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疼くプランナー

『なっ……どういう事だ?』

「おぉ、ホクホクです。では頂きます」

 周りにゴーレムが沢山居る状態で蒸かしたジャガイモを食べるクオン。ホントなんだこの状況……


「これは本当にジャガイモですか?サツマイモの様な甘みをほのかに感じますが、しつこくなく、ここにはありませんがバターなんかがあると更なる旨味があると想像出来ます。これをスライスして揚げれば絶品なポテトチップスになるでしょうし、スティック状に切れば極旨なフライドポテトにもなるでしょう。これは様々な料理に活かされるべき食材です。この畑で取れた食材を活かしてカレーを作れたら……私のお友達も喜んでくれるでしょうか?」

『生産者としてこんなに嬉しい事は無いわ……』

「いやぁ、カレー食べたいなぁ……」

 これは帰ったらカレー作りとか頑張るのもアリだな……


「まぁ、ゴーレム達には効かないんだろうけど、中の人にはこれは効くぜぇ?」

 今クオンは飯テロっぽい事をやっている。食事が出来ないゴーレムにとって今のクオンがやっている事を見ても何とも思わないのかもしれないけど、それを操縦している人にとっては効くだろう。まぁ、別にそれはどうでも良いんだけど、こうする事でこの場で畑ゴーレムは一旦仲間に引き込む事が出来るだろう。まぁ、仲間に出来なくてもこのイベント後に食材を融通してもらえるかもしれないし、この繋がりを強化するのは良いと思う。あっちの鍛冶師達の方は……別にこのままでも良いだろう。武器より飯だ


「ご馳走様でした。それでは戦闘を開始しますか?」

 この状況で戦闘を開始すると言ったら畑ゴーレムはこっち側判定されると思うけど……そこはどう考えてるんだろうか?


『もし戦うなら一時的にだけど、貴方に手を貸すわ』

「なるほど……」

 これクオン的には全員同時に相手にしても良いって事だろうなぁ……でもこのタイミングで一旦の仲間が得られるのは大きいかも


「最終的には全員倒さないといけませんが、途中まで手を組むというのはアリですね。現に皆様はクオンを倒す為に手を組んでいますし」

 そう、別に手を組むのは悪い事じゃない。誰か一人しか勝ち上がれないけど、そこに至るまでに効率良く相手を倒す為に協力する。そういった事が起きるのがバトルロイヤルだろう。というか、それがバトルロイヤルの華という説があると言っても良い。高所の有利な場所に陣取った相手を倒す為に連絡は無くとも1方向から攻撃が開始されたら、他の人達が便乗して攻撃する様に言葉が無くてもその場の連携なんて起きたりする物だ。それが会話可能ともなれば、手を組むのは必然と言っても良いんじゃないかな?


『ちょっと待ったー!』

「む?」

『何?』

『なんだ?』

 今から戦闘が始まりそうとなったその時、何処からか声が聞こえて来た


『お前達、アイアンプライドと戦うんだよな!俺らも一枚噛ませてくれ!』

 なんだ……いきなり鎧を着た猫の人形みたいなのがやって来たぞ……


「失礼ですが、どちら様でしょう?」

『俺らは服飾系の生産職が集まったチームチェンジコロモンだ!』

 チェンジコロモン……ころもチェンジ……あ、衣替え?


『そこのアイアンプライドの奴らには一回負けたけど、絶対良い物を作れてはいるんだ!絶対にリベンジしてやる!アイツらに勝てればその先はどうでも良い!』

 なるほど、こういう私情の持ち込みは大歓迎だ。別に戦力差はクオンにとってどうでも良いだろうけど、クオン対その他ってなるよりは、少数でも良いからキチンと他の人にも対立の構造があって、そこから戦闘ってなった方が観客には応援する気持ちが芽生える。イベントには参加してなくても、試合を見ている生産職とかにも今回の敗者復活での人気投票的な事に参加は出来るだろう。そうなった時に、少数だとしても、自分達と同じ職の人だからとか、不利な方だからとかなんでも良い。応援する理由が生まれれば、誰が上がれるか分からなくて楽しいだろう


「クオン。ちょっとだけ出しゃばっても良いかな?」

「分かりました」

 クオンがまた僕の姿を映し出す。これは他の人にもそういうチャンスを広める時だろう


「やぁやぁ、また出てきましたよ。なんか面白そうな事になってるじゃないですかぁ!因縁ある対決。僕そういうの大好きです。そちらで肩を並べて戦ってる人の中にも、実は負けてる相手が居てもう一回戦って倒したいなんて思ってる人も居らっしゃるんじゃないですかね?ならその思いはぶつけるべきでは?勿論、そういう相手が既に倒れてしまったって事ならそれは全部ウチのクオンがお相手を引き受けますよ。因縁を晴らしても、どうせその先にウチのクオンが待っているだけです。そうですねぇ……もし、そういった因縁とか全て終わった後でクオンと皆様が戦うとなったら、クオンには何かしらの縛りを付けましょう!そうだなぁ……魔法限定か、魔法禁止で如何でしょう?」

 攻撃方法の限定。僕の出しゃばりでクオンが許せる範囲を考えればこれが譲歩出来る最大限かな?



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― 新着の感想 ―
[良い点] 2巻読みました。 ダイコーンさんがイメージより大柄で、キリキリ姉妹が想像よりメスガキ強めでした。というかキリキリ姉妹だけ画風がちげぇぜ。もっと姉は大人なアバターイメージだった。 そして…
[良い点] ダイレクト飯テロアタック。これは効く。 2巻届いたぜやったぜ。
[一言] くそっ!今日の昼飯はカレーライスだ! と言うか、なかなか楽しい事になってるじゃないですか~?これは魔王ハチくん様のでばんですねえw しかも、鍛錬縛り付きだー!どうなるクオンくん!?
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