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紫スープ

「さぁ、出来たぜ?俺が集めた食材の中でもかなりのイロモノを合わせたスペシャルだ!」

 コトンッとカウンターに置かれたのは紫色でプルプルというかドロドロというか……とにかくとろみのある液体(スープ)


「うおっ……」

「俺は普通のパンと肉で良いわ……」

 ダイコーンさんは僕の前に出てきた紫色の物体を見て、確実に大丈夫な物を注文する。いやぁ……想定よりもヤバそうな物出てきたなぁ?


「さぁ!どんな味がするか味見を頼むぜ?」

 見るからにヤバそうなスープ。ええい!見た目が全てじゃない!


「いざっ!」

 スプーンで液体を掬い、一口食べる


「……」

「ど、どうだ?」

「大丈夫か?」

 僕が何も言わないから心配になる2人。ダイコーンさんは世紀末系で店主さんは浅黒い肌のコックさんで中華鍋とかを片手で振るえそうな感じの言ってしまえばムキムキのおじさん2人に心配されているシロクマという異空間が広がっていた


「うぅ……ご飯が欲しい!」

「「は?」」

「見た目はアレですけどこれめっちゃ美味しいカレーですよ!?ほら」

 紫色でとろみのある液体だと見た目のインパクトが凄すぎて手が出せない人は多いだろうけど、これは様々なスパイスとか隠し味によって深い味わいになったカレーのような味がする。これはご飯が欲しくなる


「じゃあ一口……おっ、本当にカレーの味だ!これは確かに米が欲しくなるな?」

「おぉ……ここまで深い味わいになるのか!うわぁ!米欲しい!」

 2人ともスープを一口食べて米が欲しいと思っているみたいだ。店主さんも米が欲しいと思っているという事は米はまだ見つかっていないんだろうか?


「おぉ!パンに塗ればかなり美味いぞ!」

「店主さん!僕にもパン下さい!」

「俺もパン使わせてくれ」

 紫のカレーの味がする液体を皆でパンに塗り、カレーパン?にして食べる


「うめぇ!」「うまーっ!」

 見た目は悪いけどかなり美味い。これは止まらなくなる……




「無くなっちゃった……」

「あぁ、すまない。美味くてドンドン使ってしまった」

「悪い……」

 3人でカレーパンにして食べていた紫スープが無くなってしまい、若干微妙な雰囲気になる


「美味しかったけど……これを売るとなると見た目がマイナスポイント過ぎるのが問題ですね……」

 この空気を打開する為に改善ポイントを挙げる。色が赤とかならもう少し受け入れられるかなぁ?


「確かに、美味いがこの色が気になる人は多いだろうな……」

「そういえば普通に食べていたが、君はこういう料理に抵抗は無いのか?」

「完全に無いと言えば嘘になりますけど、食べられそうなら食べてみたいって感じですかね?」

 お金が無いから好き嫌いとか言うほどの自由は無い。というか自然にある食べられる物を合わせているのなら基本は食べられる物が出来るハズだし、後は味がどうかの問題だけだと思う。そういう所を確かめる為には抵抗しても仕方が無いし、食べるって感じかな?


「おい、コイツ中々才能あるぞ?」

「だろ?」

 何コソコソ話しているんだ?


「とりあえず評価としてはかなり美味しいかったけどお店で出すのはちょっと……って感じですかね?」

「まぁそのくらいの評価が妥当だろうな?普通のカレーが作れたらこんな見た目である必要は無いし」

「俺の店で出したら間違いなく売れないだろうな」

 味が良くても見た目が悪いだけで敬遠されてしまうというのは勿体無い事だけどお店で出す事を考えると確かにあれはイメージが悪すぎる


「ここだけの隠しメニューくらいが丁度良いんじゃないですかね?」

「確かに、知ってる奴だけの隠しメニューが丁度良いな?米が入手出来たら真っ先に持って来るさ」

「それはありがたい。今や最前線プレイヤーだしな?」

「よしてくれ、俺がフォーシアスに行けたのはこの人のお陰なんだ」

「「えっ!?」」

 それ初耳ですけど?


「何で君まで驚いてるんだ……」

「初めて聞いたんで……」

 店主さんと驚いていたけど……ダイコーンさんって最前線プレイヤーだったのか


「君があの時呼んでくれなかったら俺はセカンドジョブに就くのはもっと遅かっただろうし、あの姉妹と一緒にボスに行く事も無かっただろう。全て君が居なければ出来なかった事だ。だが、君の許可無しに君の事を広めるのはきっと良くないと思って黙っていたが……」

「あぁ、面倒事が増えそうなんで黙っていてくれた方が良いですね」

 別に僕がやった事だから僕を褒めろとは言わないし、そんな事言った所で何か面倒な人に絡まれそうだから黙っていてくれた方が助かる


「君ならそう言うだろうと思ったよ。分かった、これからも黙っておく。ホフマンも彼の事は黙っていてくれよ?」

 ダイコーンさんが店主、ホフマンさんにお金を渡す。今回の紫カレーの代金と口止め料という事だろうか?


「まぁそれは当然だな。それに食に対する探究心もある気がするからもし何か美味そうな物とか見つかったら出来れば俺にも分けてくれないか?ちゃんと報酬も払うから」

「僕に見つけられるか分からないですけど、ちょっと厨房見させてもらっても良いですか?まずどんな物があるのか知りたいです」

 食材を見つけたとしても既にある物だったら「あ、それもうあります」ってなったら悲しいし、どんな物があるのか分かれば食材を見つけた時にこれ無かったな?って分かるだろう。まぁ料理人の厨房が見たいって言うのが一番の理由だけどね


「あぁ、良いぜ?俺の城に招待しよう」

 そして料理人の厨房()に入れてもらった



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― 新着の感想 ―
[一言] グリーンカレーも、ブルーカレーも、イエローカレーも、レッドカレーもピンクカレーも、ブルーカレーも、ホワイトカレーも、フルーツが入ってるカレーも 実際にあるんだからパープルカレーがあったってい…
[一言] グリーンカレーがあるんだし普通にパープルカレーで売れば売れると思うんですけどねー 紫の食材だって現実にも色々あるんだし行ける行ける
[一言] 紫のカレーと言えばハスカップカレーというものが…
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