砂漠マントの素材探し
「砂地に隠れるなら、砂を被るのが一番かもしれないけど、それはちょっとなぁ……」
砂の中に潜むのとそんなに変わらないだろう。それに、多分だけど、砂をマントに張り付けて纏うとなったら結構な重量になるかもしれないし、パラパラと砂が落ちていく事も考えられる。それはあまり良くない
「ここはやっぱり砂漠の生物を探す……と言いたい所だけど……」
「何かマズイのですか?マスター」
「砂漠で生きていくなら体は小さい方が良い。大きい奴は隠れる必要のない力強い生物か、地中で活動しているのが一般的な生物じゃないかな」
確か、ベルクマンの法則だったかな?クイズ番組で見ただけだから間違ってるかもしれないけど、寒冷地の生き物は体が大きくなり、砂漠みたいな熱い所は体が小さくなるみたいな……似たようなのでアレンの法則という、耳とかの突起が寒い地域に進むにつれて短くなるみたいなのもあった気がする
「なるほど……確かに放熱の関係で体が小さい方が有利かもしれません。そう考えると、砂漠で周囲に溶け込んで隠れられる大きい生物を探すと言うのはかなり難しいという事は分かりました」
あくまで目標は砂漠地帯で隠れる為の素材を確保する事だ。そう考えると、生物では無い何かで作ろうと考えた方が良いかもしれない
「やっぱり重量はこの際無視して砂漠の砂を纏わせた砂漠マントで行くべきか」
砂漠のマントの素材に良い奴とか居れば良いんだけどなぁ……
「ところで、何故街の中でコソコソしてるのですか?」
「まぁ、ここで色々やったからねぇ……」
結構イクサバンの発展に協力したからなぁ……あまり顔は出さない様にした方が良いよな
「とりあえず外に出よう。何をするにもまずは外に出て探すしかないからね」
「街の中より外の方が確かに良い物は出て来そうですね」
まぁ、基本的には街の中で何かを得ようと思ったらお金が掛かる物だし、僕は街の外で何か得るのが一番だよなぁ……
「さて、レアキャラでも何でも良いぞ。砂漠戦闘も久々にやりたいからね」
足場の良くない所での戦闘は何回やってもクオンにとっても良い経験になるだろう。そういう場面でまだ戦闘した事が無いレアな敵が出てきたらそれはそれで美味しいから何が出て来ても良いぞぉ
「とりあえず【変異武装】で目だけ守っておけば大丈夫かな」
「分かりました」
視界に関してはお互い別で敵を感知出来るとは言え、視界を確保する為にもバイザーとかゴーグル的な物はあった方が都合が良い。目に砂が入ると痛いし
「で、ここは砂地だから出来るだけ足は面で使った方が良い。つま先に力を入れて走ろうみたいな事をしたら足が余計に砂に埋まって動きにくいからその辺も少し気を付けておけば、大体オッケーかな」
「少し歩き方を変える必要がある訳ですね」
まぁ、クオンは銃があるから動かなくても問題無いと言えば無いけど……
「早速敵を探してみようか」
「はい!」
さ、何か居てくれれば良いんだけど……居るかなぁ?
「案外街の近くに何か居るかな?」
「そうですね。先程の街の中の環境とこの辺りの環境を考えると水を狙って何かが来る可能性もありますね」
前に巨大ミミズは倒したから安全にはなったと言っても、ミミズ以外にも何か居るかもしれない。それに、確かサメっぽい人型の敵も居たよな?まだまだ砂漠には僕が見た事ない敵が居る可能性はまだまだあるな?
「一応、堂々とした奴を狩っても仕方ないし、クオン。索敵能力の強化をしよう。第三まで解除」
「第三リミッター解除。索敵機能を強化します【変異武装】65%」
クオンの体からレドームやら回転するアンテナやら色々展開された。なんだろう……なんか護衛艦とかそういう船の装備を装備してるみたいだなぁ
「範囲内の敵を認識。隠れていない敵を除外。小型過ぎる敵も除外……」
僕の要望的にも確かにその2種は見つけて突っ込んでも旨味が無い。ある程度の大きさがあり、隠れている奴が居れば良いんだけど……
「条件に合致した敵を発見しました」
「おっ!居たの!?」
「位置を確認。これで追跡出来ます」
「オッケー!それじゃあソイツの所に行ってみよう!」
クオンが先を走り、僕もそれを追いかける。さてさて、どんな敵かなぁ?
「あそこに居ますが、微妙に砂の中に隠れています。先制攻撃しますか?」
「いや、もう少し近くまで寄って、素手で倒せるなら素手で倒したい。銃だとどうしても穴が開いちゃうからね。それに、ここまで来たら流石の僕でもオーラで形を掴んでるから分かるよ」
何やらあまり見た事が無い形状だ。平べったいけど、アイツはどういう動きをするんだ?
「これは……まだこっちに気が付いてないのか、それともやり過ごそうとしてるのか?」
周りのオーラを確認しながら進んでいるが、攻撃すると言うよりも隠れてやり過ごそうという動きに見える。おいおい、これは……このサイズで隠れる事を選ぶって凄く素晴らしいぞ!
「悪いねぇ!そんな平べったい姿なんて気になっちゃうぞ!」
砂の中に手を突っ込み、ソイツを引き上げる。うおっ、結構重いぞ!
「支援します」
「うわっ!」
クオンの助けもあり、無事に地面の上にその存在を引き上げる事が出来た。なんだコレ……端がひらひらしてる……舌平目か?




