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157/2002

情報提供

 握手から解放してもらい、何とか助かった

「スライムゼリーは食べられる物じゃ無かったから完全に失念していた……」

「ん?ホフマンさんってスライムゼリーを食べた事あるんですか?」

 だとしたらかなりのチャレンジャーだぞ……


「いや、俺には【食の目】っていう喰える物か喰えない物か見分けるスキルがあるんだ。それでスライムゼリーは喰えない物だって判断したが……なるほど、調理に使えるとは思ってなかった!」

「その【食の目】ってスキルを使えばギャンブル料理もある程度分かるのでは……?」

 食べられる物かそうでないかを見分けられるスキルがあるならギャンブルする必要はないのでは?


「【食の目】は喰えるか喰えないかが分かるだけだ。味までは分からねぇんだ」

「不味い物でも食べられるなら【食の目】は食べられる判定が出るって事ですか……」

「絶妙に使いにくいからこういう場所で喰える物判定が出た奴だけ出してるって訳よ」

 ダイコーンさんが補足するように言ってくる。だからここ一応食べられる物は試しているんだな?


「本当にありがとう!これならジャーキーを量産する事も可能になる!」

「ジャーキーが沢山出来るなら空腹になる事もかなり少なくなるだろうな!」

「あの……とりあえずステーキ食べませんか?これ以上寝かせると冷めちゃって美味しくなくなると思うんで……」

 ジャーキーの話で盛り上がっている所申し訳ないけど今はステーキだ。どのくらいの出来かとても気になっているんだ


「おっ!そうだ!ステーキだステーキ!」

「確かにジャーキーの話は後ででも出来るな!」

 2人は即座に何処かから椅子を持ってきて座る。まぁ最初の1枚は2人に食べてもらおう


「おっ!良い匂い!」

 皿の蓋を開けるとステーキの良い匂いが広がる。まずはそのまま食べてもらおう


「まずは1切れずつどうぞ」

「「いただきます」」

 ステーキを切り分けたけどスッと刃が入った時点でこれはかなり柔らかい。早く僕も食べたい


「「うめぇぇ!」」

「ソースも用意してあるので掛けたかったらどうぞ」

 2人に更に切り分けたステーキと、ソースも一緒に出す。めっちゃ美味しそう……


「これ店で出てたら3万でも買うわ」

「全く同じ事を考えてた。火の入り加減と言い、柔らかさと言い、店で出しても全く問題無い。というかトップクラスで美味いかもしれない。君、ウチで働かないか?」

 もしかしてスカウトされてる?


「あぁ……ちょっとそれは……」

 流石に料理メインでアルターを遊ぶつもりじゃないのでその提案に乗る事はちょっと出来ない

「そんな!?これ程の物を作れて何故っ……」

「無理強いはダメだぞホフマン?彼だってやりたい事は沢山あるんだ。お前だって料理してぇのに採掘しろって言われてもやらねぇだろ?」

「ぐっ……それもそうだな……悪かった」

 流石にそこまで嫌って訳じゃ無いけどまぁ、ホフマンさんも悪い人じゃ無くて良い料理を作りたいだけなんだろう


「流石にホフマンさんのお店で働くのは出来ないですけど、食材集めとかはやるつもりはあるのでフレンドになるのはどうでしょう?」

「おぉ!それは是非!君なら新しい調理手段を見つける事もあるかもしれない。その時は俺にも教えて欲しい!」

 そうしてホフマンさんとフレンドになった


「僕はハチって言います。これからよろしくお願いします」

「あぁ、男だったんだな?声が加工されてたし、ゲームじゃ体つきだけで相手を判断するのが出来ないから一応は気を使ってたんだが……」

「気を使ってたか怪しいところだが?」

「ちゃんと料理を作る奴だったからリアルでも料理する奴だと思ったら舞い上がっちゃって……」

 何とも面白い人だなぁ


「とりあえず僕の分のステーキを作っても良いですか?2人が食べてる所見てるだけだったんで……」

「あぁ、自由に作ってくれ!ハチ君さえ良ければここの設備は自由に使っても良いぞ?」

 流石にそこまでは……あっ、ちょっとだけワガママしても良いかな?


「それなら小麦粉とか分けてもらえます?僕、呪いのアイテムの効果でお金が入手出来ないんで野生の小麦でも見つけて挽かないと小麦粉とか一生触れない気がするんで……」

 野生の小麦があるかも怪しいけど、小麦粉があればパンとか焼けるかもしれないし、旅をするなら小麦粉はあった方が良い


「小麦粉が欲しいのか。それならほら、持っていけ!」

 ドンドンドンとデカい袋の小麦粉……一袋25kgはありそうな物を3つ出した。えっ?こんなに貰って良いの?


「こんなに貰ったら在庫とか大変なんじゃ……」

「小麦粉は良く使うからちゃんと備蓄してある」

 壁の別の取っ手を引くと小麦粉の袋がズラァっと並んでいる。うん、3つくらい無くなっても問題なさそうなくらいの量だ


「じゃあありがたく頂きます」

「なに、スライムゼリーの情報料としたら安すぎるくらいだ。それにそれくらいあれば試作するのに躊躇いもないだろう?」

 これだけあれば失敗とか恐れる必要は確かに無いな。太っ腹というか男前というかどっちにしてもありがたい事に変わりはない


「ホフマンさんありがとうございます。それじゃあステーキを作ってきます!」

 小麦粉をインベントリに仕舞ってからステーキをまた作る。どうせなら使っても良いって言ってたし、後で残ったワイン全部使ってジャーキーも作らせてもらおうかな?




「はぁ喰った喰った!」「美味かった!」「あんな良いお肉全部使っちゃって良かったんでしょうか?」

 結局僕の分のステーキを作って食べてたら後ろから2人が覗いて来て落ち着かなかったので「また作りましょうか?」と提案したら「「頼む」」との事でブロック肉を全部使ってしまった。途中でホフマンさんが付け合わせを作ったり、ダイコーンさんがはんぺんを呼び出して食べさせたりと色々あったけど、ちょっと思い出した事があってホフマンさんに頼み事をする


「自分の分のジャーキーを作らせてほしいと?」

「はい、ソミュール液は自分で作るんでお肉と味を馴染ませる場所を貸して欲しいんです」

「それならハチ君が作ったジャーキーを少しだけ俺にも分けてくれ。味の探究の為にも他の人が作った奴が喰いたい。それで良いなら良いぜ?」

 基本的に喰わせてくれたらオッケーってホフマンさんのスタンスはお金を持っていない僕にとってとてもありがたい


「ありがとうございます。あの、味付けの間に出掛けても良いですか?会っておきたい人達が居るんで……」

「良いぜ?一応時間を聞いておくがどのくらいで上げたら良いんだ?」

「大体5~6時間位ですかね?」

「なら1~2時間で出来るな?」

「え?」

「時短アイテムがあるからそれを使えば3倍の速度で時間が進む」

「はぇ~便利……」

 ワリアさんに使わせてもらった砂時計はもっとヤバかったけど3倍でも充分凄い


「それじゃあもし、時間に帰って来れなかったらお願いしても良いですか?」

「あぁ、任せろ」

 ホフマンさんなら任せて大丈夫だろう。よし、ダイコーンさんと一緒にアミーちゃんに会いに行こう



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