報酬と聴取
「さっきの話はどういう計画ですか!もしまだ綿密に決まってないなら是非とも!是非私達にも一枚噛ませてください!広報としてぇ!」
まぁ、色んな技術を見る機会を増やせるならこれはアリだと思う。普通に僕じゃ声を掛けきれない人達にもチェルシーさんというか、インフォラビットが窓口として対応して貰えるとこっちも楽だ
「じゃあこんな場面で言うのも変ですけど『個人的に技術を見せあうマーケット』略して『こみケ』の開催でもしますか。皆さん暇だったら参加してくれると助かりますね。今から準備してくれれば……2週間以内には開催したいと思ってます」
こういうのは準備期間は必要だと思うけど、今から新しい物を用意するのではなく、既にある物で良いから出す位で良いと思う。ここはクリエイターズバトルフェスタと違う点だ。1週間で人を集めて用意するのではなく、正に個人が今までちょこちょこ作ってた物を見せあう位が丁度良い気がする
「おい、マジか!」
「コミケ!」
「出せなかったあれが見せられる……」
「あの人もはや運営やろ……」
「「「「うおぉぉぉぉ!」」」」
おっと、まさかこんなに盛り上がるとは……色々こっちも用意しないとなぁ
「一応最大でも参加者は100人位を上限にしますかね?空島でやりますし……会場の用意とかもしなきゃいけないので……なので、あと面倒な事はチェルシーさんに任せます!それじゃ!」
「あっ、ちょ……」
こういう時はログアウトするに限る。こういうイベントのタイミングでのログアウトは別空間とかに行くみたいだし。自分が広報に名乗り出たんだし、こういう時には存分に後方では無く、皆の前に行ってもらおうじゃないか
「さ、どうなってるかな?」
ログインしたら色々と用事がありそうだよなぁ……
「あ、ハチ様。おはようございます。今回も報酬アイテムの受け取りがございますよ」
「あ、そっか。2位の報酬があるんだっけ。何かな?」
オーブさんがいつもの様に登場。そしてクリエイターズバトルフェスタの2位の報酬を持って来てくれた
『メカ・ダマシイ を入手しました』
わっ、なんだこのちょっとおふざけ入ってる名称のアイテムは……
『メカ・ダマシイ レアリティ ユニーク このアイテムを使用すると、機械の更なる性能を引き出す事が出来る』
「おぉ……これはまた……」
なるほど……名前はふざけてるけど、普通に能力的には滅茶強いアイテムじゃん?1位のアイテムがどういう性能か聞きに行ったら、多分逆にこっちの事を聞かれて面倒な事になりそうだし、第一僕の物じゃない物の情報を得ても、戦う訳でも無いだろうから要らないか
「とりあえずこれで2位の報酬はオッケーっと……でグルメフェスのポイント交換だよね」
「はい、まだハチ様はポイントを保持していますので、期限が切れる前に交換して頂けると」
クリエイターズグルメフェスタでお客さんに来てもらって貯まったポイントをアイテムと交換するに関してあの相談した後に何か増えたかな?
「おっと、これはこれは……まぁ、良いんじゃないかな?」
「何か、ございましたか?」
新しく一番高いポイントで、僕の保持してるポイントの殆どを使えば交換出来る物が1つ増えていた
『運営からの感謝状 イベントを盛り上げてくれてありがとう!感謝の気持ちの手紙だよ! ※このアイテム自体に特殊能力等はございません』
「じゃあ、この感謝状を交換します。これで僕のポイントはほぼ無くなりました。後は端数位ですし、残りは食材と交換しても良いですかね?」
「はい。勿論構いませんよ」
一応、形式としては運営の感謝の気持ちとして交換出来る物に入れておくけど、意味は無いフレーバーテキスト的なアイテムって扱いなんだろう。でも、この最後の一文。わざわざ※で書いている注意書きを見るに、このアイテム自体に特殊能力が無いだけで、このアイテムの使用法が他にあるんじゃないの~?
「で、この感謝状。どう見ても僕を狙い撃ちにしているかの様なポイント調整。オーブさんに渡せば何かあるんじゃないですかね?」
「お見事で御座います。では、感謝状を一度預からせて頂きます」
オーブさんが僕の手から感謝状を受け取り、少し高く飛ぶ。どうするんだ?
「では、この方からも感謝の一言がありますので、どうぞお受け取り下さい」
オーブさんから光が伸びて、スポットライトみたいになる。すると、そこに1人の映像が映し出された
『よう!元気してるか!』
「東郷さん!」
おやまぁ……開発者直々の感謝状だったのか
『本当にお前さんは見てて面白い!会社の中にもお前さんのファンも居れば胃をぶっ壊されてる奴も居る。まぁ、それに関しては大分マイナスだが……俺達も開発として楽しく遊んでくれている奴を見て楽しく開発出来るっていう好循環だ。だからハチ君。君に俺達からの報酬を1つ与えよう』
おぉ……運営直々の報酬かぁ。どんな物を貰えるのかな?
『運営が決めた調整情報の事前取得とボスの情報。どちらが良い?』
ほほぉ……そういう内部的データの情報ですか。なるほどなるほど……
「どっちも要らないですね。そういう情報を僕にくれるって言うより、僕のせいで胃をぶっ壊されたって人に胃薬でもあげてください」
そんなの貰ったって面白くないじゃん?
『ほれ見ろ。だからこんな事無駄だって言っただろ?悪いな試す様な事しちまって……』
どうやら僕は何か試されたらしい




