カムバックスター
「わぁ、しっかりベッドもある……」
まさかのここに僕用のベッドが出せるみたいだ。じゃあ今日はここで落ちるか
「用意してくれてありがとう」
「ハチ様やヘックス様のお陰でこの島は飛躍的な進化を遂げました。この程度でも役に立てたのであれば……」
「いやいや、この程度って、滅茶苦茶助かるよ!ここのお陰で何とか作ろうとしていた物が形になるかも!」
【フュージョナー】も万能じゃないから、鍛冶が出来る施設があるのがかなり助かる
「今日はここで休んで行っても良いかな?」
「勿論構いません。出る際はこの部屋を出てから、好きな位置のパネルに触れていただければ地上まで行く事が出来るので、ご利用ください」
「マスター。少しよろしいですか?」
おっ?クオンが話しかけて来た。何か気になる事でもあるのかな?じゃあ出してあげなきゃ
「そちらの方と会話したいのですが、よろしいですか?」
「あ、お話したいの?良いかな?」
「あなたは……是非とも会話させてください」
なんか分析したのか分からないけど、どうやら普通の人ではないと察したみたいだ
「了解。それじゃあ僕はもう休むよ。クオンも会話が終わったらしっかり休んでね」
「はい。お疲れ様でした」
何と言うか、色んな所に話をしに行く時に比べたら、魔物を狩った時の方が時間の経過が早く感じるなぁ……
「おはよう。どうだった?有意義なお話とか出来た?」
「はい。かなり有意義な話を行う事が出来ました。色々と新しい事が出来るかもしれません」
「ほほぉ、それは良いね!今日は魔吸虫を倒しに行くから、その時に何か活かせる様な事とか思いついたら試しても良いからね」
クオンがオートマトンと会話した事によって何か新しい事を考えたり、思いついたりするかもしれない。何か良い発見があったかなぁ?
「分かりました」
「よし、それじゃあ行こうかクオン」
「はい」
さて、ボルカさんの火山の所に行くぞー!
「あっ!ヘックスさん!」
「おぉ、ハチ!」
地上に上がったらヘックスさんが居た。あぁそうだ。アレを返してもらわないと
「ヘックスさん、実はこれから掘る作業があるんで、フィフスターを返して欲しいんですが……まだダメですかね?」
「あぁ!そうだったすまない。ついうっかりしていた。少し待っていてくれ。今取ってくる」
お、やっとフィフスターが返ってくる。いやぁ、ボルカさんから貰った情報的に絶対掘る必要があったから、ここで返してもらえるのは大分助かる
「悪かったなハチ。あ、ちょっとだけ使いやすくしておいたぞ」
「お、本当ですか!」
どういう風に使いやすくなったかなぁ……先端からビームが出るとかじゃないだろうなぁ?
「まぁ、使ってみてのお楽しみだ。行ってこい!」
「分かりました。行ってきます!」
現地でお試しだな!
「魔吸虫……一応、聞いている限りだと、多分一番楽な相手だと思うんだけど……流石にそれは楽観が過ぎるか。何が起きるか分からないし、気は抜かない様にしないとな……一応、他の人の目があるし、姿を変えてるけど……オーラ的に追跡されてる感じも無いな」
今回の魔吸虫が居る所は他の人と出会う可能性があるから、【バリアント細胞】やテアトルクラウンの服を使って僕とは全然関係ない人の恰好で移動しているお陰か、追跡されている感じは無い。とりあえずボルカさんから教えてもらった場所に向かうけど、人が付いてくる事もなさそうだ
「えーと、情報だとこの辺りだったよな?目印は何処かな……」
もらった情報を元に入口を探す。どうやら入口を封鎖したらしく、普通に見ただけでは分からないみたいだし、しっかり目印を探す
「ここか。ここを掘れば、洞窟があると……てってれー!フィフスター!」
帰って来たばかりのフィフスター。早速掘るぞー!
「ぬおっ!?なんだぁ!?」
フィフスターを使って地面を掘ろうとしたら、フィフスターの剣先部分を覆う様に白い光が出てきた
「わ、わぁ……」
「これが掘削なのですか?」
「いやぁ、僕の知ってる掘削と違うなぁ?」
フィフスターの先端の白い光が地面に当たると、光が触れた部分が抉られた。そして、僕のインベントリに土が入っていく。お手軽とかいうレベルじゃないんだけど?
「あぁ、この能力を使用するのにMPを消費するのか。音や土を外に出したくない時にこれはかなり有用だな……あ、もしかして、このスライドスイッチみたいなのは……あぁ、ちゃんと能力も切れる様になってる」
持ち手の部分にスライドスイッチが出来ていて、それを操作すれば魔力を使用して補助?が機能すると見て良いのかな?あと、普通に即インベントリに入る機能ってこれ、斧として使用したり、鶴嘴として使用する時にも効果を発揮するならサイレント伐採とか、サイレント採掘が出来ちゃうのか
「自分に【ハシャフ】を掛けなくても音無しで作業出来るか……これは使えるな?」
この抉られた感じから見るに、周囲に振動とかもほぼ無いんじゃないかこれ?場合によってはこれで、誰にも気付かれずに、地盤沈下とか起こせるのでは?




