表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
164/2016

救援する側に

「すいません。この門って何門ですか?」

「うおっ!?びっくりした!……ここは西門だが……今は夜だから開けられないぞ?」

 僕がこっそりと衛兵さんに近付いて尋ねてみたら凄く驚かれた。まぁ眠そうだった衛兵さんの後ろから尋ねたら驚くのも無理は無いか……


「驚かせてすみません。そうかぁ……やっぱ今は出られないか」

「あぁ、夜は基本危ない魔物が多いから街の人を守る為にも開ける訳にはいかないんだ。外に用があったら明日の朝にまた来てくれ」

 そういえば夜は街から出られないんだっけ?その辺ちょっと面倒だなぁ……ん?待てよ?別にシステム的に出られないんじゃなくて門が閉じてるから出られないだけ……じゃあ僕なら出られるな?


「分かりました。出直します。お仕事お疲れ様です」

「おう、気を付けて帰れよ?」

 衛兵さんに挨拶をしてその場から立ち去り、姿を見られない場所まで移動したらまた屋根に登る。ここが西門なら……あっちが北門か。さて、行くぞー




 下に広がる大通りには沢山の人や食べ物を扱ってる店等、夜でも賑わっている。プレイヤーもそうだけど街の住人達も買い物したりしてるな?売れそうな商品を作って場所を確保出来れば住人相手に商売するって事も出来そうだ。まぁ売る物も初期費用も無いから僕が店を開く事は無いけどね?


「さてと、それじゃあセカンドラの街から出るとしますか!」

 この街の一番の売りである装備とか全く見てないけどまぁ良いでしょう。来たくなったらまた来たら良いし


「ん?」

 最後の屋根から街を囲う壁に張り付こうと助走をつけてジャンプしよう……とした時にメッセージを受信した。ジャンプ直前にメッセージが来たことで普通に落ちかけたけど壁に立つ事で事なきを得た


「誰からだろう?」

 メッセージを開いて内容を確認する


『ハチ君、まだセカンドラ近辺に居たら北の方面にある花畑に向かってくれないか?実は私のフレンドが立ち往生してしまっている様なんだが、私はすぐに向かえないんだ。多分だが、セカンドラ近辺に居るのは私の知り合いだと君だけな気がする。良かったら行ってみてくれないか?』


 ハスバさんからのメッセージだ。ハスバさんの知り合いが立ち往生しているらしい……どうせ北に向かうし行ってみるか


『丁度今セカンドラの街に居るので花畑とやらに向かってみます』


 多分北に向かう道を進めばその花畑も出てくるんだろう


『え?セカンドラの街に居るなら外に出られないんじゃないか?』


『あ、今壁登ってます』

 メッセージを送りながら、【擬態】を使って壁の模様と同じ色になり、這うように登る。やっぱり簡単に登れるから楽だなぁ……おっと、壁の上も衛兵さんが歩いているのか。タイミングを見て、見られていないタイミングで反対側に行って……


『セカンドラ脱出しました』


『うん……いやぁ、うん。とりあえず助けに行って欲しい。トーマ君と言うのだが、君が助けに行ってくれるのは助かる。多分白のローブで行ってくれれば相手がすぐに気が付いてくれると思うから、特に合言葉は決めなくても良いか?』


『別に決めなくて良いですね』


 とりあえずメッセージでハスバさんと会話しながら壁を越えた。街の外側に出た事で景色が見える。花畑が見えるからあそこに向かえば良いんだな?




「いやぁ、街の周辺が一番辛かったなぁ……結構入れなかった(入らなかった?)人とか居るんだな」

 街の壁のすぐ近くで焚き火をしている人達も居たから壁から降りる場所を探すのが大変だった。そこを越えてしまえば暗闇も相まって僕が見られる心配も無くドンドン目的地の花畑に向かって進めた


「誰かー!助けてくださいー!」

 花畑を進むと声が聞こえる。男の子っぽい声だ


「あれは……周りが毒になってる?」

 人が1人、紫色のドロドロした沼みたいな液体が周りに撒かれていて動けなくなっていた


「おーい、そこの君?トーマ君かい?」

 トーマ君は獣人系のキャラと言うべきか茶色いケモミミと大きな尻尾が付いていて犬……いや狐かな?とにかく困っているみたいだし助けよう


「はい!あっ!白ローブの人だ!」

 これ喜んだ方が良いの?良く分からないけどとりあえず【リインフォース】を発動して毒沼を飛び越え、トーマ君が居る陸地に着地する


「ハスバさんから君の救援依頼を受けて来たんだけど……なんでこんな状態に?」

 気になるのはどうしてこんな孤立する状態になっているのかだ


「花を採取していたらポイズンマンイーターを刺激してしまって……自分が作ったアイテムで何とかその場で倒される事は回避出来たんですが、周りに毒を撒かれて身動きが出来なくなっちゃったんです……」

 あらら、それは可哀想に


「とりあえずここから出れば安心……」

「自分にターゲットが絞られたのでここから出ようとすると襲われちゃいます!」

「そうなの?」

「はい、この毒沼の中に潜んでます。まさかポイズンマンイーターも人が入ってくるとは思っていなかったのか反応はしていませんでしたが……」

 それは多分【欺瞞】の効果だろうけど……そうか、対象を孤立させて弱ったら捕食する感じか。中々嫌らしい奴だな?


「よし、それじゃあ僕がそのポイズンマンイーターをどうにかすれば良い訳だね?」

 身体強化してジャンプで毒の包囲網を抜けるのがダメなら、その敵を倒すのが一番手っ取り早い解決法だろう



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ