やりたい事をやりに
「お前、あいつ等と関わりがあるのか?」
「俺達は独立部隊だからな。独自の情報収集する能力もあるし、協力関係もある。勿論お前達に文句を言われる筋合いはねぇぞ?俺達に汚れ仕事も任せてるんだ。勿論この国の為に働いているが、いつ切られてもおかしくはないと思って居る。その時に備えて繋がりは作っていても別に良いだろ?」
外部で色々仕事をすると考えると、独自の繋がりは必要だよね。僕だって現地協力者を得るとかするんだし、そこに文句を付けられたら活動とか出来なくなる
「それは……そうだな」
勿論、これに文句なんて付けられる訳がない。文句を付けた時点で諜報とか言ってられなくなるぞ?
「世界にはあんな化け物がまだまだ居るのか……これは」
「それは止めておいた方が良いぜ。お前、あれで本気な訳ねぇだろ?あんなもん戦力の中でも一部も一部だろ。それこそ俺達独立部隊みたいなもんだ。だから俺もある意味見逃してもらえたのかもしれねぇのに、そんな部隊を手に入れてぇからみたいなクソみたいな理由でアイツらを取り込めなんて言ったら、それこそ全軍が来たらナーセイブなんて一日持てば良い方だぜ?」
クロウさんからの僕への評価やっぱり高いなぁ……
「そもそもお前達だって分かってんだろ?お前らが潜入してた奴らを1日で潰すというか掌握していったんだろ?その力が国に向いてみろ。そんなもんあっという間にクーデターがそこらで起こりまくって終わりだ。アイツは人心掌握も上手いから取り込もうとして失敗すれば、ナーセイブが消えるか、ナーセイブのトップがアイツになるかだ。だから俺はアイツとの協力する距離感に注意を払っている」
ほうほう、まぁ、確かにそういう風に警戒されてもおかしくはない……というか当然かな
「お前らの潜入任務だって俺らもやれるからやってやっても良い」
「何だと!?」
「今お前は怒ったな?それは単純に自分の管轄の事に首を突っ込まれたからだ。言ってる意味分かるか?」
「……これはお前らの案件だから首を突っ込むなと。そういう事か」
「そうだ。全くよー……どいつもこいつも強ぇから引き込めってよ?手綱も握れねぇのに馬鹿言うなっての。扱い切れる物をしっかり扱える奴とセットで初めて戦力になるってのに、そこんところ分かってねぇ奴が多過ぎんだよ。自分が有利になりたくて政治を気取ってる馬鹿はこれだから困る。マジでアイツの言う通りだぜ」
強力な物を見た反応云々の話かな?まぁ、何にせよこの人達が危険な状態になったら助けに来ないといけないね。てなわけで、紙に困ったらフォーシアスに行って、モルガ師匠の家の近辺に行けば良いみたいな事でも書いて見せるか
「ん、なん……おいおいマジかよ?」
「なんだ、その紙は」
「いや、単なる連絡だ」
「誰から」
「外部協力員だな」
今度こそここから離れようか
「ふぅ、帰って来たぞー!」
待ってましたよこの時を!やっと面倒な事が終わってやりたい事が出来る!
「モノさんや。これって今僕が持ってる物に使えるかな?」
現状使えそうなアイテムと言えば、呪博徒の耳飾りか、偽食の宝呪かな?そのどちらかに使えれば良いんだけど……
「ん、この子が、一緒に、なりたがってる」
「なるほど、こっちか。じゃあ地獄に行ってやってみますか!」
モノさんが選んだのは偽食の宝呪。確かに、取って来た物も宝玉系だし、相性が良いのかもしれない。やっぱりこういう助言を貰えるのは助かるなぁ
「今回はどんな風になるかなぁ?」
「新しい仲間。楽しみ」
という事で、新しい凶具を作れるかどうか試しに地獄に行ってみよう!
「さて、地獄にやって来たけど……」
「こっち」
モノさんに連れられて地獄を進んで行く。いやぁ、レジー以来かな?ストリとイドラは既に凶具の状態で出会ったけど、呪具から凶具にしたのはモノとレジーだけだ。しかも、モノとレジーの元の素材は悪魔であるモニクが作った呪具。今回は僕が作った呪具を素材に凶具を作る……つまり1から凶具を作るというこれは初めての経験と言っても良いだろう
「さてさて、この偽食の宝呪と合う奴は何処かな」
地獄で宝呪と宝玉を繋げる為に相性の良い奴が居るかどうか……モノさんレーダーで探していく。今回はどんな所に行くかな?
「「「オハヨウゴザイマス!」」」
全然朝じゃないけど、亡者達が頭を下げて来る。なんだろう……最近は亡者落としみたいな事はもうしてないはずなんだけど……噂に尾鰭が付くって感じなのかな?地獄に噂が広がってるのはどうなんだろう……
「はい、おはよう。今日も頑張れよー」
とりあえず挨拶されたなら返事して、軽く手を振っておく。多分周りに亡者が居る場所では凶具が作れる環境ではないと思うからもっと先だろうな
「まだ、遠い」
モノさんレーダー的にまだまだ遠いらしい。時間が掛かっても構わない。モノさんがここだと言うところまで行ってみよう
「多分、この辺だと、思う」
「この辺……地面から滅茶苦茶オーラが出てるなぁ……」
魂のプールみたいな所では無いけど、ここも結構な魂がありそうだな……




