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羊ポーチ

「ちょちょちょ、ハッちゃん!?これ!いったい何!?柔らかさと強度が物凄いし、それに、魔法との親和性も高いわ!」

「そうなんですね。じゃあまずはその布でメロにゃんさんの服とか作ってみたらどうでしょう?」

 そんなに気に入ってもらえたならまた作っても良いかもしれない


「いやいや、そうじゃなくて……そもそもこんな布を一体何処で……」

「これは僕の所で作った物で、雲毛とミスリルの糸を合わせて柔らかさと布だけど強度も出るかなと作ってみた物です。多分量産もしようと思えばちょっとだけなら出来る……かな?」

 とりあえず信用出来るメロにゃんさんにこの布を渡して出来た物の感想とか聞いてみたい


「そんな作り方まで……そう言う事はあまり言っちゃダメよ?」

「まぁ、そう言われるとそうですけど、僕自身お金を稼ぐ気も無いですし、そもそも最近はミスリルが人気らしいので、そのミスリルを入手する事も困難でしょうけど、ミスリルを糸状に加工する技術を他の人が持ってるのかなぁというのもありますね。これを作ったのは僕の信頼する仲間達ですから」

 出来そうなのは今の所トーマ君みたいな錬金術師が糸状に出来るかもしれないが、それならそれでそっちの人達の需要も生まれるだろうし、僕としては別に問題無い


「にしても……これ。ウチの鋏で切れるかしら……」

「そんな事もあろうかと。用意してます。ミスリルハサミ~」

 布に使ってる糸よりもこっちの方が純度も高いからまず刃が負ける事も無いだろう。日頃の感謝と今回の超特急なお仕事へのお礼も込めてメロにゃんさんに手渡す


「……えっ!?」

「日頃の感謝もありますけど、この布をあげた所で切れなければ意味無いですからね。検証とかもしてくれると助かります」

 これで例えば通常の鋏だと刃が通らないとかだと、あのハイブリッドクロスを真似た所で、運用出来ないだろうし、それに対応出来る鋏をメロにゃんさんだけが持っていれば、技術が漏洩したとしてもそこまで心配ではない


「……なるほどね。そう言う事なら分かったわ。あとで私用の新しい服を作ってみるわ」

「はい、ではポーチの方をよろしくお願いしますね」

「ええ、任せて。残りは後で送るけど、まずは1つ作っちゃうから!」

 確かに1つすぐに作ってもらって形を確認したい。大きさとか、出来栄えとか、まだ僕のイメージ図案しか無いから、物を今作れるなら是非とも見たい


「そうね……雲毛に関してはすぐに出来るから、ポーチとしての機能なら……この位のサイズで良いかしら?」

「そうですね。実用性というよりは今回に関しては見た目を重視したいので、若干小さめでも問題無いです」

 メロにゃんさんの店にはバッグやポーチの類も置いてある。その中にある少し小さめのサイズのポーチを持って来て、雲毛と合せて羊っぽい見た目にしていく。皆に渡す物は別に全てが完全に僕が作ったアイテムだけである必要は無いからこれで良いはずだ


「分かったわ。それならこれをこうして……こんな感じでどうかしら?」

「うわっすっご……」

 目の前で腕の残像が見える様な速度で羊の手足っぽいパーツや顔を追加して、サクッと1つ作り上げてしまった。流石だ


「どうかしら?デザイン案に似せて作ってみたけど……」

「完璧です。これをあと9個お願いしても良いですか?」

「ええ、完成次第すぐにメッセージを使って送るわ!」

 後で送ってもらえるなら助かる。訓練も大事だけど、もう目前と迫ったイベントの為にもササッと準備を進めないと


「そうね……こっちで、少しアレンジしても良いかしら?」

「おっ、何かアイディアがあるなら入れちゃってください。必要な物があるなら用意出来る物は用意しますので」

「それじゃあ、ちょっとだけミスリルがあるなら分けてもらっても良いかしら?」

「はいどうぞ」

 その場で持っていたミスリルを手渡す。何かアイディアを形にするのに必要なら渡した方が良いだろう


「えっ、こんなにポンと急に渡されるのね……」

「それで、ミスリルを使って何をするんです?」

「まぁそうね。ハッちゃんだものね。えぇ、どうせならこのポーチをアイテムバッグ化してしまっていっぱい物が入る様にしちゃいましょう!」

「おぉ!それは良いですね」

 アイテムバッグ化かぁ……待てよ?それが可能なら誰でもインベントリが持てるって事だよな?


「あの、ミスリルを使ってアイテムバッグにするって、ちょっと話を聞かせてもらっても良いですか?」

「あら、ハッちゃんも興味があるの~?それなら教えてあげるわ。店の奥に来なさい」

「はい!」

 アイテムバッグ化。インベントリ化と言わなかったし、また少し違うんだろうけど、重要なのはそこじゃない。これがもし、誰でも持てるとするなら……この技術を覚える事が出来たら、ある意味とんでもない事が起こせる可能性があるぞ……


「それじゃあそこに座って。今から見せてあげるわ!」

「はい!よろしくお願いします!」

 メロにゃん先生によるアイテムバッグ化講座。これはしっかりと聞いて覚えないと!



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― 新着の感想 ―
そんなこともあろうかと、はい【ミスリルハサミ】~(テレテテーん) と言うか、誰でもインベントリを作れるようになる講座はっじまーるよー♪ たぶんとんでもない作品が発表されてしまうんだろうなあw
ハチ君もアイテムバッグを作れるようになったら、空島メンバーの支給品になりそう
ハチえもんなんか便利なアイテム出して〜 (ドラえも○)
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