組織掌握
「こ、降伏する!」
「俺はこんな所嫌だったんだ!降伏する」
「あんなバケモンと戦えるか!俺は嫌々だったんだ!」
協力者達が動いて、右手に布を付けてない人をここで落とそうと動くと、一気にボスへの忠誠心が下がって離反していく。この畳みかけでボスの心も折っていく
「これがこの組織の忠誠心……やはりボスが単なる金の亡者なら求心力も無い。だからこんな組織はすぐに瓦解する。今一度聞こう。そいつにまだついて行こうと考えているのであれば、俺が相手してやろう。自分の意思で降りて来い。誰かが何とかするのではない。自分の事は自分で決めろ」
フワッとした気分でこの組織について行こうとかじゃなくて、自分の事なんだから自分でどうするか決めないと。その覚悟が無いならさっさとこんな組織辞めた方が良い
「「「「……」」」」
おっ、完全に全員の動きが止まった。これは上手く行ったかな?まぁ、あれだろう。気弱な人とかチョロそうな人を集めて人数だけ嵩増しした組織なら瓦解も簡単だね
「よろしい。誰も貴様にはこれ以上ついて行くつもりは無いようだ。それで、まだ抵抗するのか?」
一応ボスに向かって歩いて、ポン君の口をバクバクさせながら聞いてみる。これでもしあのワードでも飛び出せば……
「だ、誰か!金なら払う!助けろ!」
あぁあぁ……言っちゃった。絶対言っちゃいけないワードだったのに……まぁ、そう言わせる為に行動してるんだけどさ?
「「「「……」」」」
やっぱり全員黙っちゃった。そらそうだ。どう考えても今の一言は現状だと金で自分の代わりに死ねと言ってる様な物だ。面白い位ボスへの信頼度が下がっていく。終わったな
「さぁ、お前達はどうする?こちらとしてはそいつの身柄を拘束さえ出来れば他の事には目を瞑ろうと考えているが……」
「「「「協力します!」」」」
これでこの組織はほぼ僕達が掌握したと言っても良いだろう。それじゃあ地上に戻りますか
「これで一件落着かな」
こういうのは仲間だと思ってた誰かが裏切り者……とか思って行動してたんだけど、全然出てこなかったな?やっぱり色々と脅しを掛けてたのが効いてたかな?
「よし、では投降してもらおう。勿論こちらに協力した者に減刑は有るだろう。ソイツと一緒に深く沈むか、見捨てて多少沈む程度で済ませるか。あとは一個人の判断だ。従う者は並べ!」
「「「「はっ!」」」」
お、これならあっちの姿にした方が良いかな?
「ふっ、潜入任務も楽ではないな……全く、こんな下らん任務を俺にさせるとは……」
軍服スタイルにして儀式の間から退場する。別に閉じ込められるとかも無いし、本当に楽に良い物ゲット出来たなぁ……
「お、お見事です……!」
「あぁ、協力に感謝する」
儀式の間への案内人が待っていたから挨拶をしてそのまま歩いていく。一応何とかこれでそれっぽい威厳は保てたかな?
「となると、これはナーセイブの問題だからやっぱり厄介事はあそこに頼むか。そうだなぁ……ヤミィさんあの独立部隊の場所覚えてる?」
「まぁ、覚えてますけど……え、まさか行ってこいって事ですか!?」
「そうそう。どう、頼めないかな?」
ヤミィさんなら猫っぽい姿にもなれるし、情報を届ける事を考えたら、結構適役だと思う
「分かりました。それで、伝言ですか?それとも手紙でも使います?」
「じゃあ手紙も渡すけど、一応は伝言もよろしく頼むよ。僕の使いで、とか何とか言っておけば多分団長なら理解してくれると思うんで」
厄介事なら独立部隊にお任せってね。まぁ僕の胃は痛くならないから大丈夫でしょ!
「では行ってきます!」
「よろしくね。こっちも全体を纏めて出るから」
組織を制圧して掌握したから、外に出ても問題無いだろう。まぁ、最後まで気は抜かないけどね
「しゃ!よくやったぜ!」
「随分とまた変わったなぁ……」
「ホントすげぇぜお前!」
「くっ、離せ!」
おっ、連れて来たか
「お前は何か勘違いしてないか?なぜこのまま生きて帰れると思う?」
「ひっ……」
髪を掴んで顔面を近付ける。相手の目から絶対に視線をそらさない
「お前に何か選べるとでも思って居るのか?ゴミムシの分際で選択権が残っているとでも?」
「「「……」」」
オッケー。3人共邪魔しないで待機してくれる。これならもっと追い詰められる
「わ、私の仲間が……お前を」
「誰が、誰を、なんだって?」
最後の強がりみたいだけど、残念ながらその強がりは別に何の問題も無い。やる気なら掛かって来てもらっても構わない。むしろ、この感じなら呪いのアイテムの強化アイテムを入手出来る可能性もあるからドンと来い
「良いだろう。連絡出来るならすると良い。但し、するなら1人残らずだ。全戦力を投入してもらわないとこちらも張り合いが無い。何せ、この程度の規模なら俺1人でほぼ終わってしまうんだからな?こちらの戦力を見せる機会が無くて退屈していた所だ。さっさと千人でも一万人でも連れて来い。敵対する者は1人残らず鏖殺だ」
こういうのは自信満々に言った方が効くんだよねぇ……




