想 ―
意外と普通の師匠だった!(失礼) そして普通に超レアもの素材にニッコニコだw
職人魂に火が着いちゃだ
雲毛もそのヤバ布も、生産元はハチ君だって知ったらひっくり返りそうね
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