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大きな力

「確かに僕自身が一度消えてしまって再構成されてるとか聞くと、失敗したらそのまま僕は消えてしまう可能性が高いですね……この方面に強化しない方が良い……って言われたら、ちょっと行く先を変えれば充分使えるって事ですね!」

「「は?」」

「瞬間的な移動だったから僕自身も消えちゃって危険って事なら、邪魔な物から距離の概念を外して、僕の邪魔をする物を消しながら歩く位にすればいざって時に役に立つ力になるかも!」

 全てを消す。その中に僕も入ってしまう程考え過ぎるのではなく、僕の歩みを止める物は全部消して、そのまま歩ける様にすればいい。死神マフラーの【幽玄なる歩み】の歩けばノックバック無効みたいな感じで、歩いて邪魔する物は消滅というか、強化されたフィフスターよろしく抉り取る。どっちも今僕の手持ちにあるからイメージは凄くしやすいぞ!


「あ、逆に僕自身の当たり判定みたいな概念を消して、すり抜けるのも良いんじゃないか?いやぁ、でもそっちは流石に調整をミスったらヤバい事になっちゃうか……自分を消す方向性は止めておいた方が良いってさっき言われたし、今は周りを抉り取る方を強化していこう」

「おい、今はって言ったぞ?」

「警告は一応は聞いてるみたいだけど……これまた面白い進化しようとしてるねぇ?」

 自分の周囲を深淵で纏って、その深淵が周囲の物を抉り取るって感じかな。んー、だとすると、真っ黒な深淵じゃなくて、周囲が見える半透明な深淵が必要になるかな?透明な深淵って言葉としてガッツリ矛盾してそうだけど……やってみるしかないでしょう!


「うーん、まずは深淵を纏って……深淵の色ってそもそも変えられるのか?」

 深淵にも通常の黒深淵と弱点になっちゃうけどより強力な赤深淵があるし、透明な深淵があっても不思議では無いよなぁ……


「これは今まで以上に難しい事をする事になるかな……」

 深淵の更なる性質変化か……でもこれが出来る様になれば僕の深淵操作能力は更に向上するかもしれない


「あの、一つ思いついた事があるんですけど、ちょっと話を聞いてもらえます?」

「おっ?なんだい?今度は何をするつもりだい!?」

 すっごいワクワクしてる所申し訳ないけど、多分これを聞いたらニャラ様とかあんまり良い反応し無さそうなんだよなぁ……


「先に言っておきます。話は最後まで聞いてくださいね?」

「良いよ。聞こうじゃないか~」

 よし、じゃあ言ってみますか!


「僕、この深淵を一度捨てようかと思います」

「いや、いやいやいや、いやいやいやいやいや。ハチ君。冗談は止めてくれよ?そんなつまらない事をするのはダメだよ。面白くないよ。笑えないよ。なぁ?そんなつまらない事を考えるんじゃないよ。消したくなっちゃうよ?」

 滅茶苦茶キレてるなぁ?


「だから話は最後まで聞いてって言ってるじゃないですか。僕の深淵は元々アビス様から貰った種を育てて今の深淵があると考えています」

 僕の深淵が使える様になったと言っても、多分欠片位はアビス様の深淵が混じっていても不思議ではないと思う。自分の深淵が使える様になった後も【アビスフォーム】を使った事もあるし


「今のこの深淵は確かに僕の意思で自由自在に動かせます。でも、僕はまだ深淵の先を見てみたい。貰い物の今を全て捨て去って、全く新しい深淵を自身で生み出す事が出来れば、僕は更なる一歩踏み出せる気がするんです」

 今回のクオンの武器を作る一件で思った事だ。この深淵は言ってしまえばユニーク装備と同じだろう。だからこそ、本当に自作の深淵を生み出して強化する事で壁は壊せる気がする。今の深淵を更に強化する手段は他にもあると思う。でも、僕に必要な深淵はこの道じゃない気がする


「捨て去るって実際どうする気なんだい?ハチ君の深淵を何処に捨てようって言うんだい」

「はい、捨てるって言うとそういう問題になってしまいますね。なので、僕の深淵を全て譲渡したいんです」

「誰に……なるほど。そう言う事か!ほうほうほう!それはちょっと話が変わって来るねぇ!」

 今ここには、力を付けたい者と、先に進む為に力を捨てたい者が居る……


「はい、クオンを最初に生み出す時に僕の血肉と深淵を素材として生み出しています。なので、僕の深淵と相性が悪い訳が無い。それに、アビス様の深淵を使う【アビスフォーム】の存在も深淵の譲渡の可能性を示していると僕は考えています。大きな力は一度持つと手放せない。でも、手放した時にその力の重要性を再確認して、取り戻した時に以前よりも有効に使えると思うんです」

 力の重要性の再確認。これってかなり大事な事だと思う


「得た力を一度手放す……その考えは無かった!おーいアビス!一旦中止だ!」

「む?なんだ。こっちはまだ感覚が掴めずに居るのだが」

「そんなの今はどうでも良いの!ハチ君が更なる進化をする為に一度深淵を捨てるんだから!」

「何?何故そんな話に……」

 また話すのも面倒だし、クオン達との距離も元に戻った


「クオン。深淵の扱いが難しい?」

「はい。何とか操作しようとしているのですが、何となく総量が足りない様な気がします」

「そうかそうか。なら、僕の深淵を全部受け取れ!」

 クオンの手を握り、深淵をクオンに送り込むイメージで放出していく。おっ?結構ノリでやってみたけど、これが正解だったか?



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― 新着の感想 ―
[良い点] ヤればデキる!の精神でここまできたかぁ…。
[一言] >「クオン。深淵の扱いが難しい?」 >「はい。何とか操作しようとしているのですが、何となく総量が足りない様な気がします」 >「そうかそうか。なら、僕の深淵を全部受け取れ!」 >クオンの手を握…
[一言] これ、アビス様からしたら 『自分の推しが自分(の深淵)から突然の卒業宣言』で草ァ
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