仲間の強化
「驚くとは言われていたが……」
「あとは天使同士でお任せしますよ。僕もまだ試したい事とかありまして……」
普通に素材が出来ちゃったから忘れそうになってたけど、千変万化のスライムゼリーの実験をしようと思ってたんだ
「マイ君マイ君ちょっと良い?」
「何?」
「これちょっと見て欲しいんだけどさ……」
「これは?」
マイ君に千変万化のスライムゼリーを見せる
「マイ君がこれを吸収したら能力を得る事は出来るのかなぁと思ってね」
打算的な事を言えば、マイ君がこの千変万化のスライムゼリーから色の変わる能力を得る事が出来れば、マイ君からこの特殊なスライムゼリーを継続的に得られるのかもしれない。特殊な生物の素材をマイ君が得ればマイ君経由で量産……あまり良くない考えだが、それが出来ればとんでもなく特殊な物を量産する事も可能になる。特殊なスライムを倒してしまったけど、眷属になってる空島に居るスライムにこのスライムゼリーを与えて千変万化のスライムになるとも言えないし、それで試すならマイ君に渡す方が良いだろう
「上手く行くかは分からないけど、やってみる。あーん」
千変万化のスライムゼリーを呑み込むマイ君。さて、どうなるかなぁ?
「ん-、ごくん。ちょっと美味しい……かな?」
「美味しいんだ……」
スライムゼリー自体は食べる物じゃなかったと思うけど、レア物になると美味しくなるとかあるのかな……となると意外とレア素材は今まで食べられなかった様な物も食べられる物とかもあるのかも?
「多分、これで……」
「おぉ!変化してる!」
マイ君の腕の色がゲーミングカラーと言わんばかりに変化していく。ちゃんと色が変化している所を見るに能力はキチンと発揮されているみたいだ。これが出来るならマイ君もとんでもない進化の可能性を含めているよな?
「なるほどね……」
もし、今後レアな種類の奴を誤って倒してしまったら、キチンと素材を取ってマイ君にあげる事でマイ君が強化されて全て無駄にしないで済む
「結構、美味しかった」
「また今度何か手に入ったらあげるよ」
「分かった!」
機械方面はヘックスさんの強化により更なる進歩。生物方面はマイ君にレア種の素材とかあげるとどうなるかちょっと気になる……自分で取りに行くのも良いけど、今度誰かにレア種の素材が余ってないか聞いてみるか?
「さてさて、そろそろナーセイブのボス攻略の為にレベル上げに動いても良いかな?」
ボス攻略をする為にも、まずは一番上げやすいと言っても良いレベル上げだ。一応、ソロで戦うという事を考えると、深淵を失ったのは非常に大きい穴だ。勿論、今は凶具の皆だったり、クオンを筆頭に心強い味方が沢山居る。でも、ここまでやって来たなら、ボス戦は行ける所まで1人でやってみたい所ではある。まぁ、クオンはインベントリに入るから保険としてクオンをインベントリに入れた状態で戦闘開始。危なくなったら助けてもらうみたいな戦闘でも良いかもしれない
「あ、そうだ。ソリューさん?えっと、熱に反応して、その熱を奪う物とかって無いですか?ソリューさんの魂を拾った所で浸凍液っていう凄い液体を拾ったんですけど、これはちょっとクオンに使うには良くないかなと思いまして……」
千変万化のスライムゼリーのお陰で思い出したけど、そういえばこれもどうにか出来るんじゃないかな?
「と、言いますと?」
「僕の相棒にクオンという機械と生命の融合体が居るんですが、その子が戦う時に全力で戦うと自身から発する熱で自分自身が動けなくなってしまう事が有るんです。だから、それを何とか出来そうだなと思って、これを集めたんですが。多分、これだと冷却能力が有り過ぎで凍っちゃうんじゃないかと……何か良い案は有りませんか?」
もしかしたら何か知ってるかもしれないし、聞いてみよう
「機械と生命の融合体……何という禁忌的な組み合わせ……いや、ここではそれも普通の事なのでしょう。生命体が凍結せず、内部の発熱を抑えたいという事でよろしいですか?」
「はい。そうですね。それが出来れば良いなと」
余りにも都合が良い物質を要求しているのは分かっている。でも、これがあればクオンの戦闘能力は更に上昇するのも分かっているからこそ、探しているんだ
「分かりました。これも何かの縁なのでしょう。クオン殿」
「はい」
「私の加護を授けましょう」
「ソリューさんの加護……どんな物かな?」
天使の加護を貰えるとはクオンも凄いじゃないか
「私の加護は絶対零度の加護。名を変えた事で前より力は弱まっているでしょう。ですが、熱に対する防御能力を得る事が出来るはずです」
「なるほど!熱耐性ならクオン自身が熱の発生源だとしても、加護が働いて、何とかなる可能性もあるのか!」
自身の熱に負けるなら、自分自身が熱耐性を持てば良いだけの話。凄いシンプルで凄い力業な気もするけど、確かに物質で探せなくても、魔法的事象であればその状態を生み出す事は可能なのかもしれない




