操縦法の違い
「Aブロックの勝利チームが確定しました。チーム二倍勝。トラス・トミーとチームハチ。クオンです!」
オーブさんが現れて勝利チームが確定。僕達はポリゴン化して別の所に飛ばされた。なんか敗者復活戦の時の緊急修理施設に似てるな。そこのモニターで会場にBブロックの人達の機体の見える。これは情報収集しなくては
「クオン。Bブロックの人達が試合するみたいだし一緒に見よう」
「はい。情報収集は大事です」
クオンと2人でモニター前に並んで座る。お茶とお菓子も出しておこう
「実際に戦った相手も居るクオン的には誰が上がってくると思う?」
「そうですね。もう一度戦いたいという意味ではアルテマアルケムのマッドスタッフですが……多分無理でしょう。フィールドとの相性が悪過ぎます。敗者復活戦の様な広い戦場で、静かに遠くから狙いを定めて仕留めるという暗殺者の様な行動が一番勝率が高いでしょうけど、ここではそれは出来ません。おそらくは機体性能的にアイアンプライドのジ・アソートが上がって来るのではないかと思います」
「ぽてまよサンダーは?」
「確かに飛行して上を取るという戦闘スタイルはかなり強いとは思います。相手の武装によっても一方的な展開にもなり得ます。ですが……」
「まぁ、1対1ならそれでも良いけど、4体での勝負でさっきのクオンの煽りとか考えると……」
どう考えても協力とは程遠い1人で生き残ろうとするスタイルと取られかねない飛行。バトルロイヤルにおいて戦闘を回避して最後まで生き残ろうとするスタイルは良いと思う。だけど、それはあくまで隠れるスタイルであれば……だ。飛行なんて思いっきり目立つし、飛び立つ時間だって必要だ。それに、僕の見立てでは3体とも遠距離攻撃手段を持ち合わせているだろうから……あのぽてまよサンダーは下手すると何もしないで終わる可能性がある
「時間となりました。それではこれより、決勝トーナメントブロックB。開始します」
「おっ、始まった」
さぁ、どうなる?別に一度敗者になったと言っても弱い訳では無い。正直相性次第でいくらでも変わるだろうから番狂わせというか、そもそもの番がハッキリしていないと言うべきか……ポケットのモンスターを戦わせる感じでタイプ相性だったり、技相性だったり、アイテムだったり、ひっくり返る要因は沢山ある
『おい、錬金の。組まないか?』
『まぁ、良いでしょう。あまり力になれるとは思いませんが……』
『っべー。マジやっべー……絶対場違いだってー!』
『……』
ジ・アソートとマッドスタッフがすぐに手を組んだ。なるほど……確かにここは手を組む理由が既にある。こうなると、必然的にハスバさん達のアンサーエイトが孤立する形になるか?
『よーし、それじゃあやっちゃうよ~?』
あの動き……そして取り出した武器……まさか!?
「ほぉ……これは面白い!クオン。これは中々勝つのは難しいかもしれないよ?」
「マスターでもですか?」
「そうだね。この映像を見て、僕の見立てに間違いなければ、あの場に僕が立つとしても勝つのはちょっと難しくなるかもしれない」
あの見覚えのある尻叩き……そしてあの苦無と直剣。後ろに居る皆。そして動きがシンクロしているハスバさんとアンサーエイト……間違いない。チーム八倒心の皆は僕を倒す為に自分達の動きをそのまま反映させて戦う気だ。確かにアレなら反応速度とかは操縦している本人に影響されるけど、圧倒的な操作性の向上は見込める。今まではゴーレム対クオンの勝負だったけど、皆と戦う時に限っては疑似的だけど、ハスバさん対クオンのマッチアップになると言って良い
「クッソーこれはこれで滅茶苦茶楽しそうだなぁ!あ、ごめんクオン。クオンの事を悪く言ってる訳じゃ無いからね。クオンに色々教えてやってもらうのも凄く面白いし、クオンが成長するのも僕は好きだから」
自分が作った物が一番だけど、それでも目移りしちゃう技術はある。あの技術だって僕には経験がある。戦争イベントの時にゲヘちゃんに乗り込み(取り込まれて?)戦った時に僕の動きとゲヘちゃんの動きがリンクして戦った事があった。だからゲヘちゃんがあの技術をハスバさんとかトーマ君に教えていれば再現出来ない物では無い。しかも僕は別にこの技術は特に研究していないからどういう進化をしているか分からない。これは楽しみだなぁ?
「ふむ……となるとやっぱりあれはやってみる価値はあるかな」
「あれとは?」
「さっき協力して相手を倒すとか言ってたじゃん?あれの協力先は別に同じブロックの人である必要は無い訳でしょ?だからアンサーエイトと協力関係を一旦組んでタイマンに持ち込みたいよね」
「なるほど……」
組んで上がろうとは言ったけど、最後に勝つのは1チーム。2チームが勝ち上がり、最後の4チームで勝負の時点で2対2に持ち込む様に言ったけど、今の現状を見ていたらさっさと2体を倒すとなったらアンサーエイトと協力関係を築いてタイマンした方が良いよね。まぁ協力じゃなくてもアンサーエイトは最後にして邪魔されない状況で戦いたいよね
「にしてもアンサーエイト。凄い戦闘能力です」
「そうだね。ここまで強いのか……」
目立つ動きがある訳じゃ無い。ただ純粋に戦闘が上手い。攻撃を避けて、しっかりと隙を見つけて攻撃する。戦闘の基本が只々上手い……




