色んな機体
「おっ?もしかしてこれ、リアルタイムで他の戦闘している所が見れるのかな?」
通された空間には僕達だけだが、モニターがあり、その隣に説明書きで、負けてしまった方々限定にはなりますが、敗者復活により復活する可能性を上げる為に先に負けたチームの方から現在行われている試合を見る事が可能になっています。と書かれていた
「色々な方々の戦闘が見れますね」
「なるほどね……」
つまり、バトルロイヤルをやるにしても、その中でも実力がある人達とそうでない人達に分かれてしまうのは仕方がない話だろう。だが、情報があればその差をひっくり返す事も不可能ではない……これは初戦で負けてしまった人達の機体の事を知っているのはその対戦相手のみで、他の1度でも勝ち上がった人は既に負けた人達に手の内を既に見られていても不思議じゃないって話か。となると、バトルロイヤル自体は初戦に負けた人達の方が情報アドバンテージがあると……
「情報と実力か……これはどうかな?僕らの手札は魔法がちょっと出したのと、あとは一刀で切り伏せた位……あとドリルのランスもかな?」
一応、クオンの戦闘で人に見られるとしたらそのくらいだろう。見ただけでクオンの斥力ガードをしてるかどうかまでは流石に判断は出来ないと思う。だからこのタイミングでトーナメントから退けたのは割とデカいのでは?
「とりあえずクオンの情報はちょっとしか漏れてないだろうし、全然問題無いか」
情報は戦闘能力の1つと言っても過言ではないと思う。だからこそ諜報が重宝……大事な事だと思う。戦う相手の戦闘能力は過大評価する位が丁度良いだろうし、偽の情報をどれだけ掴ませられるか。僕の場合はもう大分知られてしまってるから難しいだろうけど、今のクオンなら幾らでも偽装とか出来るだろう
「何かアドバイスとかありますか?」
「そうだね。あえて何か癖みたいな物でも付けておこうか」
「癖……ですか?」
「そうそう。例えばだけど、1体倒した後は一度立ち止まるとか、戦闘時間が〇秒以上経ったら一度敵から離れるとか、一撃で倒せなかったら少し隙を見せるフリをするとか、武器を振り抜いた後は残心をするとか。そういった癖を相手に見せておいて、何度かやる事で相手に刷り込むんだ。そうすれば、賢い人ならその癖の瞬間を狙って攻撃してくるだろうから、そこにカウンターの一撃をお見舞いするとか良いかもね」
格ゲーとかでもよくある相手の癖を見抜いて、反撃するのと一緒だ
「カウンター……」
「まぁ、クオンの場合は能力があるから先制攻撃で先に壊滅させてしまっても良いかもしれないけど」
僕とクオンの決定的な違いは武装の有無。攻撃する場合の威力が落ちないリーチが圧倒的にクオンの方が長いからこそ、僕のコピーではない戦闘スタイルが取れる。これに関しては僕が教えられる事はあんまりないかもしれないけど、そのリーチを活かした先制攻撃は非常に強力だろう
「クオンには魔法も射撃もある。相手が認識するよりも先に攻撃を仕掛ける事だって出来るでしょ?」
「可能ではあります」
「なら僕と一緒にやらなかった攻撃方法だってやってみたって良いんだよ。どっちにしろクオンがどう考えるか。戦場ではそれが何よりも大事だから……これ1つでやっていくと何か1つを極めても良いだろうし、豊富な手段を用いて目標を達成する為にどんな手段でも使っていく。とにかく貪欲な方法だって良いんだ。クオンの現在の能力なら何が出来るのかをしっかり認識して活用する。そこに意識を集中してみて」
映像を見ている限り、そろそろトーナメントが終了してもおかしくない。クオンはどういう選択をするのか選べる様に選択肢は用意してみたつもりだ
「……分かりました。マスターに色々教えていただいた事や、今まで自分が学んだ事を活かして戦いに臨みたいと思います。となるとやはり……」
おっ?なんだなんだ?何か考えてるみたいだなぁ
「活躍を楽しみにしてるよ。さて、相手の確認をしておこう」
残り時間は短いけど、しっかり確認しておこう
「やっぱりと言うべきか、チームの規模が大きく成ればなるほど機体もデカいな……」
関わる人が多ければ、勿論使われる資材も多くなる。資材が多くなれば機体も大きくなる。これは自然な事だ。鎧武者みたいな4本腕に剣を持ってる巨大な奴も居れば、ケンタウロスよろしく下半身が馬みたいな形状の奴も居る。わぁお、下半身は戦車みたいだけど、上半身は人型だ。やられ千葉ァ……は関係ないか。にしても意外と二足歩行系以外にも居るんだなぁ
「あぁ、そうか。基本的に地上戦だし移動速度を上げる為の工夫としてああいうのが居るのか」
巨大ロボの激突と言っても良い大規模チームの戦闘を見ていれば、皆機体がデカいから重量も凄いだろうし、ジャンプとかも難しそうだ。これは意外と付け入る隙がありそうだな
「そう考えると、意外と中規模チームも勝つ可能性あるな」
資材や技術をただ投入したから勝てると言う物ではない。中小企業が特許を取れる技術を得たりする様に、中規模チームの中にも逆にジャンプ性能が凄く高いうさぎみたいな奴も居れば、多分僕が手を貸した飛行船と同じ様にジェット機構で空を飛ぶプテラノドンみたいな奴も居る。いやはやこれは誰が来ても面白いぞ!




