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154/2016

ギャンブルご飯

 セカンドラ近くまでやって来て、人目の無い所でダイコーンさんのバイクにMPを注入する


「とりあえず魔力タンクにMPを最大まで入れておきますね?」

「結構MPを喰うから最大まで入れてくれるのはとても助かる……というか最大まで入れられるんだな……」

 ダイコーンさんのバイクに付いている魔力タンクは凡そ1万MP程入る。めちゃめちゃ大容量だ……だけど自動MP回復と修道服に着替えて祈りも使えばMP回復量はかなりの物で、バイクにMPを入れて回復してまたバイクに入れてと繰り返し、20分くらいでバイクを満タンに出来た。完全にガソリンスタンドだ僕……


「ふぅ、やっぱり回復があるとはいえ、結構時間掛かっちゃったなぁ?」

「本当に満タンまで……恩に着る!」

 ダイコーンさんが頭を下げるけどとりあえずこれからセカンドラの街に入る為、シロクマコスチュームに着替え直す。これで僕は顔の見えないシスターからダイコーンさんの召喚獣としてセカンドラの街に堂々と入れる


「くきゅる~」

「なんだ?腹減ってたのか?じゃあ街で飯喰わせてやるよ!満タンにしてもらった礼もあるしな?」

 空腹度が限界だとお腹が鳴るのか……これは恥ずかしい……


「お願いします……」

 恥ずかしいけど何だかんだ言って初めての街でのご飯かな?というか召喚獣(のフリ)でも入れるお店があるのか




 門を特に問題も無く突破し、セカンドラの街に入る。改めて見ると色んな所でトンテンカンと鉄を打つような音が聞こえてくるし、武器や防具のお店もいっぱいだ。僕が立ち寄る事はほぼ無いだろうけど……


「あの店なら召喚獣と一緒でも喰える店だからあの店で良いか?」

 ダイコーンさんが指差した店の看板はクロスしたフォークとナイフの上にハンバーグの様な料理っぽいデザインの看板。シンプルだけどご飯屋さんだと分かる良い看板だ


「ベア(はい)」

 僕もシロクマモードでベアベア言いながらダイコーンさんに着いていく


「この店は俺の知り合いがやってる店なんだが、ファステリアスで繁盛してそっちの店は大人気になったんだが、この店は試作品を作って売る。所謂、試験場みたいな店なんだ。だから普通は当たりの日もあればハズレの日もあるとてもギャンブルな店なんだが……知り合いって事でファステリアスでも出してる美味い飯を作ってもらおうって魂胆さ」

「ベアベアー?(味の探究者って奴ですかね?)」


 組み合わせが必ずしも良いとは分からないからこういうお店で試して反応を見る。成功したら本店で出して、失敗したらこの店で封印する……的な?興味本位じゃなかったら絶対寄らないタイプのお店だな……


「ベーアベアベアー?(まぁ現実では無い食材とかもありそうですし、実験してみないと何が美味しいのかとかは分からないとかは有るかもしれませんね?)」

 それを売っちゃうのはどうかと思うけど……


「ははは(マズかったらどうマズかったのか聞き取りして報酬を払うし、美味かったらその美味さに見合うと思った金額を出してくれって感じでやってるんだよ)」

 なるほど、甘過ぎるとか味が乗ってないとかならそこを修正すると美味しくなるかもしれないという情報を得られるし、美味しかったら自分ならこのくらいで買う。という目安が分かる。そういう条件だったら美味しくなくても文句は無いだろう。何より試験場としてならそもそも儲けとか考えてないんだろうなぁ?


「ベアー(なるほど、面白い人ですね?)」

「違いねぇ」

 ダイコーンさんとその店に入る。そういえば看板は出てたけど店の名前は無かったな……そう思うと若干不安になってきたぞ?


「いらっしゃい……おぉ?ダイコーンじゃねーか。どうした?何か食いに来たのか?」

「ちょっと恩人が腹を空かせてるからな。美味い飯を頼む」

「ベア」

 お辞儀をする。ダイコーンさんの知り合いだし、礼儀正しくしよう


「は?シロクマ?コイツが恩人なのか?」

「事情は話しても良いか?」

「ベア(はい、どうぞ)」

 まぁ事情説明をしないとご飯も何も分からないだろう。これで熊だと思われて生肉とか出されても困るし……


「色々と事情があって俺の召喚獣のフリをしている。でもここなら別に脱いでも大丈夫じゃないか?」

「それもそうですね?じゃあちょっと脱ぎますね?」

 別にシロクマのままでも食べられるけどローブの方が良いか


「あっ!へっ!?イベントの時の……オッケー理解した。シロクマの恰好に戻ってくれ、見られたら困るんだろ?」

「分かりました。じゃあ着ます」

 店主さんは僕の事をイベントの時に見たみたいだ。何か色々察してシロクマの恰好に戻る様に言ってくる


「そうか……いや、君の番狂わせで観客が沸いて商売が上手くいって俺も恩を感じているんだ。イベントが終わった後で君の話をしながら商品を買っていく人とかも多くてね。あれのお陰でリピーターとかも増えて店も大きく出来てな?君には感謝してるんだ。良いぜ、今回は試作品じゃ無くて普通のを出してやるよ」

 なんか僕の知らない所で店主さんに感謝されてるけど……案外普通のご飯より実験飯?と言うのも食べてみたいと思うのもまた事実


「あー、それなんですけど……せっかくなら試作品の方をお願いしても?」

「おい、止めとけって!外れた時はマジでヤバいぞ?」

「それも楽しむのがこの店なんじゃ無いんですか?」

 ダイコーンさんに止められるけど、こういうギャンブル要素のあるご飯も現実じゃそんなに食べられないだろう。何事も経験って奴だ


「ほう?中々分かってるじゃないか!それじゃあ俺もまだ味見してないとっておきのスペシャルの感想を聞かせてくれ!」

 それって料理人としてどうなんだろうか?まずは自分で味見をする物では?


「今、自分で味見するのが先だろ?って考えただろ?」

 エスパーかな?


「えっと……まぁ」

「そう考えるのも当然だな。だが、当たりかハズレか俺が分かったら面白くないだろう?」

「その気持ちが分かってしまう僕に拒否権はもうありませんね……そのスペシャルな奴。お願いします!」

 ギャンブル料理を出すのに自分が先に味見をしてしまったらどんな味か分かってしまう。それは確かに面白くない。美味いかマズいか運試しだ!



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公の会話がほぼ疑問文。 ありきたりな、外野の諦め。 と言うかそこまで呆れるようなことしてないので違和感が酷い。
[気になる点] くきゅる〜って誰のセリフだろ?
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