更なる追い込み準備
「あのなぁ……簡単に言うけど、そんな伝説の金属がそう簡単に手に入る訳無いだろう?」
「じゃあ持ってくる事が出来たらライマーさんはオリハルコンスライムとアダマンタイトスライムの研究をやってくれますか?」
「良いだろう。お前がその位の無茶をやれるって言うのなら俺もやってやろうじゃないか!」
よし、言質取ったぞ。それじゃあ早速やりますか
「それならちょっと待っててください。今行って来るんで」
「へ?」
早速冥界の五鍛冶の元に行く
「すみませーん。オリハルコンとアダマンタイトを少し分けて欲しいんですけど良いですかね?」
「何に使うノネー?」
「ちょっとスライムの研究家を仲間にしたので、スライムの可能性を考えて、伝説の金属を喰わせて新金属を現世でも作れる様にと……」
「なるほどなノネー。それなら持って行くといいノネー」
よっしゃ。オリハルコンとアダマンタイトゲット!
「これできっと液体オリハルコンと液体アダマンタイトみたいな物が作れる気がするんで、合金も作りやすいかなって」
「なるほど……スライムによって金属の液体化……面白そうなノネー。上手く行ったら教えて欲しいノネー!」
「はい、必ず結果はお伝えしますよ」
まぁ、液体化出来るかはまだ分からないけど、これが出来れば色々楽になるだろう
「ほい、持って来たよー」
「うっそぉ……」
「ふっふっふ。だから言ったじゃないか。甘く見たねぇ?」
まぁ、まだ冗談だと思って居たんだろうけど、残念ながら本気で話を進めていたんだなこれが。という訳でさっきの約束は守ってもらおうか
「それじゃあ約束は守ってもらいますよ?オリハルコンスライムとアダマンタイトスライム。協力してくれるスライムを探して、頑張ってください」
「うむむ……確かに約束は約束だしな……分かった。時間は掛かるかもしれないが、やってみよう」
「よろしくお願いします」
とりあえずこれで可能性は更に広がったな
「よし、それじゃあそろそろこみケの方も始まるし、あんまり外に行かない方が良いかな?」
会場作りはまぁやろうと思えばすぐ出来るけど、色々考えてやると意外と時間が掛かるからこの位で一旦落ち着こうか。残り日数が短いって事はそれだけ集中してやらなきゃいけないって事だから、追い込まれた分、集中出来るし、良いな!
「そうだな……もう少し歩きやすい様に道を少し整備とかしておくか」
何人位来てくれるか分からないけど、少なくとも参加者は数百人は来ると考えて初めて空島に来た人でもスムーズに会場に向かえる様に道の整備と看板とかを作っておくのが良いかも
「石畳の道を作るべきかな?それとも道の脇を石で分かりやすくした方が良いかな?ゲヘちゃん。どっちの方が良いかな?」
「ソウデスネ。コンカイ、タクサンノカタガ、ゴライジョウナサレルトオモウノデ、イシダタミデ、ミチヲセイビスルノガ、ヨロシイカトオモワレマス」
全身石っぽいゲヘちゃんに道について聞いてみたら、やっぱり人が多く通るなら石畳にするべきと言われた。まぁそうかぁ……そうなるとちょっと急いで作業した方が良いかな?
「イシダタミデシタラ、スグニジュンビイタシマス。コチラノミチハイシダタミニイタシマショウカ?」
「そうだね。じゃあ出来るんだったらお願いしても良いかな?ここの道はゲヘちゃんに任せて僕は看板の作成とかするけど、問題無いかな?」
「ハイ、モンダイアリマセン」
「じゃあそっちは頼むよ。よろしくね!」
「マカサレマシタ」
ゲヘちゃんが道の整備をしてくれるなら僕も看板作りに集中出来るから助かる。やっぱり仕事の分担って大切だねぇ……
「どうするかなぁ……まぁ技術を見せる場って事を考えて、なんかアートな物が良いのか、普通に簡素な看板でも良いのか……いや、この看板は単純に会場の場所を示す為の看板だから分かりにくいアートな看板は避けた方が良いのか。ここに参加するって決めた人しか来ない様な物なんだし、会場が何処か分かりやすいのが一番だな」
ゲートで会場直通出来るとはいえ、何かあった時に備えてのこの道だって大事だ。備えあれば憂いなしって事でこういった物も用意しておかないと会場準備として万全を尽くしたとは言えない。今回は僕が戦う訳じゃなくて、色んな人を招待して皆で楽しもうって形だから、可能な限り備えは多い方が良い。自分が失敗しても演出と言えたあの時とは違うからその失敗した時即座にフォロー出来る環境を今の内に整えられるだけ整えておこう
「となると、また何か来場者向けの物も少し増やしたりした方が良いかも」
物事はポジティブに考えた方が楽ではあるが、こういう場合は失敗した時のフォロー準備を整えられるだけ整えておけば、リカバーが早くて良い結果にもなりやすいだろう。その為にも準備を進めて……
「やっぱりもう少し人手が欲しいな……誰かに手伝いを……」
「マスター、ただいま戻りました」
「クオン!修行はもう終わったの?」
「はい、ヴァイア様の指導のお陰で液体は自在に操れます。今のクオンは前よりも器用になりました」
何というグッドタイミング。それなら進化したクオンの腕前を見せて貰おうじゃないか




