お役立ちニコラ?
「不安定だけど、使える時は使えるパラドクスな力……一旦はパラドキネシスとでも呼んでおくか」
仮称としてだが、このパラドキネシスはいつかしっかり使える様になろう。マルチタスクの練習としてはこの2人相手にスピードは結構良いと思う。思い込みの力も有るんだろうけど、実際に自分自身を分割するのと、自分の中で自分を分割するのは中々に難しい。たまに見る脳内で天使と悪魔が言い合いをするみたいな感覚を更に尖らせれば上手く行ったりするかな?
「でも、未来の力を先取りって言うのも中々凄いよなぁ……」
あぁ、でも簡単に言ってしまえばその系統で順当に進化すれば3段突きが出来る人が、今2段突き出来るみたいな話だったりするのかな?うむむ……あの物知り死神さんに聞こうとしたって、未来が変われば使えなくなるかもしれないみたいな感じだったし、これに関してはこれ以上は聞かない方が良いかもしれない
「そもそも、このパラドキネシスも未来に使える力の方を入手したら使えなくなる可能性も高いよな?」
まだ確定していない未来の力を今使うからこそ、パラドックス的な事であの力になっている可能性が高いし、そのまだ得ぬ未来を掴んでしまったら、過去の力と今の力になってパラドックスが解消されてしまって使えなくなるかもしれない。もしかしてこの不安定な状況が一番良いまであるか?
「でも、不安定こそ僕かな?」
不安定な物を重ねていった結果、隙間が埋まって安定してきたのが僕なのかもしれない。だからこそ呪いやら人は本来装備出来ない物とか、そういった普通にやってる人は本来使わない物が僕という存在を構成してるのだろう。だからこそ、安定を求めるのではなく、不安定な力を求めても良いんじゃないか?
「おいおーい、ハチ君もうそろそろ良いかなぁ~?」
「あぁ、ごめんなさい。今日はここまでにしておきます。それじゃあお菓子でも用意しますか」
「「やったー!」」
とりあえずこう言っておけば何とかなるだろう
「それじゃあロールケーキ1つ!」
「へいへーい」
一応、今回はちゃんと仕事をしてくれたからちゃんとお礼はしよう
「はいどうぞ」
「来た来たぁ!」
「この甘味がたまらん!」
「ん!食べる」
確実に料理を作ったらラータは出て来るのだろう。食事を作ると確実に1食分は多く作る必要があるのもある意味デメリットになるのかもしれないが、まぁその辺はデメリットと感じるかどうかは環境に依るかな
「またいつでも呼ぶと良いわ!というか、これで良いならすぐに呼びなさい」
まぁやった事はトランプで遊んでたみたいな物だし、これでおやつが貰えるならと考えてそうだなぁ
「まぁ、また似たような事をする時は声を掛けますね」
一旦はこれで良いだろう。ニコラ師匠に協力してもらえると助かるって事は結構あるからなぁ……あ、そうだ
「ニコラ師匠。ちょっと聞きたいんですけど、僕ってよく監獄とかに囚われる事があって、鍵を開ける為に変形する金属とか欲しいんですけど、そういうのって錬金術で作ったり出来るんですかね?」
とりあえず一旦出来るかどうかだけ反応で確認してみよう
「えっと、何言ってんの?」
「僕の友人に錬金術師が居るんですけど、その子は金属を変形させて武器にしたり盾にしたりして戦ってるのを見て、この変形の性能を使えば、牢屋の鍵とか突破出来るんじゃないかなって」
思った事を素直に言ってみる。勿論、脱獄用の鍵とか違法も違法に聞こえるだろうけど、実際にあの場において、変形する鍵があればもっと良い立ち回りが出来た気がするから話だけはしてみても良いだろう
「まぁ、確かに出来ない事はないんだろうけど……牢屋の鉄格子自体を変形させちゃえば良いからそこまで考えた事なかったかも……にしても、よく囚われるってどういう事なの?」
「冒険とかしてると秘密結社とか組織と関わる事があって、その関係で一度ワザと囚われてその組織を潰したりしてて……それで鍵があると良いなって」
「なるほどね……それなら出来ない事も無いかも」
おっと、もしかしてどうにかなるのか?
「ハチ。確か魔物を仲間に出来るわよね?」
「え、えぇまぁ……出来ると言えば出来ますけど……」
「それなら丁度良いのが居るわ」
鍵を開けるのに丁度良いのが居るって言うのも不思議な話だ
「それで、その魔物っていったいどんな……」
「えっと、確かフライングメタラーだったかな?あれなんか良いんじゃない?」
フライングメタラー……そう言えば前にトーマ君とハスバさんの2人と一緒にレベル上げをした時に倒した奴か。確かにあの水銀みたいな体に変形して周囲の物に変化する能力とか鍵に変形出来るかもしれない。それに、体が金属だったらもしかするとオートマトン島で強化とか出来るかもしれないし、これはちょっと探してみる価値はあるかもしれない。あのフライングメタラーもスライム系と言えばスライム系だし、仲間に出来れば、空島に居る他のスライム達と仲良くしてもらえるかも
「なるほど……情報ありがとうございます。それじゃあ早速行ってみますか!」
「って、何処に行くのよ!場所は分かってんの!?」
おっと、何か良い所があるのかな?




