発表用に
「とりあえず会場に関してはもう既に準備は出来ているんですね。それでしたら、後は開催日時はどうしましょうか?」
「昨日の今日でいきなり開くと皆大変でしょうし、リアル時間で1週間後から3日開催みたいな形にしますか。普通の運営開催のイベントと違って時間は圧縮されないので、ずっと入る事は出来ないでしょうし、設定を調整すれば、店舗から勝手に持ち出すとか出来ない様に設定出来るので、人が居なくても技術は見せられる状態に出来ますね」
ここで売買するのであれば、階層を分けてシステムとしてキチンと売買出来る場所にすれば良いか
「なるほど……それなら確かに参加者は時間を気にせず入れますね」
時間のせいで参加出来ないと言うのも悲しいから時間を気にせず参加出来る様にしてみたつもりだ
「まぁ、早急に決めなきゃいけないのはこんなところかな?」
「そうですね……早急にというか、もう大半決まってしまったというか……」
「じゃあ1週間後に開催するって事で、広報は頑張ってくださいね?」
「お任せされました!うぉぉぉ!」
必死にメッセージを書くチェルシーさん。色んな所に連絡してるんだなぁ……
「じゃあ僕は行きますね。多分チェルシーさんも普通にここから出られると思うんで、もし出られなかったら連絡してください。ゲヘちゃん、クオン。行くよー」
「「はーい(ハーイ)」」
3人でオクタヘドロンを出る。チェルシーさんを残していくけど、オクタヘドロンの操作権は僕にあるからチェルシーさんには何も出来ないし、置いて行っても構わないだろう
「さて、そうと決まれば僕は何を出そうかな?」
そうなると、僕も何かしらの出店というか、何かを見せたい……
「あっ、久々にアレを作ろう!あれなら一応技術としても見せられるだろうし」
「何かあるんですか?」
「僕が最初の頃お世話になった物があるんだ。あれを改めて作ろうかなって。今の僕なら技術も施設も色々あるから作りたい物のクオリティを上げてまた作れるかなって」
どうしよう?クオンに協力してもらって深淵を使えばまだあの技術は使えるかな……いや、ここで一度手放した深淵を使ったらダメだ。どうしても使いたいなら早く手がかりを掴んで何とかするべきだな。それに、あの深淵を用いた性能強化法は紹介したところで真似出来ない。出来るだけ僕の腕だけで今回はやりたい。それが今回の僕の目標だ。施設は勿論オートマトン島の設備は使うけどね?
「いったい何を作るんですか?」
「ナンデショウ?」
「それは……一応まだ秘密で良いかな?今日はもうやめるとして……明日から素材を取りに行こうかな」
「お供します!」
「うーん……クオンにはゆっくり休んで欲しい所だけど、やる気があるなら手伝って貰おうか。どうせならクオンにも見て欲しい物だからね」
ある意味アレは現地で作れると凄く助かるからなぁ……今行けてる所の物は今回改めて作ってしまおう
「じゃ、今日はイベントお疲れ様!またね」
イベントを終えて、今日はゆっくり休む。明日から色んな場所を巡るぞ~!
「よーし、それじゃあ行きますか。いざ、エルフの森へ!」
「それで、どういった物を作るのですか?」
ログインした後、クオンを連れてエルフの森に向かう
「クオン。僕が最初にこの世界に来た時は殆ど何の力も持っていなかった。それでも生き残れたのは何故だと思う?」
「マスターが何の力も持っていないと思い込んでいるだけで、生存能力自体は既に備わっていたのではないでしょうか?」
「……」
うーん、そう言われると違うとは言い切れないかもしれない。いやいや、ここでそうだよと言ってしまったら話が終わってしまう
「僕は最初隠れる事を選んだんだ。だからその為に必要な物を自分の手で作った。森の中で、蔦やら葉っぱやらをかき集めて隠れる為のマントを作ったんだ。それで、そういうの結構作るの楽しかったから、今回の技術を見せるってなるならせっかくだし、このギリーマントを色々な地形用のを改めて作ってみようかなって」
これは僕を助けてくれたアイテムでもあるし、出来ればこれからも使っていきたい。ギリーマントとは長い付き合いだからこそ、布教とまでは言わないけど、こういう物があるよと発表する位したい。これで誰か光学迷彩みたいな物とか作ってたらお話聞きたいなぁ……
「という訳で、早速エルフの森で今回は森林環境でのギリーマントを製作します」
「葉っぱとか蔦を集めるんですよね」
「うん、だから気になった物は何でも良いから集めてくれるかな?」
「分かりました!集めます!」
僕の着眼点とクオンの着眼点の違いで今までに無かった物が集まってギリーマントが面白い進化をするかもしれない。どうする?これならいっその事白武と黒武とゲヘちゃんも呼んで総勢で捜索してみるか?
「一応聖獣さんには声を掛けておかないとかな。どの辺に居るかなぁ……精霊王様も何処かに居るかな?」
こういう事は巻き込めるだけ巻き込んだ方が面白いよね!




