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152/2002

魔樹の苗木

「ふぅ、あっ結構空腹度減ってる……」

 教会の天井付近で目を覚ます。梁の所で1泊させてもらったから邪魔にはなってないハズだ。そういえば色々クエスト頑張ってた間にご飯とか食べてなかったな?何か食材を探しておかないとなぁ……


「おはよう。泊めてくれてありがとうね?」

「いえいえ、旅人は丸3日寝る事もあると聞きますし、このくらいお安い御用です」

 ミリアさんが居たので降りて挨拶をする。あっそうだ


「ねぇねぇ?これ要る?」

「ん?これは何ですか?」

 ミリアさんに魔樹の苗木を見せる。小っちゃい苗木だけどほんの少しだけ動いているかな?


「魔樹の苗木って物でトレントから取れたんだけど……ここみたいな神聖な場所だったら良いトレントが育つんじゃないかなぁって……」

 神聖な場所で育てば暴れるトレントじゃなくて心優しいトレントに成長するんじゃないかと思ってこの苗木を教会に渡そうと考えた


「なるほど…やってみても…良いんじゃないでしょうか?」

 メリアさんだ。うん、ミリアさんが眼帯を着けているお陰で顔が似ていてもすぐに見分けが付く。我ながらファインプレーだな?


「ここで…トレントを育てるなら…皆で育てましょう」

「分かりました!裏庭に植えれば良いでしょうか?」

「裏庭なら、私も行けますね」

 モニクが苗木を僕から受け取り、裏庭に持っていく。一緒に行ってみよう


 教会の裏庭。若干雑草が茂っているな……よし、じゃあやるか

「まずは草むしりだ!」

「えぇー……」

 モニクが明らかに嫌そうな顔をする。植える場所を先に草をむしって植えてから残りをむしるとかでも良いのに




「綺麗に…なりましたね?」

「お疲れ様です。モニクも良く頑張ってくれました」

「結構、腰に来ますね……これ」

「姿勢が悪いんだよ。慣れれば腰とかもそこまで痛くならないから、ほら苗木を植えよう?」

 綺麗になった裏庭に苗木を植える。井戸から水を汲んで苗木に掛けてみる


「水を掛けたからかなんか元気になった感じがするね?」

「もう少し…日差しがあれば……良いんでしょうけど」

 霧の中だから良い感じの日光が当たらないのかもしれない


「そうだ。一日一回だけどやってみよう」

 戦闘用修道服に着替えて【聖域展開】を使用する。一日一回しか使えないけど明らかに光りそうだし、教会で聖域を展開するとか神聖度マシマシな感じがするじゃん?


「【聖域展開】」

 僕の足元から光の円が一気に広がる。この光っている所が聖域か


「綺麗な聖域ですね?」

「モニクさん…大丈夫ですか?」

「体が……ピリピリしますけど、この服のお陰で耐えられます……」

 辛そうな表情のモニク。聖域は悪魔にとって辛いのか……


「【ライフシェア】」

 モニクに対して【ライフシェア】をする。聖域はHP回復の効果はあるけど悪魔だと逆にダメージを喰らっちゃうんだろうか?


「あ、ありがとうございます師匠!楽になりました!」

【弱食強肉】の効果なのか、それとも【ライフシェア】は聖属性じゃ無いのかモニクを回復出来る手段があってよかった


「闇系統の魔法以外で悪魔を回復する手段を持っているとは……ハチさん。凄いですね?」

「あ、そうなんだ?」

 悪魔は闇系統の魔法で回復出来るんだ。この感じだと逆に聖属性は弱点で回復出来ないのかな?


「あっ見てください!苗が!」

 聖域の中に入った苗がキラキラと光り、大きく成長していく


「私達も…祈りましょう」

「はい」

「は、はい!」

 3人が苗に向かって祈りのポーズをするので僕も祈る。大きくて大人しい樹に育つんだぞー


 4人で祈ると、樹がどんどん大きくなっていく。そこら辺の森に生えている樹より大きくなってるぞ?

「これは……なんか凄いね?」

「ええ…ほとんど教会と……同じくらい…」

「これは……大丈夫なんでしょうか?」

「あの……終わったなら聖域を止めてもらっても良いですか?師匠」

 一日一回制限の大技なんだろうけどモニクが辛そうだから聖域を解除する。樹も予想以上に大きくなったし、消しても問題無いだろう


 展開していた聖域を解除して樹に近寄る

「大丈夫……かな?」


 もし暴れるトレントだったら仕方が無いけど倒すしか無いだろう。どうかなぁ?

「……」

「へ?」

 何か緑色の子が出てきたんだけど?


「まさか…その子は…ドリアード?」

「ドリアード……樹の精霊だったっけ?」

 僕の記憶だとドリアードとかドライアドって呼ばれるのは樹の精霊だったと思う


「ええ…もしかして……魔樹の苗木が…清められて……樹の精になったのかも?」

「そんな事が起きるんですね……」

「とりあえず……この子の事は任せても良いかな?」

 僕がどうこうする事も出来ないし、皆に任せるしかない


「ドリアードなら、食べ物に困る事は無いでしょうし、良いんじゃないでしょうか?」

 メリアさんとミリアさんが言うならほぼ決まりだろう


「結構小さくて可愛いですね?」

 緑髪で小さいドリアードの頭を撫でるモニク。そして気持ちよさそうに頭を撫でられるドリアード。もう仲良くなってる?


「新しい後輩も出来たみたいだし、モニク?頑張ってね?」

「後輩……はい!頑張ります!この教会の事はお任せください!」

 後輩と言ったらとてもやる気に満ちた声で返事をするモニク。やっぱり後輩の存在はやる気をアップさせるんだなぁ……



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― 新着の感想 ―
[一言] 教会の付喪神に聖女の亡霊、反逆の悪魔からの木の精霊となんて神聖な教会なんだぁ。でも教会関係者がいないから公式には認められてなさそうね。ついでに棄てられた教会から名前が変わってなかったら次来た…
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