切る札
『オラオラどしたァ!鍛冶師の方が強いんだってぇ?』
『ちょ!おまっ!恥ずかしくないのかァ!』
『これはバトルロイヤルだぜぇ?負ける方が悪い!』
まぁ、勝ち方に拘らなければ可能な限り最後まで息を殺して潜んで勝つって方法だってあるだろうし、武器を捨てて素手の殴り合いの勝負に持ち込んだり(相手のノリ次第だけど……)等。色んな方法はあると言えばあるだろう。だからこそ参加者の現在のコンディション等どうでも良い。毒になったまま放置してるならそれを解除するアイテムを持ち込まなかったのが悪いとなるし、武器が破壊されたなら予備を用意しなかった方が悪い。大事なのは不測の事態を回避する為の用意をしておく事。まぁサバイバルと一緒だよね。不足してるなら現地で何とかするしかない。出来なければ淘汰されるだけなのだ
「あちらはもう任せても良いでしょう。奇襲に警戒します」
あとサポートすると言えば、あの人達の周りに他のゴーレムが助太刀に入らない様に妨害する位だろう。後はクオンに対する奇襲への警戒だろう。これ以上攻撃に参加しろとか言われたら、従う義理は無いぞクオン……
『やっぱり結構倒したし、エリアの壁も見えて来たわね……』
大分狭まって来た。クオンの視界を見てると薄い色の赤い壁が段々迫って来る。さぁ、どうなる?
「畑ゴーレムって結構強そうだけど……やっぱりどちらかというとサポート的なクラウドコントロール(CC)タイプだからタイマンは辛そうだなぁ……やっぱりタイマンで輝くタイプと集団戦で輝くタイプは違うよなぁ……」
だからこその救済措置の敗者復活戦か。これも難しい塩梅だよなぁ……決勝トーナメントは4体で戦うとなると、タイマンとバトルロイヤルの間位で丁度良いだろう。最終戦は1対1のタイマンになるだろうけど、そこまで行けばタイマン仕様と集団戦仕様のどっちでも勝つ可能性はあるだろう。この調整をするのはマジで難しいよなぁ……運営さんは凄いよ。僕の言い分を聞いてくれたり、決勝の形式も変えてくれたり……いや分かってますよ?こうなったのもクオンの……いや、僕のせいだって事は分かってるんだよ。ほんとごめんなさい……
「まぁでもそれはそれ。これはこれで……やっちゃえクオン!」
「はい。クオンやっちゃいます」
いやぁ……流石クオン。ちゃんと相手の弱点を探しだしてそこを突いてるみたいで1撃目は斧部分で装甲を破壊し、2撃目は槍で突いて決めるみたいな戦闘にスマートさを感じる。しっかり残心も忘れないからカッコいいねぇ
「おっ!まさかやるのか!」
クオンがアイアンプライドのロボットゴーレムに向かって進み、隣に居たゴーレムをしっかり2撃で倒す。そして残心
『そこぉ!』
これでもかと一体倒して残心。一体倒して残心。と見せつけていたクオンが相手の攻撃が届きそうな範囲で攻勢に出た。相手も【マナリーク】のせいもあって実体剣の巨大な刀を持ち、魔力を節約しながら戦闘していたみたいだけど、ここで一番邪魔であろうクオンが攻撃が届く範囲で「隙」を晒している。となれば、追い詰められた局面でやるのは1つだ
「待ってましたよ。その攻撃」
ジャンプで刀の振り払いを回避して、そのまま刀を持つ右手首へ形状を変え、深淵を纏った刀と化した如意・暴で一刀両断する。あの手首の稼働的にも、結構精密に動かす為に色々ありそうだし、そこまで装甲も厚くなかったのだろう
「では」
そして自分はあくまでもサポートだと言わんばかりに余裕で追撃出来る状態なのに退いた
『あんがとよ!オラオラ行くぜぇ!』
切り落とした手首に攻撃を仕掛ける人形ゴーレム。的確に弱そうな所を攻撃しに行くなぁ?中々良い性格してるよ
『だぁクソ!コイツは決勝まで隠し玉にしておくつもりだったのによぉ!』
リベンジしたいゴーレム達に纏わりつかれて終わりだと思ってたアイアンプライドのロボットゴーレムから光が漏れる
『アイアンハート起動!』
『『なっ!?』』
装甲がガランガランと剥がれ落ち、一回りスリムな形態のロボットが現れた。ほぉ……空に浮かぶか
『オラァ!』
『な、なんのひかr……』
腕からビームソードの様な物が現れて、周りに居たリベンジしたいゴーレム達が全員切り裂かれた。凄い切れ味だ
『時間もねぇ!このままお前らも消えろぉ!』
『ぐっ、止められなっ……』
畑ゴーレムも足から伸びたビームソードでバラバラにされてしまった。あの出力……そして起動って言ってたし、予備か決める時用の最終武装を引き出せたと言って良いだろう。アレを倒せないと決勝は無理だ。にしても、カッコいいなぁ?飛んでるのにも結構推進力が必要そうだし、ここまで出し渋ってた所を見るに、燃費も良くないんだろう。まぁ、強い武装は燃費が悪くてなんぼと言っても良い。やっぱり一撃の威力は高めたいよねぇ
『最後だ!沈めェ!』
「マスター。ここだと思います」
「あぁ、僕もそう思うよ。第三段階。解放」
クオンも使うなら今だと思ったのだろう。攻撃を喰らってから発動ではダメだ。このタイミングで使う事に意味がある




