逆襲の一撃
「これなら武器として充分に使えます。魔力を込めれば伸ばす事も出来ますし、後は【インフェルノ】」
【魔爪】によって生まれた刀身が獄炎色に変わる。こういう本番での一発勝負みたいな場面でしっかり成功させる所も素晴らしい。これなら武器としては大剣だけど、重さはそこまで無いだろうから振り回す時にも素早く振り回せそうだ
「魔力消費もこの位なら使えますね。アンチノミーユニットとの併用等を考えなければ戦っていけそうです」
高速戦闘で使うとなると、消耗がデカいのか一度使用して終わりじゃなくて常時使用し続けるタイプかの違いって所かな?
「うーん、戦闘時に僕らの魔力の受け渡しとか出来ればその辺の問題も解決出来そうな気がするんだけどなぁ……まぁ、一瞬斥力を使って避けるとか位なら大丈夫かな?」
魔力リンクみたいな機能があれば僕が使ってない間はクオンに魔力を回せるとかだとこういう問題は解決出来そうだよな……イベントが終わったらちょっとその辺何とかなるか方法を探してみるのも良いかな?
「一瞬の展開……そうですね。この剣を常時展開する必要はありません!敵を斬る。その瞬間に発動すれば
低燃費で攻撃力と機動性を両立出来ますね!」
「あれぇ?」
そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ……でも、まぁ確かにそれが一番良いか!
「オッケー頑張れ!瞬間的に展開出来れば不意打ちにも使えて丁度良いし」
リーチを誤認させる攻撃は本当に厄介だからなぁ……それにクオンの場合はただのリーチ誤認だけじゃなく、引力と斥力によって相手との距離自体を変える事も出来るから本当に今のクオンの攻撃を止めるのは僕も100%出来るとは言い切れなくなったな……急いでも良い事はあまり無いけど、失った深淵を取り戻すのもある程度急ぐ必要も出てきたのかもしれない。あの時の見つけた物が多分僕を更に一歩先に進む為に必要な物だと思うんだよなぁ……
「はい。失敗したとしても、これは良い経験だった。ですよね?」
「そうそう。まずは何事も試してみる!それで上手く行けばラッキー。ダメだったら改善案を考えれば良い。今のクオンは失敗しても何の問題も無いよ。例え負けてもそれは僕のせいにする様に仕向けたし、クオンの成長の為には幾らでも泥を被るよ。泥を被って泥パックでお肌ピチピチだ!」
冗談交じりで話をする。クオンには失敗を恐れずに何事にも挑戦して欲しい
「分かりました。ではもう一度戦闘してきます!」
「その意気だ!頑張れー!」
今の僕にはクオンが戦っている所を見ている事しか出来ない。だからこそ、今試してみたい事を失敗する事への遠慮とか迷いがあるならそれを断ち切る後押しをしてあげよう
『居たぞ!やれ!』
「【斬光・炎】」
クオンが敵集団の前に現れ、攻撃命令を出しているが、どうやらクオンはさっきの魔法の複合を新しく名前を付けたみたいだ。さっきの【魔爪】よりも刀身のデザインが洗練されている。無駄なくリーチも長く、そして切れ味も目の前に居たゴーレムの盾を真っ二つにして、その胴体にまでしっかりと光刃が届いている所を見ると、武器として一級品と扱って良いだろう
「これなら、やれます」
クオンが光の大剣を振るい、自身よりも巨大なゴーレムを相手にしても全く引かずに戦闘出来ている。威力と機動力がある小柄なクオンを相手に、巨大で鈍重なゴーレムが近接戦闘を行っても追いつける訳も無く、距離を取って射撃する位しか出来ないと言っても良い。いつの間にかクオンも如意・暴の両端に旋閃・崩壊を付けて両刃剣にしたり、如意・暴を小さくして、旋閃・崩壊ウィップの先端に仕込む形で、蛇腹剣の様にしたり、明らかに扱うのに技量が必要そうな武器……だけど、扱えるならカッコいい部類の武器を使ってゴーレム達をバラしていく。相手の実弾系の攻撃も両刃剣状態でクルクル回してガードするとかやって見せてたし、案外余裕でも出てきたのかな?
「では、そろそろあのリーダー格をっ……」
「どうしたのクオン!」
周りのゴーレムを倒して、あのスピーカーで喋るロボットゴーレムに向かおうとしたタイミングで、急に視点が左にぶっ飛んだ。何が起きた?
「クオン!大丈夫?」
「問題、ありません。この位の損傷はすぐに直します」
射撃による攻撃か。クオンが吹き飛ばされて、廃墟の建物の中に飛ばされた事で、多分追撃は起こらないとは思うが、崩落の危険性があるから即座に移動をしてもらおう
「失念していました。万全な状態であれば、魔力供給は充分にありますが、このような状態の時は身体修復の方にリソースが割かれるので、攻撃の最中に魔力切れを起こす可能性があります。この武装状態は現状の回復リソースが魔力から体力に比重が多くなっている為、少し消耗が多いです」
そっか……今この場で生み出した武器だし、そういう事もあるか……にしても、クオンに対して1発入れた奴は結構なステルス性能と狙撃性能があるみたいだ。このタイミングで攻撃してくる辺り、やるじゃないの……
「マスター。修復速度を上げたいので、一度リミッターを1段階に戻してください」
「分かった。ただ、【変異武装】を使って周囲警戒を怠らない様に」
これはまだやり手が隠れているかもしれないぞ?




