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ハッケン!

「それならまずはこちらの幽霊を見つけてもらえると助かりますぞ!」

 おぉ、何枚か写真を出された。この写真の人を探せば良いのか


「この人達を見つけたらどうしたら良いんでしょう?」

「見つかったらそれで良いですぞ。居るかどうかを確認する為なので」

 見つけるだけで良いんだ。冥界でおかしな話だけど生存確認みたいな事をするのがここの仕事か


「分かりました。それで、もし僕が探している人を見つけたら……」

「行っても構いませんぞ。ここは皆が居るかどうかを確認する為の所ですぞ。だから手伝いは正直必要は無いのですぞ」

 言っちゃった。薄々感じてはいたけど、言っちゃうんだ


「まぁ、人探しをしたい時は好きに来ると良いですぞ。そっちはあくまで日常業務。本来担当する本当に大事な仕事は起こらない方が良いのですぞ」

 そういうタイプの仕事なのかこれ。普段はこれ要るか?って思う物でも、緊急時は凄く役に立つ物とかと一緒か


「じゃあ、この人達も探しながら僕が探したい人も探しますね」

「はい、任せるですぞ。何せこの仕事は常に動く人並みからあの人は居るかどうか等中々に大変な……」

「あそこと、そこ、あぁ、この2人はここでお茶してる。うん、皆結構特徴があって見つけやすいですね!」

「え?」

 モニターは沢山あるけど、視野の中でその特徴的な部分を探して、似てる人とかを見つけたら照らし合わせて違ったら、視界の端で追いかけていた次の候補に焦点を合わせて照合を繰り返して3分と掛けずに提示された人達を見つけた。確かに皆動いては居るけど、目的地が決まってるからか、あっちに行ったり、こっちに行ったりフラフラする人がそんなに居ないから、カメラのポジションさえ分かってしまえば、結構追いやすい。僕こういうの結構得意なんだよね


「も、もう見つけたんですぞ?」

「ええ、なので僕の探してる人も探してみます」

「こ、これはとんでもない逸材ですぞ……」

 もう人込みで頭が痛くなる事は無いだろう。むしろ人込みで誰か探す位余裕で出来ちゃうね!


「髭の長い、髭の長い……ん?おっ!あのマフラー……髭だ!あの人か!?」

「んー?えぇと、おぉ、裁縫師のヨーラン殿ですぞ。彼の技術の高さは大した物ですぞ。こちらに来る前にしっかり弟子に技術を教えていたので、現世でも彼の技術は受け継がれていますぞ」

 グルグルメガネの死神さんが端末を操作すると、ヨーランさんをズームしてステータスとまでは行かないが、情報がいくつか出て来た。キチンと技術を伝えたらしく、弟子にも受け継がれていると書かれている。その中の1人がメロにゃんさんなのか


「えっと、今この人は……」

「最近開いた喫茶店でお茶をしているみたいですぞ。今ならまだ間に合うやもしれませんぞ」

「行って来ても良いですか?」

「勿論、大丈夫ですぞ。まぁそれとは別に今度また暇な時があったら手伝いに来てくれても良いですぞ。貴方ならいつでも歓迎しますぞ!」

「分かりました。暇な時にでもまた来ますね」

 グルグルメガネの死神さんに別れを告げて、ヨーランさんの所に向かう。あれ?そういえばあの店舗なんか見覚えが……あぁ、冥界に来て、黒猫死神さんのお仕事を手伝った時の店か!




「どうするかなぁ……」

 とりあえず店の前まで来たけど、中に入るべきか、外で待つべきか……


「いや、これは外で待ってよう。中に入ってもお金も無いから注文も出来ないし、それなら外で待ってた方が、邪魔にもならないだろう」

 お店の迷惑になる様な事はしない方が良いだろう。黙ってここは出て来る所を待とう


「っと、え?もう出て来た?」

 マジか?僕が発見してからここに来るまでコーヒー1杯飲めるかどうかじゃないか?


「すみませーん。そこの長いお髭の方ー」

「ん?儂かの?」

 後ろから話掛けて、振り返ったそのおじいちゃん。自身の髭を首回りに一周回してる……物凄い髭だぁ


「はい。あの、ヨーランさん……で合ってます?」

「あぁ、儂はヨーランだが……」

 一旦警戒とかはされてないみたいだ。凄く人の良い笑みを浮かべている


「メロにゃんという人は知ってますか?」

「メロにゃん……おぉ!その名をこんな所で聞くとは!」

 この反応的に間違いなさそうだ


「一応、メロにゃんさんからの伝言が有りまして」

「何?伝言とな?」

「その髭なら1ループ巻きよりもポット巻きの方が似合うんじゃないかしら。と」

 それを聞いて固まるヨーランさん


「そうじゃな。折角このような所に来たのじゃから、いめちぇん?という事で巻き方でも変えるかのう」

 そう言って、髭の巻き方を変えるヨーランさん。あの髭、編み込まれているから、実際の髭の長さはまだまだ長いのか……あそこまで髭を伸ばせるのもある意味才能だよなぁ……


「して、君は何かを聞きに来たんじゃないのかな」

「え、はい。ちょっと裁縫師としての貴方に聞きたい事が有りまして、ここまで来ました」

 なんか髭の巻き方を変えたせいか、心機一転なのか、気持ち的に若干若返ったみたいだなぁ


「ほほう?こんな所まで聞きに来るとはこれまた随分と凄い者が来たものだ」

「お話は聞いて頂けますか?」

「勿論だ。聞かせてもらおう」

 さて、何か教えてもらえれば嬉しいな……



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― 新着の感想 ―
ハチくん様才能すげえ!間違い探しとか旅の絵本のネタ探しとかウハウハじゃないですかー! というか、そりゃこんなところまで聞きに来るんですから只者であるわけがないのであるwいずれはエンドコンテンツの場所に…
ハチ君なら、「ウ◯ーリーを探せ」もすぐ見つけそう
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