隠密素材
「まずは、このデオドローの枝。これを砕いても能力を発揮するのかが知りたいね」
枝の状態で無ければダメなのか。それともデオドローの枝という素材であれば、その形状が変わっても効果を発揮するのか。そこはまず調べるべき所だろう
「ここに丁度生物的な索敵と機械的な索敵が出来る助手が居るから早速お試ししてみよう。ちょっと準備するから待機してて」
「「はい」」
2人を待機させて、実験の準備をする
「オッケー。それじゃあこの2つの内、どちらにも人形が入ってます。片方はモノを持っていて、もう片方は何も持っていません。どっちがモノを持っている人形が入っているか当ててみて」
一応、実験をする為に小さいスケールで作ったミニチュアマントと人形。それを僕に見立てて、白い箱の中に片方は何もせず、もう片方はデオドローの枝の粉末を裏面に付けた白い布で隠れた状態にして、どっちにモノを持たせたか当ててもらう
「えっと……」
「なるほど、となると……」
2人共箱の中の人形に触れずに力を使って調べている。さぁ、どっちかな?
「「(こっち)ですね」」
「おっと、お見事。せいかーい!」
ありゃ?結構簡単に見抜かれちゃったか
「匂いはないけど、温度で分かった」
「そうですね。若干そちらの方が温かかったです」
「温度か……しまったな。それは確かに忘れてたかも」
蛇みたいな奴が居る事は既に分かってる。温度を見るタイプも居るからその辺も何とかカット出来る素材……待てよ?ここならもうあったりしないか?
「オートマトンさーん」
「はい、何か御用でしょうか?」
おっ、来た来た
「オートマトンさんにちょっと聞きたい事が有るんですけど、遮熱するような素材とかありますかね」
「遮熱……ですか?いったい何に使用するのでしょうか」
「隠れるマントを作る為に色々素材を集めては居るんですが、温度で発見される可能性を忘れてて、その対策の為にもそういった素材が無いかなと」
「となると、ヒートシンク的な放熱する方向性ではなさそうですね……調整した薄いミスリルのホイルを作成します。少々お待ちください」
「了解」
おぉ、そういうのも作れるんだ。そうか。ミスリルがアルミホイル替わりになるのか。だとしたら滅茶苦茶豪勢な使い方をしてるなぁ?
「こちらの調整したミスリルホイルをお使いください。体温程度であればこれで完全に遮断出来ると思います」
「うっわ、なんだこの薄さ……動きの阻害感も全く感じない。なのに丈夫って……凄いな?」
やっぱりミスリルってこれぞゲームクオリティと言わんばかりのトンデモ素材だなぁ?でも、これを使えば体温はシャットアウト出来るから発見されにくくなるか
「匂い、気配、体温……これだけ消せるならもう隠れる為だけの装備としてはかなりの物では?」
確かに1つの装備でここまで特化した隠密性能を作れるならかなり良いと思う
「ちっちっち。忘れちゃいけないよ。エレキライトサンドがあるから足跡も残さないで移動出来るよ」
重量軽減の効果があるから重さを軽減して足跡を残さずに移動する事が出来るから痕跡も消せる
「音に関しては確かマスターが音を消せる魔法を持っていましたよね?」
「そうだね。それを使えば音は消せるから、敵にしてみれば発見は超困難になるかも」
5つの要素を消せれば隠密装備として優秀と言って良いだろう。枝も別に枝の形をしていなくても良いと分かったから、これは使えるぞ!
「基本素材として、オボロ草、デオドローの枝、エレキライトサンド、調整済みのミスリルホイルの4つをベースにして……やってみますか【フュージョナー】」
とりあえずマントの中での基本素材としてこの4つは結構重要だ。これのお陰で隠密性能が一気に上がるからこの3つが大事になるのなら、最初から1つにしてしまえば良い。いざ!
『バニシングファイバー を入手しました』
『バニシングファイバー これを衣服等に使用すると、凄まじい隠密効果を付与する事が出来る。落としてしまうと、何処に行ったか分からなくなるかも……?』
「おぉ……じゃあこれを裏地のマント部分に編み込めば能力が乗って良い感じになるのかも!」
これは忙しくなるぞぉ?
「よし、えっと、紡績が出来るなら、ひょっとしてミシンとかも使えるのかな。それだと効率良いんだけど……」
「ございます」
「よっしゃ!」
まずはバニシングファイバーを糸にする必要があるけど、それを基礎のマントに縫い込んでその上から各地形に合わせた物を付けて行けば、現状僕が作れる最強の各地形専用のギリーマントが完成する訳だ!
「これ……時間が余ったらこのバニシングファイバーだけでマントを作ってみる……か?」
確かに各地形で隠れられるマントは素晴らしい。でも、それはあくまでそういう物だ。このバニシングファイバーのみを使用した超贅沢なマント。僕専用として1つ作ってみても良いかもしれない。これは発表しなくて良いけど……思いついたら作ってみたいよなぁ?




