ライマー研究室始動
「で、その……スライム達は何処なんだ?」
「おぉっと、そうでしたね。スライム達の所に案内しないと……って言っても結構空島で皆自由にしてるんで、会いに行くと言うよりは、そこに居るかもくらいの気持ちで行くので、ぐるっと見て回りますか。オートマトンさん。ライマーさんを連れて行っても大丈夫ですか?」
「はい、製造するまで少々時間を頂くので、その間はご自由にどうぞ。完成した時にいらっしゃらなかったら、無線機に連絡しますか?」
おー、あの支援用無線機にそういう連絡も可能ならかなりありがたい
「じゃあお願いします。という訳で、いざ、スライム達を探す弾丸ツアーへ!」
ライマーさんをフードに入れて、ダッシュで空島を駆け巡る。そして色んな所に居た皆の状況を1つずつ確認してもらって、最後に城に戻った
「まぁ、こんな感じですね。僕が仲間にしたのも居れば、眷属としてこの城に付随するスライム達もいて、一応、島全体の気温とか環境をある程度はコントロール出来るので、スライム達の楽園みたいな所も作ろうと思えば作れるかもしれませんが……」
「まぁ、ここの環境ならどこに居てもスライム達にとっては快適だろうな?」
「そうなんですか?」
お、空島はスライム達にも快適空間なのか。それは良かった
「何て言っても、ここは魔力が素晴らしい。魔物は基本魔力を吸収して生きるが、スライムは魔力が薄い場所でもその場の物質を食べて適応するから多種多様な種が生まれていると言うのが、俺の研究成果の1つだ。だが、ここは魔力が充分にあるから余程の事が無い限り、ここに居るスライム達は急激な変化はしないだろう。スライム達が変化するというのは、変化しなければ生き残れないという、生存戦略の観点から見ても……あぁすまん。あんまり長く説明しても分かりにくいよな。この地はスライム達にとっても安心出来る良い土地だ」
急に早口になったと思ったけど、やっぱりこの人スライム大好きなんだな。良いねぇ。そういう人材は良いぞぉ?
「いえいえ、僕としても皆が快適ならそれで嬉しいですよ」
「まぁ、そうなると、俺のスライム研究家としての立場はほぼ無いんだが……」
「あの、1つ聞きたいんですけど……」
そうだ。あれが可能なのか聞いてみよう
「ん、なんだ?」
「スライムに詳しい人が居たら聞いてみようと思ってたんですけど、スライムの素材。スライムゼリーとか生きたまま貰う事が出来ると思うんですけど、そのノリでレアなスライムから素材をある種無限に得る事ってここなら可能ですかね?」
「生きたまま素材を……いや、スライムゼリーという事なら……そうだな……現状で言えるのは一部の素材であれば可能になるかもしれない」
なるほど……一部とはいえ、供給量が少なくても、疑似的に無限資源になる可能性があると……
「まぁ、確かにそれは俺も考えて実際にやってみた事はある。ただそれで金を稼ぐとかになると、その土地の魔力をあっという間に吸い尽くす事になってとんでもない事になるって計算になったからしなかった」
まぁ、それで商売するってなったら確かに大量生産を考えて大量のスライムをその欲しい素材のスライムに変化させて……魔力を注いで素材を入手して……って流れだろうからとんでもない勢いでその地の魔力を吸い尽くすのは目に見えてる
「じゃあ金稼ぎとかを考えずに、1体だけとかだと、どうです?」
「まぁ、それなら悪影響はないとは思う。スライムだって使った魔力を吸収するにしても吸収する速度が遅いから、この地であれば、魔力の回復速度より遅いだろうから問題は無い。但し、素材が取れる間隔は長くなる」
まぁ、当然と言えば当然だな
「無理をさせない様にするならそれが一番でしょうね」
「そろそろ言ってくれ。いったい何を作るつもりなんだ?」
「特殊金属の生産ですね。一応これでも新しい金属は作った事あるんですよ?」
Nマター以外にも他の皆に紹介出来る特殊金属を生産出来れば、それで作った武器防具道具なんかを餌に新しい情報だったり、人手が欲しい時とかに協力を頼めるだろう。それに、前に個人イベントでやった僕がボスになって戦った時にあげたカサネガサネ。あれもちょっと強化してみたい。こみケもあとちょっとで開催だし、多分無理だけど……もし間に合えば展示もアリかな?
「新金属を作るってまたすげぇ事を……まぁ分かった。この部屋を俺の研究室って事にして良いんだな?」
「うん、この部屋は好きに使って良いよ。あとは、さっき出会った眷属のスライム達で協力してくれる子が居たら、協力してもらって。僕が声掛けると、嫌でも絶対引き受けちゃいそうだからさ……」
過去の栄光とは言いたくはないが、眷属の皆は何となく、僕を全肯定しちゃいそうで危ういから、そこは自己判断出来る様に僕が絡まない方が良いと思う。ライマーさんが自分で交渉して、協力して良いってスライムを見つけてくれ
「了解した。で、その量産する金属はいったい何を量産する?」
「そうだなぁ……冥界でオリハルコンとアダマンタイト辺りでも一旦貰ってこようかな?」
「はぁ……なんだか頭痛くなってきた……」
えぇ?




