パンドラーク
「おぉ……これなら全員呼び出すとかも可能……ってあれ?」
なんか新しい事書いてるな?
「同時に2体……つまり、【ジェミニ】状態で呼び出せるのか?」
可能かどうかは一旦考えないとして、例えば、ウカタマを呼び出す時にウカタマを2体呼び出すとかも出来ちゃうのか。でも、これは呼び出す側も自身が2人出るという違和感もクリアしなければならないから、そうそう使う機会はないかな。でも、しっかり動かせるのであれば、何かしらする時に凄いプラスには働きそうだな
「にしても10体は大盤振る舞いだなぁ……まぁその分、呼び出すMPが足りなくて、皆ちっちゃい状態で召喚とかになっちゃうんだろうけど……」
普通にちっちゃい状態で何体も呼ぶより、1~2体ちゃんとした状態の子を召喚して残ったMPを僕が使ってサポートしたりした方が強いかも
「そう言えば召喚方法とかその辺はどうなったんだろう?」
パンドーラは蓋を開ければ召喚出来る状態だったけど、パンドラークは形状もそもそも変わってるから召喚方法も変わってるかな?
「見た目はパンドーラに近いけど、ここが開くのかな?」
掌に収まるサイズだけど、まずこれがどう開くのか確認しないと
「おぉ、なんだか不思議な開き方をするな?でもこれなら閉めるのも難しいかも」
匣の1つの面が半分に割れ、両方にスライドして開くと側面にくっ付いた。これで一応今までと同じ様に召喚は出来るのかな?この感じだと、今までよりも蓋が閉めにくいから単純に相手の妨害も受けにくいな
「はいはいはい。大体使い方は一緒か。でも、その同じ存在を2人出すって言うのはどうやるのかな……」
「お~いハチく~ん。新しい物に夢中になるのは分かるけど~、まずはやる事やっちゃおうよ~」
「あ、そうでしたね。それじゃあ死神さん達。僕と契約してくれますか?」
「「「「「オッケー」」」」」
『死神 死神 死神 死神 死神 と契約しました』
軽いノリで死神さん達と契約する事になったけど、これ凄い事起きてないか?それぞれを別に数えたらウカタマを合わせたら僕は6柱の神と契約している事になる。まぁ戦力として呼ぶ事はないだろうけど……でも良いのかなぁ?
「そうだな……逃げ出した者の存在にもよるが、儂らにも相手との相性がある。相性が良い死神であれば、抵抗も小さく戻す事が出来るだろう。逆に相性が悪い霊だと、普段よりも抵抗されるかもしれん」
なるほどねぇ。逃げ出した奴を捕まえるとなるとそういう相性みたいなのもあるんだ。それじゃあ最初から5柱と契約出来たというか、したのは相手の相性に合わせられる様にって事か。なるほど……死神の業務も奥が深いな。あくまで抵抗されるだから捕まえらない事は無い訳だし、業務を速やかに終わらせたいならすぐに終わらせられる死神が派遣された方が良い。僕の場合は僕の判断にはなると思うけど、その場で5パターンから1つ選ぶか、消費を気にしないなら5つの可能性を全て同時に試せるから死神さんサイドにとっても楽が出来るのか
「それじゃあ早速これで現世でも皆さんを呼べるようになりましたし、逃げ出した奴の捕獲任務に行ってきます!」
「そうじゃ、ほれ。ここからサクッと行くが良い」
「え、良いんですか?」
「今は仕事仲間兼、主様じゃからな?小さくて一回通ってしまえば無くなるが、この通りじゃ!」
仕事場所までかなりショートカット出来そうだ。ありがたく使わせてもらおう
「分かりました。それじゃあ行ってどんな奴が逃げたのか確かめてみましょう!」
まずは相手の確認。それから相性が良さそうな死神さんの選定を出来れば抵抗はかなり少なくすんなり終わる。ただ、相性が良くない存在を呼んでしまったら、また逃げられて面倒な事になると……同一個体を2体に出来るとか、それこそ固定砲台みたいな扱いとか、単純作業の手伝いとかであれば、考えても良いけど、今は普通に1人呼んで手伝って貰うのが一番良いだろう
「レイさん。聞こえるかな?」
『どうかした?』
お、なんか少し音質良くなったかな?
「ちょっと今から手伝って欲しい事が有るんだ。地獄から逃げ出した幽霊を捕まえるんだけど、幽霊には幽霊の戦力があった方が良いかなって、どうかな?協力してくれる?」
『分かった。準備出来てる』
という訳で、早速レイさんを呼ぼう
「レイさん。カモン!」
「来たよ」
「どう?なんか変わった事とかある?」
「ん?」
この反応的に、特に何か変わったとかは無いのかな?
「なんか、前に呼ばれた時より動きやすいかも?」
「一応、1000MPを使ったのと、呼び出しアイテムが強化されたからかな。とにかく死神さんからの依頼?みたいな感じで地獄から逃げ出した奴を捕まえる為にレイさん何かあるかな?」
一旦呼び出した魔法体の性能自体は減少はしてないみたいだ。それはまぁ普通だろうけど、レイさんに何か相手を拘束する手段とかあるかな?
「相手次第だけど、捕まえる事は出来るかも」
おっ、これは心強い。なら早速向こうから薄っすら感じるオーラを辿って行ってみようか!




