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花か草?

「本当に助かります!これは錬金術の素材に使えますよー!」

「錬金術?」

「錬金術に興味があるんですか!?」

 グワッと僕に詰め寄るトーマ君。あぁ、こういう系かぁ……だったら詳しそうだしちょっと聞いてみようかな?


「やった事は無いけど、どんな事が出来るのかは知りたいな?」

「はい!ではお教えしましょう!」

 ガチャンガチャンと準備をするトーマ君。あれは錬金釜という奴だろうか?でっかい釜だなぁ?


「錬金術というのは無限の可能性を秘める力です!例え他の人がゴミと判断した物でも錬金術を使いこなせば毒にも薬にも変える事が出来ます!」

「はぇ~……ん?」

 釜の下に火を入れるトーマ君。え?指先から火の玉が飛んでる?錬金術も気になるけどそれも気になるんですが?


「例えば!この毒草!これと魔水……そしてモンスターのフン!これを使って……」

 トーマ君が材料を釜を入れて、グルグルとかき混ぜる。いろんな色に変わる煙が釜から立ち上がっている。虹色……というには若干汚い色も混じっているので綺麗とは言い切れなかった


「何が出来るんだろう?」

 あれをただかき混ぜるだけならエグみがヤバい液体が完成しそうだけど……


「【錬金】!」

 トーマ君がスキルを発動する。煙から汚い色が抜けて綺麗な虹色の煙に変わる。おぉ?何だか良い匂いがしてきた気がするぞ?


「出来ました!」

 釜から緑の小瓶を取り出すトーマ君。これは……?


「回復薬の完成です!」

「お、おぅ……」

 これは確かに凄い。けど使ってるアイテムが……これは、敬遠されてる可能性があるなぁ?


「でも、これなら【調薬】する人と素材が被らないのに回復薬を作れるのは良いかも?」

「毒草は薬草に間違われて採取された物がギルドにありますし、魔水は自作出来ますし、モンスターのフンは農場で沢山貰えますから【調薬】を使う人よりも簡単に作れますよ?」

 ふむふむ、僕は薬草とインクリー草を使って作るけどトーマ君の条件なら街で安価に素材を集める事も出来そうだ。案外大量生産も出来ちゃう?


「素材さえあれば爆弾の様な物だって作れます!今回は素材が無くてピンチになっちゃいましたけど……」

「攻撃用のアイテムの素材が無くなってポイズンマンイーターにやられかけたって訳ね?」

「はい、恥ずかしながら……」

 生産系でも攻撃用のアイテムを作ってそれを使って戦えるならそれは立派な戦闘職だ。これで戦闘中も即座にアイテムを作って即座に使えるなら中々に厄介な相手になるだろう。その瞬間まで得物を持っていないんだから。急に現れたアイテムがどんな性能があるのかを一瞬で見極めるとか至難の業だろう。ましてや、同じアイテムじゃ無くて違うアイテムを作られたら……


「素材があれば凄く強そうだなぁ?」

「そんな、強いなんて……」

 恥ずかしがるトーマ君。だけど尻尾がブンブン左右に振られている。ああいうのも自分の意思で動くんだろうか?


「戦闘中にアイテムを作れたら凄い強そうだと思うけど?」

「流石にそんな隙はありませんよ。事前に作っておかないと……」

「そっかぁ……出来たら強いと思ったんだけどなぁ……」

「あー、でも、もしかしたら派生先にそういう物があるかもしれません。自分はまだ28レベルなので第一限界まで到達してないんです」

 僕のフレンドは全員僕よりもレベルが高い人ばっかりだから忘れてたけど30レベルに行ってない人だって居るのも当然だ。もちろんバカにするつもりもない。僕だって30レベルだからたったの2レベルしか変わらないし


「なるほど……そういえば毒沼しか見てなかったけど、この花畑に用があって来てたの?」

 周りを見渡せば綺麗な色とりどりの花たち。正直まともな花なのか分からない間は近寄りたくない


「はい!ここの花を使って錬金してみようと!」

「あぁ……花より草の方が良いよ、危なくないし……」

「え?」

 アストライトの村の周囲を探索していた時に見つけた花とかは基本危なっかしい物ばっかりだった。まぁあの花を上手く利用出来たからオーガに勝てたんだけど……でも痺れ花とか炎熱花とか睡眠花。この辺の花は危なっかしい思い出しかない。草の方が良い


「花の方が効果が高いんです!だから花を使う為にここに来たんです!」

「とりあえず僕が見つけた事のある花と草を大まかに纏めた物だけど、これを見ても本当に花を使いたいかい?」

 体が痺れて動けなくなった、自分が燃えた、睡眠状態になって誰にも起こしてもらえない可能性があった等の実体験と草の有用性を纏めたデータをトーマ君に見せる


「これは……全部自分で集めたんですか!?」

「実体験だからね。綺麗な花だなぁって近寄って行ったら痛い目を見たから安全な草をオススメするよ。このインクリー草も20個あげる」

 僕の大好きなインクリー草をトーマ君に進呈しよう。在庫は一杯あるし


「え、えぇ!?こんなに品質の良いインクリー草があるんですか!?」

「ん?これが僕の中だと普通なんだけど……普通はもっと品質が悪いの?」

「普通はもっと効果が低いんです!どこでこんな良質なインクリー草を!?」

 これは村でゴブリン達が丹精込めて作ってくれたインクリー草だ。だから詳細は残念ながら教える事は出来ない


「ごめん、これの入手先は秘密にしてくれって言われてるから教える事は出来ないんだ。でも欲しかったらもう少し分けても良いよ?」

 インクリー草は大量にある。そうだ!インクリー草と交換でトーマ君に何か作ってもらうとかも出来るかな?



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― 新着の感想 ―
[気になる点] まぁ、あの村、何回かアプデした後のエンドコンテンツみたいな強さの蜘蛛様倒さないといけないところだしなぁ
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